フリーランスをやっていて、同じフリーランスのお金事情が気になったことがある人は多いはず。FREENANCE MAGでは、さまざまなジャンルのフリーランスに、お金の話をぶっちゃけて聞いてみようと思います。
今回の取材対象者は、大学卒業後に就職したIBMを10カ月で退職し、フリーランスに転身した船越良太さん。月収4万円というどん底からスタートしながら、わずか数カ月で月収340万円を達成し、独立から2年ほどで2社のCEOを務めるまでに。そんな船越さんの、お金(案件)の獲得法や使い方は?
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給与には満足していたものの、IBMを10カ月で退職
船越さんは現在、2つの会社を経営されているんですよね?
はい。『株式会社 蒼』と『東京フリーランス』の代表を務めています。『蒼』はデザインやシステム開発をする会社で、フリーランスの人も多く起用しています。
『東京フリーランス』は、フリーランスの人に向けたメディアサイトを運営する会社です。メディアでは主に、フリーランスの人に役立つ情報発信しています。また、東京フリーランスのサロンに入ってもらえば、さらなる情報収集や勉強ができたり、フリーランス同士でコミュニケーションをとったりすることができます。
独立する以前は会社員だったそうですが。
はい、大学を卒業して、IBMに入社しました。でも、もともと長く会社にいるつもりはなくて。僕は自分のペースで自分の好きな仕事をやりたいので、独立するつもりでいたんですよ。就職は〝勉強するための手段〟だと思っていました。
そうなんですか。それにしても、入社して10カ月で退職というのはずいぶん早いですね。
そうですね、さすがに2~3年くらいは勤めようと思っていたんですが、それより早く辞めてしまいました。辞めるときは会社の人たちに「なんで辞めるんだ!」ってめちゃくちゃ詰められましたね(笑)。
詰められるでしょうね(笑)。なぜそこまで早いタイミングで辞める決断を?
正直、IBMは給与も恵まれていた方だと思うので、世間にはもったいないと思われるかもしれないんですが……。周囲の友人たちが起業して活躍し始めたので、それを見て焦りを感じたんです。彼らは生き生きと仕事をしていたので、うらやましさもありました。「自分はいつまでもここにいていいのか」と、急に不安になってきて。
競合が少ないUI/UXの分野で独立を決意。最初の1カ月は月収4万円
最初はフリーランスのデザイナーとして独立したんですよね?
エンジニアという選択肢もありましたが、もともとデザインが好きでしたし、僕の得意としているUI/UXの分野は国内では競合が少なかったので、勝ちやすいと思って戦場に選びました。
社会に出て1年未満でフリーランスになることに、収入面での不安は?
なかったですね。まぁ、死にはしないでしょ、と思っていました(笑)。いざとなったら日雇いでもゴミ拾いでも何でもすれば、何とかなるだろうと。そんなスタンスでした。
IBM時代に培った人脈があったとか?
いや、ないですよ。独立したときは本当に、クライアントはゼロでした。実績もゼロ、ツテもゼロ。フリーランスになって最初の1カ月は月収4万円でした。独立直後に知り合った社長さんからもらったLP制作の仕事1本のみで、その売上が4万円だったんです。
月収4万円となると、生活が厳しくなかったですか?
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お金がないので、毎日うどんばっかり食べてましたね(笑)。安いし、美味しいじゃないですか。でも毎日同じではさすがに飽きるので、いろいろアレンジして、メニューを考えました。お気に入りは「麻婆うどん」。麻婆豆腐の素を、うどんにかけるだけというお手軽メニューです。ちなみに豆腐は入ってないです。一応、野菜不足にならないように2日に1本、野菜ジュースを飲んでました(笑)。
飲み会や恋愛を絶って、ストイックに仕事に没頭する日々
会社員時代の貯金はなかったんですか?
少しは、ありましたよ。だから、友人と飲みに行くこともできたんですが、僕は断っていましたね。やらなくちゃいけないことがあると、何でも断って、ストイックになるタイプなんです。
他にも、何か絶っていたことってありますか?
会社を辞めるときに、当時付き合っていた彼女と別れました。完全に独り身になって、勉強と仕事をしまくって成長していこうと思って。彼女は、かなり怒っていましたけどね。
「超速対応」をウリに営業。20万円、50万円、70万円と順調に売上増加
そんな状態から、どう仕事を増やしていったんでしょう?
とにかくビジネスマッチングアプリを使って、ベンチャー起業の経営者などと出会い、営業をしまくりました。
あとは、自分自身のブランディングにも力を入れました。どうやったらクライアントに刺さるのかを考え、「超速デザイナー」という旗を立てて営業することにしたんです。そしたら、ベンチャー企業から声がかかるようになって。ベンチャーは社内にデザイナーがいないことが多く、そのため制作スケジュールが遅れがちです。だから「超速」は魅力的だったんでしょうね。
独立した翌月には20万円、さらに翌月は約50万、約70万と順調に増え、最終的に340万円まで伸びました。
実際に、超速対応をしていたんですか?
できるだけスピード感を持って納品できるように、世界中のサイトでテンプレートを探しまくりました。「コレとコレを組み合わせれば、これができる」みたいにテンプレートやツールを使いこなして、生産性をゴリゴリ上げていったんです。
フリーランス同士でチームを結成し数百万円の案件にも対応
それで仕事が増えて、軌道に乗ったわけですね。
一番多いときで、月に7案件くらい回していました。一人では無理なので、フリーランスの仲間に手伝ってもらって、2~3人で回すんです。
例えば、ウェブサイト作成を200万円で引き受けて、僕が要件をまとめます。デザインするのは別の人に50万円で頼み、マークアップはまた別の人に20万円で頼む。こうやっていくと、僕はミーティングで話しているだけで130万円もらえたり(笑)。結果、月収は最高で340万円まで伸びましたね。ただ、その月は400時間くらい働きましたけど(笑)。
月収340万円でも家賃7万円のアパートから引っ越さず
最高月収340万円って、すごいですね。仕事が軌道に乗って生活も変わったんじゃないですか。
あまり変わっていません。自分へのご褒美みたいな買い物も、特にしてません(笑)。お客さんと会ったときに下に見られないように、ちょっといい服を買ったくらいですかね。旅行も行ってないし、車も買ってないし。月収が大きく増えても、月7万のアパートに住んでましたからね(笑)。さすがに今は引っ越しましたけど。
趣味にお金をかけたりもしないんですか?
趣味はカラオケなので、頑張っても月に1万円くらいしか使えないです(笑)。
いいですねカラオケ。友だちと盛り上がるんですか?
いや、一人カラオケです。最近は行かなくなりましたけど、フリーランスのころは喫茶店で仕事して、1人でカラオケに行って1時間歌って、また別の喫茶店へ行くという感じでした。店員さんには「いつも同じ時間に1人で来て1時間歌って帰る船越さんて人」と覚えられてたと思います(笑)。
収入が増えても、「やりたいことをやれてるか、それだけ」
お金にあまり執着がないタイプなんですかね。
そうかもしれません。お金を稼ぐのはゲーム感覚で、周りにいるお世話になった人にお礼さえできればいいや、くらいに考えています。やりがいは、自分がやりたいことをやれているか。それだけです。今はいろいろな分野の勉強ができて、いろいろなデザインができて、大きな仕事をやらせてもらえていることに満足感はあります。
ありがとうございました! 最後にフリーランスの人にメッセージを願いします。
フリーの人は小さい仕事ばかりしていると、小さい仕事しか任せてもらえません。だから、なるべく大きな仕事につながるように意識しながら行動することが大切だと思いますよ!
取材・文/FREENANCE MAG編集部
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