どうも。
株式会社たその会社、先日無事に決算業務完了しました!会社設立から1年、我が社の前年度の決算結果は……
なんと、黒字でした…!やったあ!おめでとう!
これで、私が私に給料を支払うことが出来るそうです!よくわからんけど凄い!お給料を頂けるなんて…!よくわからんけどありがてえじゃねえの。
これからも頑張って働いていきやす!お願いいたしやす!
Contents
小さな旅
竜宮づくりの門を抜け、歩いた先に広がる青の世界。
頬を突き刺す冷たい風。
寄せては返す波。
私は、江ノ島にいた。
(前話にて)精神的にも物理的にも、今までに感じたことのないキャパオーバーを迎え、ひとりになりたくて。
とても短い間に人生の分岐点が100箇所くらい現れたような感覚だった。そしてすべての選択を間違えたような。後ろ髪をひかれ続けながら全力疾走することに限界がきてしまったのだ。
なにも考えず、ただ一人静かに寄せては返す波を見つめる。
しかし数分後、私は立ち上がり、江の島の奥へと歩き出した。
そう……真の目的地は他にあるのだ。
痛手を負った精神と物理(肉体)……どちらかというと問題は「物理」の方だった。
飲み込めない事情を飲み込むために、忘れたくても忘れられぬしんどい思い出にモヤを掛けるために、毎晩アルコールを摂取した2019年。
気づけば一晩で飲み干すアルコール量もうなぎのぼりになっていき、最終的には優勝力士がセレモニーで持ってるあのすっげぇデカいやつくらいは、かるく飲み干していた。
そんな日々がたたり、私のフィジカルは荒れ地の魔女と化した。
それでも新年のご挨拶をと、荒れ地の魔女はInstagramを更新した。
しかし、その投稿に寄せられたあるコメントに度肝を抜かれたのだ。
コメント「天真さん、お太りになられましたか?」
……泣きっ面にオオスズメバチだった。
「お」を付けて低姿勢にお聞きになってはいるが、真っ正面から太ったという事実をぶつけてきている。
そんなんなら「お」なんていらない!「お」なんていらないよ!!!!!!
……グスン。
メンタルを持ち直そうとしてアルコールにまみれ、それがまたメンタルをえぐる。
なんじゃこの負のスパイラルは!どうしよう、このままじゃ……
「このままじゃ……色んな意味で死……」
命の危機すら感じた私は、ひとり、江の島にたどり着いた。
寄せては返す波を見て心を落ち着かせるため……だけじゃない。血中に散布されたアルコールをすべて抜ききるためにも、私は……
江ノ島の断食道場へ来たのだ。
天真「今日から一週間……よろしくお願いします」
パワースポットってこういうところか
基本的に口にしていいのは水、野菜ジュース、黒糖、梅干しの4つ。
野菜ジュースは一日一本、ヤクルトのミルミルみたいなちっさい方の紙パックのサイズ。黒糖は眩暈がしたときなどに少量かじってよしとされている。食べ過ぎない様に小さな瓶に小分けにして渡される。梅干しも基本一日一個。
これが、道場の掟。それ以外の掟は、無い。
瞑想するもよし、ヨガするもよし、書き物などの事務作業をするもよし……そんな、スケジュールフリーの道場に私は、ノープランで来た。
逃げるように江ノ島を目指して来たので、現地についてから、滞在する準備をまったくしてきてないことに気がついた。
なのに、滞在期間は一週間。
天真「え、なにしよ?」
何かをしようとしても、何かをするための何かがない。それでも何かしなければ何もすることがない。小一時間程考えても何をするかまったく決まらなかった。
天真「仕方ない……歩くか……己の足が止まるまで」
私は海岸沿いを歩き始めた。目の前には、ひたすらに続く水平線が広がっていく。
天真「視力回復しそう……」
ザザン……ザ……ザザン……ザパーン……
平日の冬の海岸は波と戯れる親子連れもあまりいないので、寄せては返す波の音がダイレクトに聞こえてくる。
天真「……耳も良くなってきた気がする……」
限りなく続く水平線、永遠にリフレインする波BGM……この状況が……ひたすらに続く。
天然のヒーリング環境の中、一歩一歩足を進める。
その最中、頭の中で静かに、己と向き合っていった……。