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【2021年2月更新】ファイナンシャルプランナーに聞く ― 出産を機に退職して、フリーランスになるのは賢い選択?

※この記事は2021年2月時点での最新情報に更新されています。

多くの女性が悩んだことがあるであろう、“妊娠・出産後の仕事のこと”。手に職のある女性の中には、「これを機に、会社を退職してフリーランスになろうかな?」と考える人もいるのでは?果たしてそれは、賢い選択なのでしょうか?

多数のフリーランスのお金の相談に応じてきた、ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんにお聞きしました。

妊娠・出産は、働き方を変えるベストなタイミングとは限らない?

妊娠や出産後にどんな形で仕事をするかというのは、女性にとって大きな問題ですよね。

そうですね。私も以前は会社員だったのですが、結婚を機に退職して、それから11年間はずっと専業主婦だったんです。ある程度子どもたちが成長して、「そろそろ仕事をしたいな」と考えるようになったのですが、今さら会社員に戻る自信がなくて。フリーランスなら自分のペースに合わせて仕事ができると考え、ファイナンシャルプランナーとして独立することを決意しました。

会社員とフリーランスの両方を経験なさって、どちらが理想的な働き方だと感じましたか?

率直に言うと、お金の面では会社員の方が恵まれていると感じることが多いです。

会社員は病気で休んでも、有給を消化すれば通常通りの給与が支給されるわけですから。しかしフリーランスは自分で仕事を獲得して、それをきちんとやり遂げないとお金は入ってきませんからね。今後の収入の目処が立たないこともありますので、精神的な負担も少なくないと思います。

すると、妊娠・出産を機にフリーランスになるか否かについては、慎重に考えなければいけませんね。

そもそも、妊娠・出産が会社を辞めるか否かの決断をするのにベストなタイミングだとは限らないと思います。出産後は、予期せぬことがいろいろと起こる可能性がありますから。

例えば、生まれてきたお子さんに持病やアレルギーがあって、頻繁に通院が必要になるかもしれません。自分自身が育児疲れで体調を崩して、仕事どころではなくなるケースもありますよね。お子さんがある程度の年齢になるまで、現在の働き方を変えずに、様子を見てもいいのではないでしょうか。

鈴木さや子さん

育児休業中にゆっくり考えてみるという方法もありますしね。

ええ、会社員の方は産前産後休業(以下、産休)・育児休業(以下、育休)を有効に活用した方が良いと思います。何よりも、産休・育休中はお金の面でも保障がありますから。

産休・育休の「開始月」から「終了前月(※1)」までの社会保険料は免除になりますし、免除されている期間も保険料を納めた期間として扱われますますので、将来の受取年金が減額されることはありません。

例えば子どもを2人出産する場合、子ども一人当たり(※2)1年3か月間の産休・育休を取得すると考えると、合計2年6か月間は社会保険料が免除になります。

さらに産休中は健康保険から給与(※3)の3分の2に相当する額が「出産手当金」という形で支給され、育休中は雇用保険から給与(※4)の67%(6か月経過後は50%)に相当する額が「育児休業給付金」という形で支給されます。

※1:産休・育休終了予定日の翌日の月の前月
※2:子どもが1歳になるまで育児休暇を取得する場合
※3:支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日
※4:育児休業開始前6か月の賃金÷180日

「自由度」という意味ではフリーランスが勝る!

収入の安定性や福利厚生という面では会社員の方が恵まれていると思いますが、私自身は、子育てをするうえではフリーランスで良かったと思っています。

そう感じた理由は何でしょうか?

圧倒的に時間の自由度が高いことです。おかげで私は、子どもたちの学校で開催される平日の行事にほとんど出席することができました。そんな私の姿を見て育った子どもたちが、最近では「ママと同じようにフリーランスもいいかも!」と言うこともあります。

それはうれしいですね!

それにフリーランスの場合は、増収が見込めるというメリットがあります。最近はクラウドワークスなどで仕事を獲得するチャンスも増えていますし、自分の出来る範囲で、働いたぶんだけ稼げる!という希望が持てますよね。

お金の面では会社員の方が恵まれているとお話ししましたが、フリーランスでもある程度稼ぐことができるのであれば、老後の生活や子どもの学費などをきちんとプールしておけば大丈夫だと思います。

iDeCoや国民年金基金に加入して老後資金を蓄えたり、学資保険への加入や積立定期預金で子どもの学費を確保したりするなど、上手にお金を蓄える方法を考えましょう。

フリーランスになる前の「お金や人脈」の準備もしっかりと

もし妊娠・出産後にフリーランスになると決めたら、事前準備をしっかりしておきましょう。

独立後にプラスになるように人脈を増やしておいたり、会社員時代から勉強して資格を取得したりすることも大切だと思います。あとは、開業資金や開業後の収入減に備えて、会社員のうちにできるだけ貯蓄に励みましょう!

具体的にどのくらい蓄えておけば良いのでしょうか?

ざっくりですが、1年間は仕事がなくても生活できるくらいの貯金があると安心です。

開業資金は、どんなビジネスを始めるかによりますが、個人事業主でスタートするのであれば、そんなに大きな金額は必要ない場合が多いでしょう。

私は格安名刺サービスで名刺を作ったり、HPを自作したりして、かなり出費を抑えました。最初はバーチャルオフィスを利用することにしたので、オフィス費用も月数千円でしたよ。

それよりも、仕事獲得のための人脈作りや、コンテンツ作りのためにお金をかけました。ただしビジネスの種類によってもお金のかけ方は異なるため、もちろん人それぞれですけれどね。

参考:一般的な開業資金(飲食店以外)の目安
  • 名刺や印鑑などの購入費:3,000円~3万円程度
  • PC、文房具、ソフトウェアなどの購入費:5,000円~20万円程度
  • WEBサイト制作費:0円~100万円程度
  • オフィス契約費:0円(契約しない場合)~50万円程度
  • (法人設立の場合)法人登記関連費:20万円~25万円程度 など
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出産後、思いがけない自分の感情に気付くことも

妊娠・出産を機に女性が会社員を続けるか、フリーランスに転身するか。どちらが賢い選択かと聞かれると、「人それぞれ」と言わざるを得ません。

ただ、妊娠・出産を機に「今後の仕事をどうするか決めないと……」と、焦る必要はないと思います。

まずは今の仕事と子育てとを両立しながら、“自分がどんなタイプか”を見極めてみればいいのではないでしょうか。「私はバリバリ仕事をしている方が幸せ」と思い込んでいた女性が、出産後に「できるだけ長い時間、子どもと一緒にいたい!」という思いがけない自分の感情に気付くことだってありますからね。

まずは育児をしてみて、焦らずゆっくり考えてみるという考え方もあるということですね!ありがとうございました。

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