『ファイナンシャルプランナーに聞く』フリーランスが蓄えておくべき老後資金はいくら?(後編)

高齢化が加速する中、何かと気になるのが老後資金。

特に会社員と違って厚生年金が支給されないフリーランスは、老後資金に対する不安はより大きいのではないでしょうか。

今回は多くのフリーランスの相談に応じている、ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんにお話をお聞きしました。

国民年金基金や付加年金、小規模企業共済への加入も検討を

前編では老後資金の算出法等についてお話ししましたが、今回は、具体的に老後資金を貯めるためのテクニックについてレクチャーしたいと思います。

前編でもお話ししましたが、夫婦ともにフリーランスで40年間国民年金のみ支払ってきた場合、受給年金額は夫婦で月に13万円程度です。これだけで生活するのは厳しい可能性が高いため、老後収入を増やす手立てを今すぐに始めましょう。

ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さん

老後収入を増やす手立てとは、どんな方法がありますか?

具体的には、フリーランスの方には以下のような方法がおすすめです。

国民年金基金または付加年金に加入

国民年金基金は、老齢基礎年金に上乗せした年金を受け取るための公的な制度です。こちらはご存知の方も多いと思いますが、一方で、意外と知られていないのが付加年金です。この付加年金、知られざる良い制度なんですよ。

月々400円の付加保険料を納付すれば、65歳から付加年金という形で、毎年「200円×付加保険料納付済期間の月数」を受け取ることができる仕組みです。 例えば30年間(360月)付加保険料を納めた場合は、保険料の総額は、400円×360月=144,000円。これに対して受給額は、200円×360月=72,000円(年額)となり、この金額は一生もらい続けることに。2年で元が取れるということです。

ただし、付加年金は国民年金基金と同時加入ができませんので、フリーランスの方は付加年金に加入する場合は、iDeCoにも加入するプランが良いかもしれません。ただし、iDeCoの掛金上限額は付加年金と合わせて68000円となるため、iDeCoの掛金上限額は67000円となります。(年単位拠出による調整は可能))

小規模企業共済へ加入する

廃業時や65歳以降にもらえる、小規模企業共済への加入もおすすめです。小規模企業の経営者、役員、個人事業主などを対象とした積み立てによる退職金制度です。掛金は月70,000円までで、全額所得控除できるので、高い節税効果があるのも大きな魅力です。

個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入する

掛金を積み立て、60歳になったら受取ることができる「じぶん年金」の制度です。しかも運用益は70歳まで非課税。会社員も入れる制度ですが、フリーランスは会社員より拠出可能額が月68,000円と大きく(会社員・公務員は月12000円~23000円)、全額所得控除することが可能です。小規模企業共済と一緒に加入すれば、かなりの節税につながりますね。

個人向け国債を買う

ある程度お金が貯まったら、個人向け国債を購入するという方法もあります。個人向け国債は、個人が10,000円から購入できて、一定期間が経過すれば請求に応じて国が買い取ってくれる中途換金制度があります。個人向け国債は一般的な定期預金よりも金利が良く、0.05%が最低保証されており、1年経てば元本割れリスクがなくなる金融商品です。今買うなら、世の中の金利に連動して金利が変わる「変動10年」を選ぶのが良いでしょう。

病気やけがに備える就業不能保険・所得補償保険もおすすめ

老後資金についてはもちろんですが、フリーランスは病気やけがで働けなくなったときのことも考えたておいた方がいいですよね。病気やけがで働けない状態になると、フリーランスは収入がなくなってしまいますので、就業不能保険や所得補償保険に入ることをおすすめします。

就業不能保険や所得補償保険とはどんな保険ですか?

就業不能保険や所得補償保険は、病気やけが等が原因で働けなくなって収入が減ってしまったときの生活費をサポートする保険です。例えばある代表的な就業不能保険は、30歳で加入して毎月1,700円程度の掛け金を支払えば、55歳で払い済みの場合、支払い対象になった場合、3年間まで月額10万円ほど支給されます。

子どもの教育費は「自動的に貯まる仕組み」が理想的

最低限の生活費はもちろんですが、お子さんがいる場合は、教育費だけはショートしないようにしたいですね。せっかくお子さんが一生懸命勉強して難関校に入学したのに、お金が用意できなかったから入学できなかった、なんてことになったら大変ですから。また、お子さんが小さいうちから、夫婦で「どこまで出してあげるか」話し合っておくことが大切ですよ。

子どもの教育資金はショートしないように!

特に大学は1年に2回一括で学費を納入する必要があるので、手元に現金を準備しておく必要があるんです。そのためにもお子さんが大学に入学するまでに、最低でも300万円は教育資金が貯まるような仕組みづくりをしておきましょう。

おすすめは毎月支給される児童手当に手をつけず、そのまま貯めておくという方法です。所得制限がなければ、それだけで200万円前後貯めることができます。教育費用口座を作り、児童手当の支払先に指定すれば自動的に貯まりますよ。

そしてこれは教育費に限らずですが、確実にお金を貯めるには、普段の生活費を出し入れする口座と仕事の売上が入金される口座を分けた方が良いと思います。「フリーナンス収納代行サービス」などを活用して、プライベートと仕事の収支を分けておいても良いかもしれませんね。

取材・文:FREENANCE編集部

『ファイナンシャルプランナーに聞く』 フリーランスが蓄えておくべき老後資金はいくら?(前編)

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鈴木さや子
株式会社ライフヴェーラ代表取締役 ファイナンシャルプランナー(CFP®)・1級FP技能士・DCプランナー1級・キャリアコンサルタント(国家資格) All About学費・教育費ガイド-毎日を笑顔で過ごすために、生活に役立つお金の情報やキャリアの考え方を、セミナーや雑誌のコラム、ブログ、Facebookなどを通じて発信。保険や金融商品などを一切販売しないFPとして活動中。
株式会社ライフヴェーラ