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【税理士監修2022年版】確定申告をしなくていい金額は?副業や扶養範囲内で働く人はどうなる?

【税理士監修2022年版】確定申告をしなくていい金額は?副業や扶養範囲内で働く人はどうなる?

そろそろ、確定申告の時期ですね。コロナ禍による働き方の変化で、昨年から副業を始めた会社員や、これまでは専業主婦だったけれど扶養の範囲内で働き始めた方独立してフリーランスになった方などもいると思います。

思ったよりも収入が増えて、中には「確定申告をしたほうがいいの?」と悩んでいる方もいるかもしれません。そこで今回は確定申告をしなくてもいい金額について解説します。

副業による所得が20万円を超えたら確定申告が必要

一般的な会社員であれば、会社での年末調整によって所得税が精算されるため、通常は確定申告をしなくていいことになっています。年末になると、給料から引かれすぎていた所得税を会社から返してもらった経験のある方も多いでしょう。

年末調整は「会社があなたの代わりに税金を計算し、申告してくれる」というイメージのものです。そのため「多額の医療費を支払った」「住宅を購入した」等のことでもない限り、「いままで確定申告なんて一度もしたことがない」という会社員も多いでしょう。

しかし副業を始めて給与以外の収入が発生すると、確定申告が必要なのかどうか迷ってしまいますよね。ポイントとなるのは、副業による所得額や給与額です。

具体的に、会社員でも確定申告の必要があるケースをまとめました。

(1)給与を1か所から受けとっていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える

もう少しわかりやすく説明すると、「1か所の会社に勤めていていて(会社に年末調整をしてもらっている)、(給与所得や退職所得以外の)副業による所得が20万円を超えている」場合です。

(2)給与の収入金額が2,000万円を超える

給与の収入金額が2,000万円を超える場合は、副業をしていてもしていなくても年末調整はできず、確定申告をしなければなりません。したがって、副業による所得が20万円以下であっても確定申告が必要です。

(3)給与を2か所以上から受けとっていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える

副業による所得が20万円以下であっても、給与を2か所以上から受けとっている場合も、要件に当てはまれば確定申告が必要になります。

※給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除・医療費控除・寄附金控除及び基礎控除を除く)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円以下の方は申告は不要です。

参考:国税庁HP「確定申告が必要な方

確定申告がマスト=開業届もマスト、は誤解?

「確定申告がマストということは、開業届もマストなの?」
「開業届を出してないから、確定申告はしなくていいよね」

こんなふうに考える方もいるかもしれませんが、それは誤解です。実は、開業届を出していなかったとしても罰則はありません。確定申告がマストだからといって、開業届の提出は必ずしもマストとはいえないのです。

ただし、確定申告で青色申告を選択すると青色申告特別控除といって、事業所得から10万円又は55万円(電子申告など一定の要件を満たせば65万円)を引いてくれる制度があります。所得金額が下がり節税につながるので、青色申告を選択する方も多いでしょう。

この青色申告の承認を受けるためには、「開業届の提出がマスト」となります。開業届を提出していないと屋号付きの口座を開設できなかったり、融資を受けられなかったりする可能性もありますので、事業を続けていくのであれば開業届を出したほうがベターといえそうです。

扶養内で働いている人も確定申告は必要

扶養内で働いている場合、パートなどの給与所得であれば基本的には確定申告は不要です。

フリーランスの場合は、給与所得などのその他所得がなく、フリーランスとしての事業所得が48万円以下であれば確定申告は不要ですし、扶養にも入ることができます。

ただし事業所得が48万円以下であっても、青色申告特別控除の金額を控除した後の事業所得が48万円以下になる場合には、確定申告が必要となるので注意しましょう。

具体例
・事業所得45万円、青色申告特別控除をしない→確定申告不要
・事業所得110万円−青色申告特別控除(65万円)=事業所得45万円→確定申告必要

なかには「確定申告をすると扶養から外れてしまうのでは?」と不安になる方もいるかもしれません。しかし確定申告はあくまで一定の所得を得た場合にする必要があるものであり、扶養に入っているかどうかは関係ありません。

確定申告が必要となった場合でも、申告したからといって必ずしも扶養から外れてしまうわけではないのでご安心ください。

まとめ

自分で申告をしたことがない方にとっては、確定申告はとてもハードルが高く、不安を感じるものかもしれません。しかし、確定申告はあくまで一定の所得を得た場合に提出が必要とされているものに過ぎません。

1か所の会社に勤めていて年末調整を受けていれば、副業の所得が20万円を超えない限り申告は不要ですし、提出が必要になったからといって、ただちに扶養から外れてしまうこともありません。確定申告のポイントを理解すれば、過度に心配する必要はないと思いますので、しっかり理解して備えておきましょう。

執筆者profile
松永陽子松永陽子(まつなが・ようこ)
松永陽子税理士事務所 代表。大阪府立大学卒業後、社会福祉法人勤務を経て結婚。税理士法人・税理士事務所に勤務しながら、3人の育児と税理士試験の受験を続け、官報合格(簿記論・財務諸表論・法人税法・相続税法・消費税法)。現在は、兵庫県神戸市北区の個人事務所にて活動している。
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