フリーランス約1400名に調査!6割が新型コロナウイルスによる「収入減」の悩みに直面。現在の仕事への影響を徹底分析

新型コロナウイルスの感染拡大により、フリーランス・個人事業主の収入や仕事にもさまざまな影響が出ています。「感染者数減少」や「一部地域の緊急事態宣言解除」といったニュースは流れてくるものの、依然として今後の仕事への不安を抱えている人も多いでしょう。

今回FREENANCEでは、FREENANCE会員であるフリーランス・個人事業主を対象としたアンケートを実施。1379名の回答結果とともに、フリーランスの生の声を紹介し、フリーランス・個人事業主が今どのような状況にあるのか詳しく解説していきます。

収入減を実感する人の最多が「70%以上減少」と回答

まずは新型コロナウイルスにより仕事と収入にどのような影響が出ているのか、アンケート結果を見ていきましょう。新型コロナウイルスによる収入の変動について質問したところ、下記のような結果が出ました。

新型コロナウイルスの感染拡大で、収入に変動はありましたか?(複数回答可)

A:変わらない…14.9%
B:10%以上減った … 8.7%
C:30%以上減った … 14.7%
D:50%以上減った … 17.1%
E:70%以上減った … 19.5%
F:増えた…2.5%
G:まだわからない…20.6%
H:その他…1.9%

収入が50〜70%以上減ったと回答した人が、10〜30%以上減ったと回答した人を上回る結果に。「まだわからない」「変わらない」などを除き、収入減を実感しているという回答だけに絞ると、「70%以上」と大幅に収入が減少している人が全体数で最多の「19.5%」となっています。

フリーランス・個人事業主が想像以上に窮地に立たされていることがアンケート結果からわかります。この状況がいつまで続くか不透明な現状では、こうした収入減は大きな精神的ストレスにもなることでしょう。

50%以上のフリーランス・個人事業主が新規案件を失う結果に

次に新型コロナウイルスによって仕事へどのような影響が出ているのか質問すると、下記のような結果が出ました。

新型コロナウイルスの感染拡大で、仕事にどのような影響が出ましたか?(複数回答可)

A:開始時期や契約期間など、仕事内容が変更になった …41.9%
B:新規案件がなくなった … 51.3%
C:継続案件がなくなった …33.9%
D:特に影響はない …17.0%
E:その他 …9.5%

新型コロナウイルスの感染拡大によって、フリーランス・個人事業主の仕事にさまざまな影響が出ていることがわかります。特に多かった回答が「新規案件がなくなった」で、 51.3%にも上ります。新型コロナウイルスによって経済全体の先行きが不透明な状態において、新規案件の獲得も困難になることが予想されます。

具体的には
「予定していたイベント案件がなくなった」
「(対面で仕事ができなくなって)在宅案件の受注のみとなった」
「営業に行けなくなって、新規案件が取れない」
「(クライアント側の予算削減等によって)業務内容が変更(縮小)になった」
などの声が上がりました。

“対面”という形が取れなくなったことで仕事の形態が変わり、撮影や取材案件が減少しているようです。多くのフリーランス・個人事業主が在宅勤務・リモートワークに移行していますが、カメラマンのように現地に行って撮影しなければ仕事にならない職種などは、仕事そのものがなくなるといった大きな影響を受けています。

また、取引先が新型コロナウイルスによって打撃を受け、予算の削減などに踏み切ることで、今までよりも安価な契約金額で仕事を請け負うことになったフリーランス・個人事業主も増加しているようです。

多くのフリーランスが支援金などの給付を検討

ここからは国や公共機関の支援策に対して、フリーランス・個人事業主がどのようにとらえているかを紹介します。

国や公共機関が実施する支援策で、すでに支援を受けたもの、申請したもの、申請したいと思っているものについて質問すると下記のような結果が出ました。

国や公共機関の実施する支援で、すでに支援を受けたもの、申請したもの、申請したいと思っているものはありますか?(複数回答可)

A:支援金などの給付…60.3%
B:事業継続のための融資…29.4%
C:税金などの支払額の減免・免除…30.9%
D:税金などの支払い時期の猶予…22.2%
E:特にない…27.3%
F:その他…2.2%
G:当てはまるものはない…2.9%

上記の結果から、多くのフリーランス・個人事業主が何らかの形で国や公共機関が実施する支援策を活用、もしくは活用の検討をしていることがわかります。

今回はこれら支援策の活用を検討しているカメラマンに、電話インタビューを行いました。

収入が90%以上減少。事態が収束したとしても「仕事量が元に戻るのか心配」

インタビューに応じてくれたカメラマンTさんは、独立して9年目。
今年4月に緊急事態宣言が発令されて以降の撮影が激減し、4月の撮影本数は1本、それ以降の撮影スケジュールは白紙の状態だそうです。継続案件も白紙となり、撮影がリスケされたものに対しての具体的なスケジュールの連絡は途絶えたまま5月を迎えました。

