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緊急事態宣言・まん防での売上減に「月次支援金」フリーランス・個人事業主は月額最大10万円を受給

FREENANCE MAG 緊急事態宣言・まん防での売上減に「月次支援金」フリーランス・個人事業主は月額最大10万円を受給

新型コロナウイルスのワクチン接種が広がってきてはいるものの、まだまだ自粛生活は続いています。いわゆる「第4波」の影響もあり、一部の地域では、2021年(令和3年)4月20日から「まん延防止等重点措置」、2021年4月25日から「緊急事態宣言」が発令されました。こうした感染拡大防止の影響を受けて売上が落ち込んでいるフリーランスや個人事業主といった中小事業者を支援しようと始まるのが、「月次支援金」です。

2021年6月16日(水)に申請受付がスタートした月次支援金なら、フリーランス・個人事業主は、ひと月あたり最大10万円の給付を受けることができます。今回は、本支援金の概要から、給付要件や手続きの仕方などをわかりやすく解説していきます。

月次支援金とは?

月次支援金の正式名称は、「緊急事態措置又はまん延防止等重点措置の影響緩和に係る月次支援金」です。2021年4月以降に実施された緊急事態宣言まん延防止等重点措置の影響を受けて設けられました。

緊急事態宣言」とは、都道府県単位で行われるもので、爆発的な感染拡大の懸念がある地域に発令されるものです。事業者への時短や休業要請、事業者が要請を怠ったことでの過料、住民への外出自粛要請、イベントの制限など、厳しい措置が行われる可能性があります。

まん延防止等重点措置」は、区画や市町村単位で行われる、特定地域の感染拡大を防止するための措置です。緊急事態宣言ほど厳しいものではありませんが、事業者への時短要請、飲食店での社会的距離や手洗い・換気の徹底、必要のない区域への出入りを自粛する要請などが行われる可能性があります。

※実際に講じられる措置は都道府県・地域ごとに異なります。

以上のような、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置には、事業者に対する要請も盛り込まれています。要請に従ったことで、売上が大きく落ち込んだという事業者も増えているのではないでしょうか。これらの、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による事業者への影響を緩和させようということで設けられたのが、月次支援金です。

売上が大幅に落ち込んだ中小事業者が、事業の継続、あるいは立て直しを図れるようにすることを目的に、申請者には給付での支援が行われます。

※参照:内閣官房「新型コロナウイルス感染症対策
※参照:経済産業省「月次支援金

月次支援金と一時支援金は対象期間が異なる

これまで、新型コロナ感染拡大にともなう緊急事態宣言などに関連して、支援策が実施されてきました。直近では、2021年1月に発令された緊急事態宣言の影響緩和を目的とした「一時支援金」(申請受付はすでに終了)がありました。

一時支援金は、売上が大きく落ち込んだ事業者を対象に、緊急事態宣言の影響を受ける2021年1月~3月の3カ月間の売上を支援する目的で設けられた支援金です。月次支援金は、2021年4月以降に実施された緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の影響緩和が目的ですので、一時支援金とは対象になる時期が異なります

※参照:経済産業省・中小企業庁「月次支援金・一時支援金
※参照:中小企業庁「中小法人・個人事業者のための一時支援金 緊急事態宣言の影響緩和

給付対象となる要件は2つ

月次支援金の給付対象は「中小法人(=中小企業)」と「個人事業者(=フリーランス・個人事業主)」です。以下2つの要件に該当すれば申請できます。

  1. 緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴う飲食店の休業・時短営業又は外出自粛等の影響を受けていること
  2. 緊急事態措置又はまん延防止等重点措置が実施された月のうち措置の影響を受けて月間売上が2019年または2020年の同じ月と比べて50%以上減少していること

なお、月次支援金は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が実施されているエリアに限定されるものではありません。要件を満たせば、業種や地域を問わず給付対象になります。

「緊急事態宣言などによる影響を受けていること」は、直接的な影響に限りません。緊急事態宣言などが発令されているエリアに所在する飲食店や個人顧客と直接的、または間接的な取引があって、影響を受けているような事業者も、売上の減少の要件を満たせば給付対象になります。

給付対象になる可能性が高い事業者は、飲食店をはじめ、食品加工や製造、食器や調理器具などの販売、清掃や廃棄物処理、流通、生産者などです。もちろん、ここで取り上げた業種に該当しなくても、直接的または間接的に影響を受けており、要件を満たすようであれば給付対象になります。

なお、月次支援金の対象になる事業者であっても、地方公共団体による休業や時短営業の要請を受けて、地方公共団体から協力金の支給を受けている場合は給付を受けられませんので、注意しましょう。

また、新規事業者であって、緊急事態宣言などの影響を受けて売上の落ち込みが激しい飲食店などもあるかと思います。事業の開始時期などを理由に支援金が受けられないことがないように、「2019年・2020年 新規開業特例」、「2021年 新規開業特例」、「証拠書類等に関する特例」なども設けられており、前年の売上がなくても給付が受けられることもあります。

※参照:経済産業省「緊急事態措置又はまん延防止等重点措置の影響緩和に係る月次支援金の詳細について 4. 特例(証拠書類等及び給付額の算定等に関する特例)

フリーランス・個人事業主の給付上限額は月10万円

月次支援金の給付額は以下の式で計算します。

  • 2019年または2020年の基準月の売上 ― 2021年の対象月の売上
    給付額(上限10万円/月)

