ファクタリングは、手元に急いで資金が必要なときに便利なサービスです。業務上の複数の支払いが重なったときや、プライベートで突然大きな出費があったときなどに利用されることが多いでしょう。
一方、契約するファクタリング会社によっては、手数料が高額であったり、違法な手口を使ったりする場合もあるため、注意も必要です。この記事では、ファクタリングの利用で起こりうるトラブルやその解決方法について解説します。また、賢くファクタリングを利用するポイントについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
ファクタリングとは
ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却することで、本来の振込日よりも早く資金を調達できるサービスです。手元の資金が不足しているときや、急いで現金が必要になったときに役立つでしょう。
ファクタリングには、「2者間ファクタリング(2社間ファクタリング)」と「3者間ファクタリング(3社間ファクタリング)」があります。2者間ファクタリングとは、利用者(個人事業主やフリーランスなど)とファクタリング会社のみで交わすファクタリング契約です。取引先(売掛先)に知られることなく、売掛債権の売却が可能であることがポイントです。
一方、3者間ファクタリングは、利用者、ファクタリング会社、取引先(売掛先)の3者で交わすファクタリング契約です。2者間ファクタリングとは、手数料やお金の流れが異なります。
ファクタリングは違法ではない!
売掛債権の期日を待たず資金を調達すると聞くと、ファクタリング契約に法的な不安を抱く方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ファクタリングは、「債権譲渡取引」であり、あくまでも売掛金という権利の売買を行うものです。
債権とは、「なにかを請求する権利」であり、ファクタリングは、民法第555条「売買契約」、民法第466条「債権の譲渡性」、民法第467条「指定債権の譲渡の対抗要件」といった法的根拠をもとに実施されています。
そのため、個人事業主やフリーランスが、資金と引き換えに、売掛債権(=売った代金を請求する権利)をファクタリング会社に譲渡するのは、違法行為ではありません。こうした背景を知ると、ファクタリングを安心して利用できるのではないでしょうか。
ファクタリングを利用する際の注意点
ファクタリングは法的根拠のある資金調達の方法ですが、トラブルを避けるために、いくつか注意しておくべき点があります。特に、手数料、契約方法、そして違法業者の存在には気を付けるべきでしょう。以下で詳しく説明します。
手数料
ファクタリングの契約で得られる資金は、売掛債権の金額から手数料を引いた額です。しかし、手数料の額によっては、ファクタリングによる資金調達の有効性が左右されることもあります。
ファクタリング契約においては、手数料の相場を知り、そのほかの費用の妥当性も細かく検討する必要があります。
妥当な手数料かどうか確認する
まずは、手数料が妥当な額かどうかを確認しましょう。基本的に、2者間ファクタリングは、3者間ファクタリングよりも手数料が高額に設定されています。これは、2者間ファクタリングの場合、取引先(売掛先)の経営悪化や倒産で売掛金が回収できない、利用者側の使い込みで返済できなくなるなどのリスクがあるためです。
特に、取引先(売掛先)が倒産し、売掛金が未回収になった場合は問題です。ファクタリング会社の利用者に「回収するはずだった売掛金を代わりに払ってくれ」と求めること(償還請求権)はできません。2者間ファクタリング契約を結ぶ場合、ファクタリング会社はこうした未回収リスクを負うため、手数料が高く設定されています。
とはいえ、提示された額が、本当に妥当かどうかは確認する必要があります。複数のファクタリング会社に見積もりを取り、手数料をくらべてみましょう。
不明・不要な費用の計上がないか確認する
ファクタリング会社によっては、手数料以外にも、印紙代や債権譲渡の登記費用が請求されることがあります。これらの費用が、本当に必要かも確認しておきましょう。手数料以外の費用の請求に関しては、ファクタリング会社によって取り扱いが異なります。複数の会社に見積もりを取り、手数料以外の費用の妥当性もチェックしておくと安心です。
かえって資金繰りを悪化させることがないかどうか確認する
手数料に関してもうひとつ確認しておきたいのは、中長期的な資金繰りについてです。ファクタリング契約は、素早く資金を調達できるため、賢く利用すれば、事業の継続や発展、難しい状況を乗り切るための心強いサービスといえます。ただし、高額な売掛債権を売却すれば、そのぶん手数料も高額になる点には注意してください。
高額債権を売却すれば、一時的には手元に大きな資金が手に入るという魅力があります。しかし、中長期的に見ると、手数料の支出がふくらみ、資金繰りを悪化させることも懸念されるでしょう。資金繰りを悪化させないためには、ファクタリングを利用する目的をはっきりと定め、その目的を達成するための具体的な計画を立てておく必要があります。