Tさん「4月の収入が90%以上減ったことを受け、国や公共機関が実施する支援策の中から、持続化給付金の受給を検討しています。しかし申請方法が複雑であることや、自分が給付対象者なのかどうかがいまいちわからないことなどを理由に、まだ申請できていません」

貯金もあることから今すぐに生活が困窮することはないものの、これから先の見通しが立たないことが最も大きなストレスになっているというTさん。

Tさん「数ヶ月であればどうにかしのげそうですが、年末までこの状態が続くと持続化給付金だけでは持ちこたえられないのではないかと思っています。国や公共機関が実施する支援策がいくらあっても、やはりカメラマンの仕事が元の水準に戻らない限り、本当の安心感は得られないだろうと思っています。仮に新型コロナウイルスが収束しても、在宅勤務期間中に『プロに撮影を頼まなくてもなんとかなる』と考えるクライアントも多いと思うので……そこに焦りも感じていますね」

直近の収入だけでなく、新型コロナウイルス収束後に自分の職種へのニーズがどのように変化していくのかも大きなポイントになるのでは、と話します。

手続きの煩雑性や対象外など国や公共機関の支援策には盲点が?

多くのフリーランスや個人事業主が収入減に悩む一方で、国や公共機関が実施する支援策について、「利用したいとは思わない」という回答が3割弱を占めます。その理由としてはどのようなものがあるのでしょうか?回答から具体的に見ていきましょう。

「国や金融機関による融資は、自分にとってはほとんど条件緩和されたように思えない」
「持続化給付金を申し込もうと考えたが、今年の新規事業者には適用されなかった」
「支援を受けたいが、どのような支援があるのか、どのように申請すればいいのかわからなくて困っている」

支援策の対象とならないという声のほか、支援策を受けたいとは思っているが、「手続きが煩雑」「申請方法がわからない」など、次のステップに進めないという声も多く聞かれました。

個人事業主は100万円の給付が受けられる可能性がある「持続化給付金」とは?

現在のさまざまな支援策の中でも、フリーランス・個人事業主の多くが申請を検討しているのが「持続化給付金」でしょう。持続化給付金は、「感染拡大により、特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を下支えし再起の糧とする」ための事業全般に広く使える給付金です。簡単に詳細をまとめます。

給付額

中小企業等は200万円、個人事業主等は100万円。
※ただし、昨年1年間の売上からの減少分を上限とする

給付対象の主な要件

・新型コロナウイルスの影響により、ひと月の売上が前年同月比で50%以上減少している事業主
・2019年以前から事業による事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思がある事業者(例:2020年から新規事業を立ち上げた事業者などは対象外)

申請方法

・持続化給付金HPにアクセス(スマホからでも可能)
・申請ボタンを押してメールアドレスなどを入力
・入力したメールアドレスに届いたメールを確認し、本登録へ
・ID・パスワードを入力しマイページへ
・基本情報、売上金額、口座情報(通帳の写しをアップロード)を入力
・必要書類を添付(2019年の確定申告の控え、売上減少となった月の売上台帳の写し、身分証明書の写し)
・申請へ
※通常2週間程度で給付通知書が届き、口座に入金があります。

参考:経済産業省 持続化給付金

現状の最善策を考えつつ「アフターコロナ」に対する備えを

新型コロナウイルスの影響により、現状で多くのフリーランス・個人事業主が仕事を失ったり、収入に大幅な減少が出たりしています。

先行きが不透明な中、不安を感じているフリーランス・個人事業主が現在できることは、今ある支援策をできる限り有効に活用すること、そして固定費などを抑えることなどです。

本業が完全に休業状態のフリーランス・個人事業主は「複業」など新たな道を模索するのも一つの方法です。また、この機会を活用し、本業のスキルアップのための時間を設けるのもアフターコロナの備えとなるでしょう。

新型コロナウイルスによって在宅勤務・リモートワークの確立されるなど、働き方や仕事のあり方が抜本的に変化する可能性もあります。「元の状態に戻す」ことだけに焦点をあてず、「変わるもの」「変わらない」ものを見極め、いかに事業を継続していくか、これを機に考え直す必要があるでしょう。

profile
山本真悠子(やまもとまゆこ):フリーライター/エディター。出版社・新聞社勤務を経て独立。出版社で「読む」側として文章を編集してきた経験を活かして、読者の視点に立ち、誰もが読みやすく、理解しやすい文章を書くことを得意とする。医療分野をメインに、コラム、エッセイなど幅広く執筆している。