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インボイス制度にフリーランスはどう対応する?登録の期限や懸念点は?

フリーランスや個人事業主の人たちにとって、いま気になることの一つといえば「インボイス制度」でしょう。「2023年からインボイス制度が始まるけど、どうしたらいいの?」「インボイス制度が導入されるまでに何をしておけばいいのだろう……」など、不安な方も多いかと思います。今回はインボイス制度の概要や、必要な対応などをまとめました。

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文/げんとく:中央大学法学部を卒業後、出身地にUターン。団体職員として債権管理・自己査定などに従事し、3年勤務後フリーランスに。2年前よりWeb作成事業・ライティングの受託を主業務に。得意ジャンルは金融・経営・法務・行政手続・子育て・デジタルガジェットなど。現在クライアントワークで作成した記事は500記事を越える。

インボイス制度とは?課税事業者か免税事業者かの選択が迫られる

まず、インボイス制度というのは具体的にどのような制度かを解説します。

インボイス制度は端的にいうと、「これまで免税業者だった事業者からも消費税を徴収する」仕組みです。フリーランスの方なら、「年間売上が1,000万円を超えると基本的には翌々年に消費税を納める義務(例外あり)がある」ということは、おそらくご存じかと思います。現在は、特定期間・特定年度の課税年間売上高が1,000万円を超える等の理由がない限り、小規模事業者やフリーランスは納税義務が免除される、つまり免税事業者となります。

しかしインボイス制度の導入によって、課税売上高1,000万円以下(もしくは1月~12月で売上1,000万円以下見込み)のフリーランスは、課税事業者として登録するか、登録せずに免税事業者として活動するかを選ぶ必要が出てきました。課税事業者として登録することを選んだ場合は、売上が1,000万円以下の場合でも常に消費税を納税する必要があります。

もし免税事業者のままでいる(=課税事業者として登録しない)場合、その事業者と取引する企業は「仕入税額控除が受けられない」※というデメリットがあるため、免税事業者のままのフリーランス・個人事業主は企業から発注を得にくくなる可能性があるのです。

※2023年10月1日~2026年9月末日までは仕入額相当額の80%、2026年10月1日~2029年9月末日までは仕入額相当額の50%の経過措置あり

インボイス制度の概要や仕組みについては、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。

売上5,000万円以下であれば「簡易課税制度」の活用で消費税納付額を減らすことができる

インボイス制度が導入されて課税事業者になった場合、「10%の消費税負担はキツイ!」と考えている人は多いでしょう。しかし「簡易課税制度」を活用すれば、概ね負担額を半分前後まで減らすことができます。事業のジャンルによって異なりますが、90%~40%の「みなし仕入率適用等」による負担軽減が見込めるのです。

なお、簡易課税制度を利用する場合は、事前の申請が必要です。

簡易課税を選択することは、税負担の軽減だけでなく、事務負担の大幅な軽減も期待できます。

消費税の課税は、簡易課税と原則課税が存在します。原則課税だと「課税売上に係る消費税額」「課税仕入れ等に係る消費税額」の計算や、「税率ごとの合計額」を記載した請求書等(区分記載請求書等)の交付や記帳などの経理(区分経理)を行う必要があるなど、とにかく事務が複雑になります。簡易課税であれば、「課税期間中の課税売上に係る消費税額-(課税期間中の課税売上に係る消費税額×みなし仕入率)=消費税額」という単純な計算式ですみます。

※参考:簡易課税制度(国税庁)
※参考:消費税のしくみ(国税庁)

インボイス制度で課税事業者を選ぶとしたら、いつまでに登録する?

課税事業者として登録するという選択をした場合、2023年10月1日のインボイス制度開始に合わせるためには、「課税事業者として税務署に登録する手続き」を2023年3月31日までに行う必要があります。

もちろん2023年3月1日以降の期間であっても、課税事業者として登録することは可能です。

参考:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A

インボイス制度に登録すると公表サイトに名前が載る?

インボイス制度を機に課税事業者として登録した場合、「適格請求書発行事業者公表サイト」に情報が掲載されます。自分の名前を公開したくないという方は、これも気になりますよね。

単純に「適格請求書発行事業者の登録申請書(記載例)」を提出しただけでは、本名がそのまま公開されてしまいます。しかし登録申請と同時に「公表申出書」を提出すれば、ペンネーム・ビジネスネーム・屋号を掲載することはできます。

なお、氏名もしくは屋号は必ず公表されます。個人事業主が公表をするか否かを選択できるのは、下記の事項です。

  • 主たる事務所の所在地等
  • 通称(住民票に併記されている通称に限る)
  • 旧姓(旧氏)氏名※住民票に併記されている旧姓(旧氏)に限る
    ※通称や旧姓の使用には、所定の書類提出が必要になります。

※参考:適格請求書発行事業者公表サイト(国税庁)
※参考:適格請求書発行事業者の登録申請書の提出に当たりご注意いただきたい事項(国税庁)

インボイス制度に登録したほうが良い人、しばらく様子を見た方がいい人はどんな人?

インボイス制度で誤解されがちなのが、「個人事業主・フリーランスが必ずしも全員、課税事業者として登録する必要があるわけではない」ということです。

例えば、

  • 企業と取引しているが、取引先からの要請が特にない
  • YouTube広告やアドセンス広告など、外国法人からの報酬受け取りがほとんどである
  • 個人との取引が大半である

という場合は、すぐには登録せずに、しばらく様子を見るという選択肢もあります。(YouTuberでも企業案件など、国内企業との取引がある場合は消費税の課税対象となります)

ただし課税事業者に登録していないフリーランス・個人事業主に仕事を発注することが企業にとって損になる場合、企業が課税事業者の方に仕事を回すなどの措置をとる可能性はあります。

インボイス制度が改変・延期されたり、なくなる可能性は?

現在はインボイス制度に反対しているフリーランスも多く、税理士業界も事務負担が増えるといった理由で反対している人が少なからずいます。

中止にまで至るかは不明ですが、現状の制度のままでは、フリーランス・個人事業者にとって打撃となりかねません。そのため、見直し・延期が行われる可能性はゼロではないかもしれません。

まとめ

インボイス制度は複雑なので、顧問税理士がいる場合は税理士に相談をしても良いでしょう。また、今回のインボイス制度は賛否両論あり、今後制度が変更される可能性もあります。それゆえに、引き続き制度の動きを注視していく必要があります。

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