特に、資金繰りが苦しいときにファクタリングを利用する場合は、今後の計画を綿密に練る必要があります。資金繰りが改善した後に、どのように利益を出して支払った手数料ぶんの支出を補っていくか、計画に含めておくことが大切です。
契約方法
ファクタリングを賢く利用するためには、契約方法も重要です。ファクタリングには、前述したように、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングがあります。資金調達までのスピード、手数料、売掛先への通達の有無などに違いがあるので、それぞれのメリット・デメリットを把握しておきましょう。
2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの違い
2者間ファクタリングの特徴は、利用者とファクタリング会社のみで契約を結び、取引先(売掛先)の承認を必要としないことです。2者間契約のため、素早く資金調達できるのがメリットです。ただし、ファクタリング会社のリスクが高くなるため、審査基準が厳しくなり、手数料が高額になるデメリットもあります。
一方、3者間ファクタリングは、取引先(売掛先)も契約に含まれる形式です。ファクタリング会社は売掛金の未回収リスクが低くなるため、審査基準がやさしくなり、手数料も低いのがメリットです。反面、取引先(売掛先)への通知および承認のプロセスが追加されるぶん時間がかかり、素早く資金調達したいときには不向きといえます。
》2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの違いについて詳しく見る《
ファクタリングを知られたくない場合
ファクタリングの利用にあたって、「資金繰りが悪化していると思われて、信用を落としてしまうのでは?」という不安もあるでしょう。そのような場合は、ファクタリング契約に取引先(売掛先)を含まない2者間ファクタリングが向いているかもしれません。
ただし、2者間ファクタリングであっても、売掛金を売却する際に債権譲渡登記が必要な場合は注意が必要です。登記は公開されるため、取引先(売掛先)が登記を確認し、ファクタリングの利用が知られてしまう可能性もあります。
どうしてもファクタリングの利用を知られたくない場合は、債権譲渡登記の保留に対応しているファクタリング会社を利用するのがおすすめです。
違法業者
ファクタリング会社のなかには、ファクタリングと称して、実際には無許可で融資を行う違法業者も存在しています。ファクタリングでは考えられない条件の契約や、利用者に不利な条件を押し付けられるなどのトラブルに遭いかねませんので、十分注意してください。
融資に該当する契約内容ではないか確認する
違法業者かどうかを見分けるポイントのひとつは、基本的なことですが、契約内容や利用規約の確認です。ファクタリングに見せかけて、融資の契約を結ばせようとしていないか、注意しましょう。
素早く資金を調達できるという点では、ファクタリングと融資は似ている部分もあります。しかし、ファクタリングはあくまで債権譲渡の取引です。ファクタリングは、融資と異なり、担保や保証人が不要で、利息も発生しません。償還請求権もないため、契約後に取引先(売掛先)が倒産しても、未回収になった債権の代金を支払う義務もないのが原則です。
違法業者は、ファクタリングであるといいながら、担保や保証人を求めたり、契約内容に償還請求権を含めたりします。契約・利用規約の内容にこうした内容が含まれていないか、よく確認すれば、違法業者を避けられるでしょう。
契約書の記載内容が正しく、控えを受け取ることができるか確認する
契約書の内容は硬い文章が並ぶため、内容に目を通すのがおっくうになるかもしれませんが、契約内容の確認は非常に重要です。何度目かの取引で慣れているとしても、ひとつの契約ごとにしっかり確認をしておきましょう。
また、ファクタリングの契約を結ぶときは、契約書の控えを受け取り、トラブルに備えて保管しておくことが重要です。もし、契約書の控えを渡すことを渋ったり、拒んだりする業者であれば、違法業者を疑いましょう。契約内容を曖昧にして、不利な条件を押し付けたり、法外な請求をしたりする魂胆があるのかもしれません。
会社概要を確認する
契約を結ぼう、利用しようとしている会社のWebサイトなどを見て、会社概要も詳しく確認してください。所在地が記載されていない、存在しない住所である、連絡先が携帯電話の番号であるなどの場合は注意が必要です。固定電話が記載されていても、業者側からは携帯電話の番号で連絡がきたり、そもそも会社概要が記載されていなかったりするケースもあるようです。
長年ファクタリングサービスを運営している会社は、Webサイトに掲載されている情報も比較的に充実しています。一方、違法業者は長く営業をするつもりがないため、情報が薄いのが特徴のひとつです。会社概要に掲載されている住所、電話番号の信頼性に加え、Webサイトが充実しているかもチェックしておきましょう。
