二児を育てるシングルマザー、家のローンは30年。それでも私がフリーランスな理由(後編)

フリーランスになることのメリットは、時間の自由がきくこと、そして働いた分だけ稼げることだろう。

ただし当たり前のことだが、働いた分だけ稼げるからこそ、仕事をしなければお給料は入らない。そこで大事になってくるのが、時間の調整だ。特に私のように一人で二人の幼い子どもを育てるシングルマザーは、いかにうまく仕事の時間を確保するかが重要になってくる。

仕事場とするカフェとは10年来の付き合い

我が家は朝の8時には娘も息子も小学校へ行くので、そのタイミングで私も家を出て、近所のカフェにピットイン。自宅でも仕事はできるのだが、効率的に進めるためには、他の人の目がある場所の方が私には向いている。

私が原稿を書いているこのカフェとは10年来の付き合いである。カフェの店長は、私が知る限り3代目。そして店員はほぼ大学生のバイトでなりたっているため、新入生が入ると、私に紹介してくれるまでになった。就職するのでいなくなってしまうバイトの子の寄せ書きに、「お仕事頑張ってね!」と書いたこともある。私はこのカフェでどんな立ち位置なのか、自分でもよくわからない。

しかし同僚がいない私にとって、来店するたびに、挨拶だけでなく、世間話ができる相手がいるというのはすごく嬉しい。このカフェはノマドの人がすごく多く、私のようにひどいときは8時間もいるという人もちらほら。それでも嫌な顔をせず、お昼過ぎに「そろそろアイスでも食べませんか?」と声をかけてくれる、営業上手なところも大好きだ。

話はそれたが、私はここを起点として取材に向かったり、戻っては原稿を書いたりしている。

そして子供たちが家に帰ってくる18時ごろに帰宅し、夕飯を作り、寝かしつけるのがだいたい21時。そして22時からまた原稿を書いている。でも、絶対に24時には寝るようにしている。現在38歳、アラフォーにテッペンを越させたら、翌日使い物ものにならないのは自分でもわかっている。健康は第一だ。

サボるところはサボる。そしてやるときはやる

出産し、自分でスケジュールを組むようになってから、私は余計なことを一切しなくなった。

出産する前なら、グダグダと誰かと話したり、とりあえず寝たり、合間を縫ってショッピングをしたりと、本当に自由に過ごしていた。でも、保育園や学校に行っている間にすべてを終わらせなくてはいけないママになった私にとって、もう余分な時間は一切なくなった。

スマホで分刻みでスケジューリングをし、必ずその中で仕事を終わらせる。仮にはみ出してしまったときは、その日、子供たちが寝たあとの夜のうちに必ず終わらせる。そうしないと、翌日に影響が出てしまう。10年以上やっていれば、自分がその仕事にどのくらいの時間を要するのかはわかってくるので、無理なく組むことを大事にするようになった。

家事も同じ。サボるところはサボる。テーマは時短! 時短!! 時短!!! 食洗器にタイマーはフル活用。ルンバと床拭き機には頭が上がらない。これだけ要領よくしなければ、すべてが終わらないのだ。そしてやるときは集中して絶対に終わらせる。

ママだって、たまには思いっきり自分を甘やかす

こうした日々の中で鬼のような集中力がついたため、カフェで私をみかけたママ友はから、「怖くて話しかけられなかった」と言われたこともある。

それはほんと、申し訳ない。

でもその分、仕事がゆるやかなときは、お昼に友達の会社の近くまでいって一緒にランチをしたり、趣味の舞台を見に行ったり、専業主婦の友だちの家に遊びに行ったりと、ものすごく自由に時間を使うことができるのも利点だ。

そして休日には二人の子どもたちと、思い切り遊ぶ。

これは私にとって最高のリフレッシュになるし、平日は忙しい分、休日はしっかり子どもたちとコミュニケーションをとりたいという私の子育て方針でもある。

毎日頑張っているママだって、たまには思いっきり自分を甘やかすことも必要なのだ。

不安があるからこそ、フリーランスはやっていける

もちろん、たまには不安にもなる。

でも不安があるから、ちゃんと仕事をする、営業をする、そして勉強をする。すべての不安を糧に変えて、毎日を充実させることができる。

よく、フリーランスって大変でしょ? と言われることがある。そして、信用されないこともたくさんある。家を買うときは、フリーライターではなく、フリーター扱いをされた。でも、自分の力で立っている、そんな実感を与えてくれるこのフリーランスのお仕事は、自信にもつながるし、自分次第で良くも悪くもなるからこそ、やりがいしかないのだ。

仕事をすればするほど、ちゃんとお金になって返ってくる

そして、フリーランスの一番のいいところは、仕事をすればするほど、ちゃんとお金になって返ってくるということ。

頑張る人にはちゃんと結果がもらえるのだ。

いまは原稿料も、若いころには考えられなかったほどの金額を提示されることもある。とはいえ、業界が狭いからこそ、どんな仕事もそれもすべてちゃんと繋がっていて、過去に頑張った私が、今の私を支えてくれていると、私は思っている。だからこそ、私は今も頑張って、10年後の私につなげたいと思っている。

そのがんばったご褒美として、今は子供2人が欲しいものをすぐに買ってあげたり、行きたい場所にすぐに連れてってあげる生活ができるようになった。これは離婚した8年前には考えられなかったことだ。

毎日、目の前の仕事と向き合い、締め切りを必ず守っていれば、仕事が途切れることはない。そして、そういったスタンスで向き合った仕事は私を裏切らない。

そんなことをことあるごとに教えてくれる、このフリーランスという働き方が、私は大好きだ。

二児を育てるシングルマザー、家のローンは30年。それでも私がフリーランスな理由(前編)

profile

吉田可奈:1980年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。これまでYUIや西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽誌や俳優誌、ファッション誌などのカルチャー誌を中心に執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。著書に『シングルマザー、家を買う』(扶桑社)がある。

著書紹介

『シングルマザー、家を買う』(扶桑社)
年収200万円、2人の子供を抱える29歳シングルマザーのマイホーム購入記。資金のやりくりやご近所トラブル、息子の発達障がいなど、多くの難問を明るく乗り越えていく。