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産前産後の国民健康保険料が免除に!?フリーランスへの子育て支援はどうなる?

産前産後の国民健康保険料が免除に!?フリーランスへの子育て支援はどうなる?

2022年(令和4年)11月17日に行われた、第158回社会保障審議会医療保険部会(医療保険制度の体系や診療報酬の改定についてなどを審議する部会)で、厚生労働省による産前産後期間における国民健康保険料の免除」が提案され、2024年(令和6年)1月の実施に向けて対応を進めることが講じられました。この記事では、国民健康保険においても、産前産後期間の保険料免除が認められることとなった背景や意図について解説していきます。


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フリーランスや個人事業主は国保加入が一般的

現在、日本では「国民皆保険制度」に基づき、全国民が公的な医療保険制度への加入を義務づけられています。加入する制度は、その人の属性によって異なりますが、一般的に会社員や公務員の場合は、組合健保や協会けんぽ、共済組合などの健康保険に加入しており、保険料負担は事業主との折半になっています。

かたや自営業者やフリーランスは、原則として国民健康保険(国保)に加入することになっており、前年の所得に応じた健康保険料を納めています。国民健康保険には、会社員や公務員のような保険料折半の仕組みはなく休業手当などの保障がない点がデメリットです。

また、自営業者やフリーランスの場合は、特定の職種が加入できる国民健康保険組合や、以前勤めていた会社の健康保険に任意継続という形で加入する選択肢もあります。

国保には産前産後の保険料免除がない

会社員や公務員が加入している健康保険には、産前産後期間や育児休業期間中の健康保険料免除制度が設けられています。しかし国民健康保険には、そのような仕組みがなく、産前産後期間であっても国民健康保険料を支払う必要があります。

なお、その一方で、国民年金保険においては産前産後の一定期間について、国民年金の第1号被保険者」「出産日が2019年2月以降」の人に対し国民年金保険料の支払いを免除する制度が2019年の4月に施行されています。

具体的には、本人が自営業者やフリーランス、もしくは夫が自営業者やフリーランスで専従者または扶養されている妻学生や無職の人が出産する場合に対象となります。免除期間は、出産予定日または出産日が属する月の前月から4カ月間(多胎妊娠の場合は6カ月間)です。

さらなる子育て支援を目的に、産前産後期間の国保保険料免除へ

厚生労働省は、第158回社会保障審議会医療保険部会において以下の内容を提示しました。

出産時における保険料負担の軽減
令和4年4月から、未就学児の均等割保険料の軽減制度を導入している。国会での附帯決議を踏まえ、更なる子育て世帯の負担軽減次世代育成支援等の観点から、出産する被保険者に係る産前産後期間相当分(4カ月間)の均等割保険料及び所得割保険料を免除する措置を新たに講じることとする。(令和6年1月予定)

引用:令和4年11月17日 第158回社会保障審議会医療保険部会 資料2

まず、子育て世代への経済的負担軽減の観点から、2022年4月1日より国民健康保険の被保険者のうち、未就学児(小学校入学前)に対し、国民健康保険料の均等割額が5割軽減されています。

国民健康保険料は「医療分」、「後期高齢者支援金分」そして該当する場合は「介護分」について、それぞれ所得割額、均等割額、平等割額を計算し、その合計を支払う仕組みになっていますが、その世帯に未就学児がいる場合、対象の未就学児の均等割額が半額になりました。

均等割額は被保険者の年齢に関係なく、世帯人数に一定額を乗じた額になるため、小さい子どもがいる世帯では負担が大きくなっていましたが、今年度より、負担が軽減されることになったのです。

そしてこのたび、さらなる子育て世帯の負担軽減と次世代育成支援の目的から、国民健康保険被保険者の産前産後期間の均等割保険料および所得割保険料を免除する措置が認められることになりました。2026年1月からの実施を予定しており、具体化された子育て支援策としての効果が期待できそうです。

子育て支援はフリーランスまで広がっているのか?

働き方に中立的な社会保障制度を追求していくのであれば、育児期の雇用保険の被保険者、育児休業給付の対象外となっている短時間労働者、自営業者やフリーランスに対して、財源がばらばらで異なる給付を行うのは適切ではないと考えます。雇用保険から育児休業給付を切り出し、ユニバーサルな制度をつくるといった検討も今後必要

※引用:2022-11-24 第9回全世代型社会保障構築会議 議事録

会社員や公務員の場合、加入している健康保険から出産手当金や出産育児一時金が支給されますし、雇用保険からは育児従業給付が支給されます。一方のフリーランスは、国民健康保険から支給される出産育児一時金のみです。

ユニバーサルな制度では、今後自営業者やフリーランスに対して育児休業給付がなされる可能性も見えてきました。事実、政府は自営業者やフリーランス、さらには非正規で働く人に向けて子どもが生まれた後の一定期間、給付を受け取れる制度の創設にむけた検討に入っています。実現された場合、月に2万円~3万円の給付金が支給されることとなりそうです。

さらに、現在42万円となっている出産育児一時金については、少子化対策強化の目的で、2023年度から50万円程度に増額する方向で調整に入っています。この背景には、少子化対策強化だけでなく、実際に出産時にかかる費用が全国平均で47万円と、一時金を上回っていることに対する改善策が求められていたことが挙げられるでしょう。

このように、国民健康保険の制度が会社員や公務員が加入している健康保険の内容に近づいていることは、今後自営業者やフリーランスに対しても子育て支援が広がる可能性を示唆しているといえそうです。

まとめ

これまで中心となっていた組織に属する働き方から、自分の経験や知識そしてスキルをもとに、ひとつの仕事ごとに契約を結び、報酬を得るフリーランスという働き方が増えています。最近は、副業を認める企業も増えてきたことから、副業系のフリーランスも多くみられます。しかし、組織に属さない独立系フリーランスは、健康保険制度の内容については、会社員や公務員とくらべて受けられる保障が少ない点は否めません。

とはいえ、フリーランスもれっきとした社会の一員であり、経済の活性を担っていることから、子育て支援や次世代育成支援の制度を公平に受ける権利があります。 今回の産前産後期間の国民健康保険免除をきっかけに、さらなるグローバルな制度の確立を目指し、今後フリーランスに対する子育て支援策が広がっていくことを、多くの人が望んでいるはずです。働けなくなったときの保障などについて、国民健康保険制度でも保障される仕組みができる時代がくる日も近いかもしれません。

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