対象月」は、月次支援金の対象措置が実施された月のうち、措置による影響を受け2019年または2020年の同月比で売上が50%以上減少した月のことです。

基準月」とは、2019年または2020年の「対象月と同じ月」を指します。

例えば、2021年の対象月が5月で売上が30万円、2020年の5月の売上が50万円だったとすると、以下のように計算できます。

  • 50万円(2020年の基準月の売上) ― 30万円(2021年の対象月の売上)
    = 20万円
    上限10万円/月のため、給付額は10万円となる

計算上では、売上の落ち込みが大きいほど給付額も大きくなりますが、上限額が設けられていることに注意しなければなりません。「個人事業者」枠であるフリーランス・個人事業主の給付上限額は月10万円です。上記の例だと差額は20万円上限があるため、実際に給付される額は10万円になります。

申請受付期間は2021年8月まで

申請受付期間は以下のスケジュールとなっています。

申請対象期間 申請受付期間
2021年4月・5月分 2021年6月16日(水)~2021年8月15日(日)
2021年6月分 2021年7月1日(木)~2021年8月31日(火)

なお、特例については2021年6月30日(水)から申請受付が開始されます。

月次支援金では給付にあたって、対象措置が実施された期間について、月ごとに前年比などと比較して売上の落ち込みが50%以上でないか確認されます。給付要件を満たせば、対象月については申請と受給が1回に限り可能です。

複数の月にわたって50%以上の売上減少がみられる場合、対象期間中については、申請することで継続して給付が受けられます。2021年4~6月分の売上が2020年の同月と比べて50%以上減少している場合は、2021年4~6月分の3カ月の売上が支給対象です。個人事業者の支給額の上限は10万円なので、この場合は最大30万円の月次支援金を受給できます。

複数回申請する場合は必要書類を簡略化できる

申請にあたっては、以下の必要書類を提出します。

  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、住民票+パスポートや各種健康保険証)
  • 収受日付印の付いた2019年・2020年の確定申告書類の控え
  • 2019年1月から2021年対象月までの各月の帳簿書類(売上台帳、請求書、領収書など)
  • 2019年1月以降の事業の取引を記録している通帳
  • 個人事業者等本人が自署した宣誓・同意書

以上のように、本人確認書類だけでなく、確定申告書や2019年から2021年の対象月までの取引を記帳した帳簿書類、通帳などの収入を証明する書類が必要です。しかし、申請の度に必要書類を用意するとなると手間がかかります。それによって申請が遅くなると、支援金を受け取れるまでに時間がかかり、必要なときに必要な支援が受けられなくなるかもしれません。

そこで、月次支援金を2回目以降も申請する場合、以前に一時支援金を申請した人については、提出書類や事前確認の簡略化が認められています。

2回目以降の申請では、本人確認書類、確定申告書、通帳、誓約・同意書(一時支援金を申請した人でも月次支援金を初めて受給する場合の1回目の申請では必要)の提出が不要です。2回目以降は、対象月までの売上台帳のみ提出すれば済み、スムーズに申請できます。

申請手続きの流れ

STEP.1
申請IDを発番
  • 月次支援金Webサイトの仮登録画面にメールアドレスや電話番号を入力し申請IDを発番する。
STEP.2
登録確認機関での事前確認
  • 必要書類を準備し、月次支援金Webサイトで登録確認機関(認定経営革新等支援機関、同機関に準ずる機関など)を検索しメールまたは電話で登録確認機関に事前予約。
  • TV会議、対面、電話により「事業を実施しているか」「給付対象等を正しく理解しているか」などの事前確認を受ける。
STEP.3
申請
  • 月次支援金Webサイトからマイページにアクセスし必要情報を入力、必要書類を添付して申請する。

登録確認機関」とは、法的認定を受けた税理士や中小企業診断士、行政書士のほか、商工会や農業協同組合、預金取扱金融機関などです。すでに登録機関の会員である場合は、事前確認を簡易に済ませることができますので、所属する組合などが登録機関になっているかをまず確認することをおすすめします。

なお、事前確認は、初めて受給することになった場合に必要な手続きです。2回目以降の受給のほか、一時支援金を受給していた場合は、改めて事前確認を実施する必要はありません。申請の手続きを済ませれば、継続して受給申請ができます。

受給の根拠となる書類は7年間保存

月次支援金の申請にあたって、提出は必要ないものの、保存が必要な書類があります。その対象は、月次支援金の受給対象者であることを示すことができる根拠となる書類で、保存期間は7年間となっています。

例えば、直接取引や間接取引により影響を受けた場合は、相手先との反復継続での取引を証明する帳簿書類や通帳などが該当します。間接取引であれば、間接的に商品やサービスが飲食店などに届いていることがわかる書類なども保存が必要です。

ほかにも、当時の状況がわかるような、書類や統計データなどは保存しておかなければなりません。月次支援金受給の根拠となり得る書類は手元に保管して、失くさないようにしましょう。

まとめ

2021年4月以降に実施された緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を受けて、給付対象者に該当すれば、影響を受けた月について、月次支援金の申請ができるようになりました。

緊急事態宣言などのあったエリアでなくても、直接的または間接的に影響を受けた場合で、売上が2019年または2020年の同月と比べ50%以上減少した場合は受給対象になります。対象に該当する場合は、早期に受給できるように準備を進めましょう。

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