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【弁護士が解説】フリーランスが利用できる「コロナ版ローン減免制度」とは?

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新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減り、ローンが返済できない……。そんなときは、2020年12月1日から運用がスタートした「コロナ版ローン減免制度」の利用を検討しましょう。ある一定の財産を残しながらローンの減免を受けることができるほか、手続きを支援する専門家である弁護士の費用がかからないなど、さまざまなメリットがあります。

コロナ版ローン減免制度とは?

コロナ版ローン減免制度とは、2016年4月1日から運用されている「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン(被災ローン減免制度)」を、特則によって新型コロナウイルス感染症にも適用することとしたものを指します。

もともと被災ローン減免制度は、災害救助法が適用される自然災害の影響でローン等の支払いが難しくなった個人に適用されるものです。破産手続等の法的手続ではなく金融機関等が裁判所の特定調停を活用した債務整理により債務免除を行うことで、ローン等を負った個人の自助努力による生活や、事業の再建を支援することを目的とした民間のガイドラインです。

新型コロナウイルス感染症は自然災害ではありませんが、自然災害と同じように長期間にわたって収入の減少が続き、生活や事業に支障をきたす人が増えました。そこで、特例として新型コロナウイルス感染症にも、従来の被災ローン減免制度の枠組みが適用されることとなりました。

※参照:一般社団法人 東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関

対象者はどんな人?

対象となる人は、新型コロナの影響による失業や、売上や収入が減少するなどして、住宅ローン、事業性ローン、カードローンなどのローン(クレジット債務などを含む)の支払いが難しくなった個人や個人事業主です。

したがって、フリーランスもコロナ版ローン減免制度を利用できます。これに対し、会社などの法人はコロナ版ローン減免制度の対象外です。

対象となる債務は2つ

コロナ版ローン減免制度による減免の対象となる債務は、以下の2つです。

  1. 2020年2月1日以前に負担していた債務
  2. 2020年2月2日から2021年10月30日までの間に新型コロナウイルス感染症への対応のために負担した債務

AとBのいずれも、銀行や政府系金融機関、貸金業者、クレジット会社、リース会社、債権回収会社に対する債務など、幅広く減免の対象となります。A「2020年2月1日以前に負担していた債務」については、個人の住宅ローンなど生活上の債務についても減免を受けることができます

これに対し、B「2020年2月2日から10月30日までに負担した新型コロナウイルス感染症対応のための債務」には、自動車ローンや住宅ローンなど新型コロナ対応と無関係に組んだローンは含まれません。Bにおける新型コロナ対応のために負担した債務に該当する代表的な例は、フリーランスが、事業用資金を金融機関から実質無利子・無担保で借り入れたケースです。

このほか、新型コロナによる収入減を理由としてフリーランスが生活費を補填するために借り入れをした場合も、Bによる減免の対象となります

なお、本制度では、債務の一部だけを減免の対象として選べます。例えば、住宅ローンで購入した自宅を手放すことは避けたいケースでは、住宅ローンは従前どおりの支払いを継続し、その他のローンだけ減免を受けることも可能です。

※参照:「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」 を新型 コロナウイルス感染症 に適用する場合の特則

制度を利用するメリットは3つ

コロナ版ローン減免制度を利用するメリットは、大きく分けて3つあります。

1. 特別定額給付金などの差押禁止財産に加え、財産の一部を手元に残せる

この制度を利用すると、国民1人あたり10万円が支給された特別定額給付金などの差押禁止財産や、預貯金などの財産一定限度で手元に残すことができます

手元に残すことができる財産の限度は、自己破産をした場合に準じて99万円が目安です。もっとも、事業を続けるために必須の財産などは、交渉次第で99万円相当を超えていても、手元に残せる可能性があります。

2. 「信用情報機関」に登録されないので、その後の借り入れの可能性を残せる

自己破産や個人再生手続など債務整理のため法的手続きを利用すると、「信用情報機関」にその旨の情報が登録されます。信用情報機関というのは、金融機関各社が自社の顧客の延滞や破産などの事故情報等を登録し、他社と情報共有するための仕組みです。

金融機関が顧客から借り入れの申し込みを受けると、金融機関は信用情報機関に照会して事故情報がないか確認をします。万が一、事故情報が登録されていれば、たいていの金融機関は融資に消極的になるでしょう。

このため、自己破産などの法的手続をとると、信用情報機関に登録された事故情報が抹消されるまでの数年間は、新たな借り入れが難しくなることが多いのです。

これに対し、コロナ版ローン減免制度を利用した場合には、信用情報機関にその旨が登録されません。したがって、債務の減免というメリットを得ながら、新たな借り入れが困難になるというデメリットを回避することができます。

3. 弁護士、不動産鑑定士など「登録支援専門家」からの支援が無償で受けられる

この制度を利用するときには、「登録支援専門家」に手続きの支援を依頼します。登録支援専門家にあたるのは弁護士公認会計士税理士不動産鑑定士。これらによる支援を無償で利用できるのです

制度を利用するデメリットは?

コロナ版ローン減免制度にはデメリットもありますので注意しましょう。

1. 金融機関等の同意がないとローンを減免できない

コロナ版ローン減免制度による債務整理は、金融機関等の合意のもと行われます。このため、金融機関等の一部が減免の条件に同意してくれない場合には、ローンの減免ができないことがあります。

2. 手続が途中で終了すると一括請求を受けるリスクがある

コロナ版ローン減免制度を利用して債務整理に着手したものの、なんらかの事情で手続が途中終了することも考えられるでしょう。この場合、金融機関等の債権者から元本、利息、遅延損害金等を一括で請求される可能性があります。

途中終了後の対応は金融機関等の判断次第ではあるものの、このようなリスクがあることは、念のため理解しておいたほうがよいでしょう。

制度利用の流れ

制度を利用する場合の手続きの流れは次のとおりです。

STEP.1
最も借入残高が多い金融機関等から制度利用の同意(着手同意)書の交付を受けた上で、地元の弁護士会などに手続支援を依頼します。
STEP.2
依頼を受けた弁護士会は制度を利用する個人に対して、手続きを支援する登録支援専門家を紹介します。その後、利用者はローンの減免を求める金融機関等に対して債務整理の申し出を行います。
STEP.3
利用者は金融機関等と協議しながら、債務整理の内容をまとめた調停条項案を作成します。
STEP.4
債務整理の対象とする金融機関等のすべてから調停条項案について同意を得られれば簡易裁判所に特定調停を申し立てます。調停で調停条項が確定すれば、債務整理が完了となります。

なお、登録支援専門家からは手続きに必要となる書面の作成や金融機関等の交渉についてサポートを受けられますが、調停期日への出頭は利用者本人が行う必要があります

適用期限は現状未定

コロナ版ローン減免制度は、新型コロナの影響を受けた個人を救済するための特例的な措置です。このため、恒久的な措置ではなく、事前の告知を行った上で、適用を終了する予定となっています。

まとめ

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、資金繰りが苦しくなっているフリーランスが増えています。コロナ版ローン減免制度では、自己破産による不利益を避けながら債務を整理することが可能です。ただし、期間限定の特例的な措置となる見込みですので、利用を考えているフリーランスの方は、早めに地元の弁護士会などに相談をすることをおすすめします。

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