よくあるトラブルの事例
ファクタリングを利用して、万が一トラブルに巻き込まれた場合、どう対処すればよいのかもチェックしておきましょう。ファクタリングにおけるトラブルが発生した場合は、弁護士への相談が適切なケースと、弁護士でも対応が困難なケースがあります。弁護士の介入は、主に違法業者との契約で有効です。発生するトラブルごとに、有効な対策をご紹介します。
事例1)手数料に関するトラブル
超高額な金利設定といえば闇金融が代表的ですが、違法なファクタリング会社と契約した場合も、高額な手数料がトラブルになります。一般的なファクタリング契約の手数料は、安くて売掛金の10%以下、高めに設定されている場合でも20%~30%です。
ファクタリングの違法業者は、売掛金の30%を大きく超える手数料を請求することがあります。最初は安い手数料で利用者を獲得し、後々高い手数料に引き上げていくのが、違法なファクタリング会社の手口です。
こうした高額な手数料に関するトラブルでは、弁護士への相談が解決の糸口になる可能性があります。ファクタリング会社が明らかに違法な営業をしている場合は、払った手数料を取り戻せることもあるでしょう。
逆に、はっきりと違法な営業と言いきれない場合や、ファクタリングの金額が小さい場合のほうが問題かもしれません。ファクタリング会社との交渉が進まない、弁護士費用のほうが高くなるなど、解決までのデメリットが大きくなってしまう可能性もあります。
事例2)債権譲渡通知の危険がある場合
違法なファクタリング会社との契約で比較的多く見られるのが、2者間ファクタリング契約における債権譲渡通知書をめぐるトラブルです。本来、2者間ファクタリング契約では、取引先(売掛先)は契約のプロセスに入っていません。
そのため、取引先(売掛先)に知られることなくファクタリングを利用できるのがメリットです。逆にいえば、取引先(売掛先)に知られたくない利用者が、2者間ファクタリングを利用するともいえます。
違法なファクタリング会社は、この利用者の弱みに付け込んで高額な費用を請求し、「支払わなければ、取引先(売掛先)に債権譲渡通知書を送付する」と脅すケースがあるようです。特に、取引先(売掛先)との契約で、売掛債権の譲渡禁止特約などがある場合は、契約解除や取引停止といった事態に発展しかねません。
ファクタリング会社が、脅迫罪に該当するような行為をしている場合は、弁護士に相談することで債権譲渡通知書の差し止めが可能です。しかし、違法ではないファクタリング会社とのトラブルであれば、弁護士が介入できる範囲は限られるでしょう。
このような場合は、弁護士を窓口とし、ファクタリング会社との示談に持ち込み、債権譲渡通知書の送付を回避する方法がおすすめです。
事例3)違法な取り立てを受けた場合
違法な取り立て行為があれば、弁護士の介入が最も効果的です。違法な取り立てに該当するのは、以下のような行為です。
- 債務者を脅かしたり困惑させたりする
- 不当な時間帯(午後9時~午前8時)に取り立てを行う
- 勤務先などに電話や訪問を行う
- 債務者や保証人以外の第三者に弁済を要求する
こうした方法で取り立てが行われた場合は、弁護士に相談して取り立てをやめさせ、弁護士から警察への通報も可能です。
事例4)実質的に貸金業である場合
ファクタリング会社を装ってはいるものの、実質的に融資を行っている場合は、貸金三法(出資法、利息制限法、貸金業法)に違反している可能性が高いため、弁護士への相談は、トラブル解決に向けた有効な手段となります。
融資には、利息や担保・保証人の設定、返済期限の先延ばし、分割払いなどがありますが、債権譲渡取引であるファクタリングには、これらがありません。従って、ファクタリング契約のはずが、支払う金額が増える、返済の分割払いが可能などという場合は、違法なファクタリング会社だと見て間違いないでしょう。
事例5)利用会社に非がある場合
ファクタリング会社を利用した会社(個人事業主・フリーランスを含む)に非がある場合のトラブルも、弁護士の介入により解決がしやすいでしょう。利用者側の問題としては、以下のようなものがあげられます。
- ヒアリングや必要書類の内容に虚偽の記載があった
- 同じ売掛金を複数のファクタリング会社に売却した
- 2者間ファクタリング契約で、回収した売掛金が利用会社(利用者)の使い込みにより返済できない
- 取引先(売掛先)の信用悪化情報をつかんでいたが、ファクタリング会社に報告しなかった
特に、回収した売掛金の使い込みは、詐欺罪や横領罪に該当する可能性があり、金額によっては刑事事件に発展する恐れがあります。なるべく早く弁護士に相談し、ファクタリング会社との示談に持ち込むことで、刑事事件や訴訟などへの発展を避けられるかもしれません。
弁護士に相談するときの注意点
ファクタリングに関するトラブルでは、弁護士に相談しても円滑な解決ができないケースもあるため注意が必要です。
