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【税理士が解説】会社員だけじゃない! フリーランス・個人事業主は「産前産後」の国民年金保険料が免除

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社会保険に加入している会社員は、産前産後の休業期間中および育児休業期間中健康保険料」と「厚生年金保険料」の支払いが免除されます。一方、個人事業主やフリーランスは出産に伴う社会保険料の免除制度がなかったため、収入のない期間も原則として保険料を納めなければならず、会社員とくらべて不公平との指摘がありました。

そこで2019年(平成31年)4月に新設されたのが、国民年金の第1号被保険者について、産前産後の一定期間は国民年金保険料を免除する制度です。

制度導入の背景

会社員など企業で雇用される労働者には手厚い社会保障がある一方、フリーランスに対する社会保障は、まだあまり整備されているとはいえません。

妊娠・出産に関する社会保障についても、厚生年金保険の被保険者であれば、産前産後休業期間に加え、育児休業期間の社会保険料が本人分と会社負担分がともに免除されます。また、要件を満たせば、健康保険から出産手当金、雇用保険から育児休業給付金が支給され休業中の所得補償制度もあります。

一方フリーランスの場合には、厚生年金に未加入であるため、出産手当金を受け取ることができません。また、雇用保険にも未加入であるため、育児休業給付金も受け取れません。そこで、フリーランスと雇用労働者の格差を是正するという政府の動きのひとつとして新設されたのが、この制度です。

※参照:厚生労働省「国民年金の産前産後期間の保険料免除制度」

制度を利用しても年金が減らない!

この制度を利用した場合、産前産後の免除期間については国民年金保険料を納付したものとされるので、将来受け取れる老齢年金の受給額が減ることはありません。また、前納していた国民年金保険料がある場合、前納済み期間と産前産後の免除期間が重なった期間分の保険料は還付されます

制度の対象や免除期間は?

国民年金保険料の免除の対象となるのは、国民年金の「第1号被保険者」で、出産日が2019年(平成31年)2月1日以降の方です。ただし、免除されるのは2019年4月分以降の保険料となります。具体的には、20歳以上の女性のうち以下の人が出産する場合に対象となります。

  • 自営業、フリーランスの方
  • 夫が自営業、フリーランスで専従者になっている妻
  • 夫が自営業、フリーランスで扶養されている妻
  • 無職、学生

国民年金保険料が免除される期間は、出産予定日または出産日が属する月の前月から4カ月間、多胎妊娠(一度に2人以上の子どもを妊娠すること)の場合は、出産予定日または出産日が属する月の3カ月前から6カ月間となります。なお、出産とは妊娠85日(4カ月)以上の出産をいい、死産、流産、早産を含みます。

出産(予定)日が2021年(令和3年)5月10日
※令和3年度の国民年金保険料:1万6,610円(月額)

  • 単胎妊娠の場合:
    2021年4~7月分の保険料が免除
    免除額=6万6,440円(1万6,610円×4カ月)
  • 多胎妊娠の場合:
    2021年2~7月分の保険料が免除
    免除額=9万9,660円(1万6,610円×6カ月)

※参照:日本年金機構「国民年金保険料の産前産後期間の免除制度」

届出は自治体へ

国民年金保険料の免除の届出は、住民登録をしている市区町村役場の国民年金担当窓口で行い、郵送でも手続きが可能です。届出用紙(国民年金被保険者関係届書/申出書)は役場の窓口で入手するか、日本年金機構の公式サイトからダウンロードもできます。

出産予定日の6カ月前から届出可能で、母子健康手帳のコピーを添付する必要があります。なお、出産後であっても届出はできます。また、すでに国民年金保険料を免除・納付猶予、学生納付特例が承認されている場合でも届出が可能です。

※参照:日本年金機構「よくあるご質問」

まとめ

国民年金保険料の産前産後期間の免除は、本人による申請が必要です。手続きは比較的に簡単ですので、個人事業主やフリーランスでこれから出産を予定している方や出産したばかりの方は、必ず利用するようにしましょう。

執筆者profile
公認会計士・税理士 河野雅人
東京都新宿区に事務所を構え活動中。大手監査法人に勤務した後、会計コンサルティング会社を経て、税理士として独立。中小企業、個人事業主を会計、税務の面から支援している。独立後8年間の実績は、法人税申告実績約300件、個人所得税申告実績約600件、相続税申告実績約50件。年間約10件、セミナーや研修会などの講師としても活躍している。趣味はスポーツ観戦。
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