FREENANCE MAG

フリーランスを応援するメディア「フリーナンスマグ」

【税理士が解説】確定申告のやり方Vol.03 「クラウド会計サービスで書類作成の手間を省くテクニック」

フリーランスが避けては通れない、一年に一度の「確定申告」。またこの季節がやってきた……と頭を悩ませている方々のために、FREENANCE MAGでは確定申告を少しでもスムーズ&的確に進めるための情報をお届けします。

今回のテーマは「クラウド会計サービスで書類作成の手間を省くテクニック」について。

クラウド会計サービスで記帳の手間を大きく軽減

売上や経費の記帳、残高の計算……。確定申告書類を作成するのはとても骨が折れる作業。

しかし最近はクラウド会計サービスが普及し、自分の銀行口座やカードをシステムに連携させておけば、日々のお金の流れが自動的に登録され、確定申告書類の作成を楽にすることもできます。

クラウド会計サービス等を使って、確定申告の手間を軽減するコツを税理士の萩口先生にお聞きしました。

クラウド会計サービスを使用するメリットを教えてください。

萩口さん クラウド会計サービスを利用することで、以下のようなメリットが期待できます。

株式会社HG&カンパニー/はぎぐち公認会計士・税理士事務所
代表公認会計士・税理士 萩口義治
株式会社HG&カンパニー/はぎぐち公認会計士・税理士事務所
代表公認会計士・税理士 萩口義治さん

1:記帳の手間が省ける

萩口さん 普段使っている(※)銀行口座やクレジットカードをクラウド会計サービスに連動させておけば、日々の入出金のデータが自動でシステムに取り込まれます。

※インターネットバンキングのアカウントや、カード利用履歴をwebで閲覧できるアカウントを作成して連動させる必要があります。

「何月何日に誰に対していくら払ったか、誰から入金されたか」など、銀行の通帳やクレジットカードの利用明細に書かれるようなデータがすべてシステムに自動で登録されますので、確定申告で帳簿を作る際に、通帳やクレジットカードの利用明細などを確認しながら入力する手間が軽減されます。

2:必要書類を自動生成できる

萩口さん それぞれの入出金の登録作業等が終われば、確定申告書Bや青色申告決算書など、確定申告書類を自動生成してくれる機能もあります。

3:日々の収支を確認できる

萩口さん 確定申告とは直接関係ないかもしれませんが、クラウド会計ソフトには銀行口座やクレジットカードの利用履歴のデータが記録されます。これに加えて経費の領収書などもこまめに記録しておけば、いつでも最新の収支データを確認することができます。何にいくら経費を使ったのかもすぐに確認できますよね。また、売掛や経費をいろいろな台帳で管理していた方も、クラウド会計ソフトで一元化管理すれば、確認が楽になるかもしれません。

クラウド会計サービスで確定申告する際の注意点

クラウド会計サービスを使用して確定申告する際の注意点はありますか?

1:初期設定を正確に行う

萩口さん クラウド会計ソフトの特徴として、最初の設定が間違っていると、そのまま間違いが継続されてしまうということもあります。

たとえば、クレジットカードで支払った経費がシステムに自動的に登録されているのに、後日、領収書を見ながら手動でも入力してしまい、二重登録になってしまうというケースもあります。それを回避するためにも、最初にルールを決めておくことが重要です。

  • 銀行口座やクレジットカードはシステムに連動させ、現金での出金は手動で入力する
  • クレジットカードは個人用と事業用(仕事用)にきちんと分けて、事業用のみシステムに連動させる

2:不明点は税理士に相談を

萩口さん 初期設定でわからないことがあったり、完成した決算書をチェックして欲しかったりするときは、税理士に相談してみるという方法もあります。

最近はクラウド会計サービスのサイト内で税理士に相談できるサービスもあるようですから、それを活用してみてもいいかもしれません。きちんと設定を済ませ、正しく使いこなせるようになれば、とても便利なサービスです。

税金の支払いにクレジットカードを利用するのもおすすめ

クレジットカード

萩口さん クラウド会計サービスから話はそれますが、確定申告後に納税額が確定したら、税金をクレジットカードで支払うという方法もおすすめです。

税金をクレジットカードで支払うことができるんですね。

萩口さん はい、最近はさまざまな税金をクレジットカードで支払うことができるようになっています。

クレジットカードを使用すると、必ずと言っていいほどポイントが付与されます。事業税の支払いは高額になることもありますから、それに対してポイントが付与されるのは魅力的です。さらに、クレジットカードの場合、支払いを後回しにできるので資金繰りの観点からも有利です。

税金をクレジットカードで支払いたい場合は、自分の住んでいる市町村や自治体のHPに方法が記載されていることが多いのでチェックしてみましょう。

いずれにしろ、銀行口座やクレジットカード、そしてクラウド会計サービスの使用は、今や主流になってきています。便利だからこそ、使い方を間違えずに、正しい申告を行いましょう。

profile

萩口義治
株式会社HG&カンパニー/はぎぐち公認会計士・税理士事務所代表、公認会計士・税理士。創業支援を得意とし、フリーランスの法人化支援やフリーランスが利用できる補助金や創業融資の獲得支援などを行なっている。
株式会社HG&カンパニー/はぎぐち公認会計士・税理士事務所

フリーナンスはフリーランス・個人事業主を支えるお金と保険のサービスです

日本初のフリーランス向けファクタリングサービス
「FREENANCE即日払い」

FREENANCE会員(会員登録は無料)になると、手持ちの請求書を最短即日中に現金化できる、2018年に誕生した日本初のフリーランス向けファクタリングサービス「即日払い」を利用できます。
会員登録自体は通常1時間以内で完了。会員登録を申し込んだその日に即日払いを利用することも可能です。
https://freenance.net/sokujitsu

▼あわせて読みたい!▼