いうまでもありませんが、弁護士は法律に基づいて対応するのが仕事です。しかし、ファクタリングによる資金調達に関する法整備は、まだまだ不十分な点があるのが現状です。不当と思われる契約であっても、明確な違法性がなければ、解決が難しいケースもあるようです。また、対応が難しいということを理由に、弁護士費用の上乗せを求められる場合もあります。
加えて、ファクタリングのトラブルはまだ一般的ではないため、専門の弁護士が少なく、費用の相場がわかりにくいという問題もあります。「ファクタリングのトラブルに強い」とうたっていても、「今回のケースは対応が難しい」といわれ、高額な弁護士費用が必要な可能性もあるでしょう。
ファクタリングのトラブルが発生し、弁護士に相談するかどうか迷った場合は、公的機関の相談窓口に問い合わせてみるのがおすすめです。例えば、金融庁・警視庁・日本貸金業協会などは、悪質業者によるファクタリングのトラブル解決に向けた相談窓口を設けています。
公的機関での相談であれば、費用はかかりません。トラブルについて説明すれば、違法性の有無や、解決方法、弁護士介入の必要性といったアドバイスをもらえるでしょう。
ファクタリング業者を選ぶときの注意点
まずは、自分のニーズを把握しましょう。資金調達ひとつとっても、優先すべきはスピードか、手数料を抑え調達金額を多く確保することか、信用成果、など考えるべきポイントがあります。そういった点を洗い出すことで、おのずと利用するファクタリング会社が絞られてきます。
例えば、2者間ファクタリングであれば、素早く資金を調達するのに適していますが、手数料は高めです。一方、手数料を抑えて、資金を多く確保したいのなら、時間はかかるものの、3者間ファクタリングが適しています。
また、信用問題をケアしたいなら、取引先(売掛金)にファクタリングの利用を知られない2者間ファクタリングで、債権譲渡登記の保留に対応しているファクタリング会社がおすすめです。
そのほか、中長期における資金繰りの改善を相談したいなら、コンサル事業も手掛けているファクタリング会社を選ぶことで、総合的なサポートが得られるかもしれません。加えて、手続きの事務作業になかなか時間を割けないときは、オンラインで完結するファクタリングサービスを行っている会社も候補に入れておきましょう。
利用できない場合もある?
ファクタリングサービスを利用したいと思っても、必ずファクタリング契約が結べるとは限りません。ファクタリングは担保も保証人も不要のため、融資よりも審査基準がやさしく、利用しやすいサービスです。
それでも、書類の不備があった場合や、売掛先の信用が著しく低いと判断された場合は、ファクタリングが利用できない可能性もあります。
ファクタリングの利用ができない事態を避けるためにも、提出する審査書類に不備がないか、記載内容が正確かにも注意しましょう。審査書類の内容は、信用も左右するため、急いで資金が必要なときこそ大切なポイントです。
必ず即日で資金調達できるわけではない
ファクタリングは、売掛債権を譲渡することで、素早く資金を調達できるのが魅力です。しかし、必ず即日入金されるわけではありません。ファクタリングの利用における即日入金は、すべての手続きがスムーズに処理されたときに可能になります。即日入金を実現するには、以下のポイントが大切です。
- 2者間ファクタリングを利用する
- 審査通過率の高いファクタリング会社を選ぶ
- 債権譲渡登記の留保可能な会社は即日入金の可能性が高い
- 有利な売掛債権を選ぶ
- 必要書類を事前に準備しておく
- 午前中のうちに申し込みを終える
即日入金には、2者間ファクタリングがマストです。また、2者間ファクタリングであっても、審査通過率は会社によって違うため、事前にチェックしておきましょう。債権譲渡登記の留保が可能な会社であれば、登記の手続きをスキップでき、即日入金の可能性が高いといえます。
また、大手企業や取引歴の長い売掛先の売掛債権、決済日までの残り日数が短い売掛債権などは、信用力も高まるため、即日入金の可能性も高くなるでしょう。必要な書類も事前にすべて揃えておき、午前中のうちに申し込めば、その日の午後には資金が調達できるかもしれません。
「フリーナンス即日払い」はオンライン完結
ファクタリングの利用をお考えなら、「FREENANCE byGMO」が提供する、「フリーナンス即日払い」がおすすめです。手続きはオンライン完結で買取審査は最短30分。手数料は請求書額面の3%~10%と手軽なうえ、ファクタリングを利用したことが取引先に知られることもありません。
急いで資金が必要だが、高い手数料で資金繰りを悪化させたくない、書類手続きにあまり時間をかけられない、といった個人事業主・フリーランスの方は、ぜひ「フリーナンス即日払い」の利用をご検討ください。
ピンチにも、チャンスにも。ファクタリングサービス
「FREENANCE即日払い」
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