ラブホテルを訪れた回数は3,000回以上。美人漫画家が「ラブホテル評論家」になるまで

フリーランスとして活躍するためには、専門性が必要不可欠であるのはいうまでもない。テレビ、雑誌、ラジオをはじめメディアでも活躍する日向琴子さんの肩書は「ラブホテル評論家」。もともとは漫画家であったという彼女が、いかにしてこの専門分野の識者となり現在の地位を築いたのか、本人に直撃した。

profile
日向 琴子(ひゅうが ことこ):1976年5月15日生まれ。7歳から14歳まで鹿児島県の離島で過ごす。19歳で上京し22歳で漫画家デビュー。以後、漫画家として多くの連載を抱えるだけではなく、エッセイ、グラビア、女優、ホテル評論家、動画制作、実業家、アプリプロデューサーなど幅広く活動。第4回国民的美魔女コンテストにて「スリム美魔女賞」受賞。ライフワークとして、性感染症やエイズに関する予防啓蒙活動を続けている。

ラブホテル紹介記事の連載や動画出演、コンサルティングまでマルチに活動

ラブホテル評論家とは、はじめて聞く肩書なのですが、いったいどんなお仕事をされているのですか?

主にラブホテル情報サイトにて、ホテル紹介記事の連載と動画出演・撮影・編集をしています。加えてラブホテルのコンサルティング、メディア(ラブホテル企画など)の監修なども行っています。

実は本業は漫画家で、19歳のときに鹿児島から上京して出版社に持ち込んだ作品が運よく新人賞を取りまして、22才で漫画家としてデビューしました。

それ以外にもジャンルの異なるさまざまな仕事をしているのですが、その中で最もマスコミ露出が多いのが『ラブホテル評論家』なんです。

『ラブホテル評論家』日向琴子さん

連載に動画にコンサル、すごいですね。ちなみに今までに何回くらいラブホテルを訪れているのでしょうか?

私はしっかり現場に行ってラブホテルを評論していますので、訪問した回数は3,000回を越えていると思います。

ということは3,000人の紳士と夜を共に…。

いえ、99.9%はひとりで行っているんですよ。取材や動画の撮影の際は男性とではなくいつも女性ひとりで行っていて、それがラブホテル評論家として重要なポイントになっていると思うのです。

漫画家としても活動中

28歳でグラビアの世界に。最初の仕事がラブホテル紹介企画

どのような経緯で、ラブホテル評論家に?

28歳のときに、新宿のルミネ前で『グラビアアイドルにならないか?』とスカウトされまして。その事務所でのはじめての仕事が、水着姿で毎週ラブホテルを紹介するという連載だったんです。

テレビ出演時の楽屋にて

その連載の終了間際に、担当編集さんが「1年半もやったんだから評論家と名乗っていいんじゃない?」とポロリと言ったのが、ラブホテル評論家になったきっかけなんです。

意図してラブホテル評論家になったわけではないのですね。

はい。その頃、週刊誌でも連載(日向琴子のおひとり様上手への道)を持っていて、29歳の独身女性が、30歳までに結婚できるのかどうかというテーマでコラムを書いていたんです。

その連載の最後に、本当になんとなく「30歳になっても相変わらずおひとり様なので、これからはラブホテル評論家としてがんばりまーす」と書いたら、すぐにラブホテル評論家として取材を受けるようになり、ラジオ、テレビ、雑誌、連載と仕事が増えていきました。

評論家への道1:経営者目線で語れるくらいの知識を得る

日向さんのようにある特定の分野の評論家として世間に認知されることは、フリーランサーにとってとても重要なことだと思います。ゼロから評論家になるには、具体的にどうすればいいのでしょうか?

評論家と名乗るからには業界を知らないといけない。当初はひたすら、ラブホテルに関する勉強をしました。

ラブホテルに関する勉強ですか。実際に利用しまくるくらいしか思いつきません。

利用するだけでなく、取材先のホテルのスタッフさんやオーナーさんにいろんなことを質問して現場のことを教えていただいたり、関連書籍を読み漁ったり。風営法と旅館法の違いなども理解して、経営者目線で語れるような知識も蓄えました。

ちなみに昭和のラブホテルを象徴する回転ベッドや鏡張りの部屋は1985年の風営法改正で禁止されてしまったことや、ラブホテルの起源は室町時代までさかのぼるという話とか、ラブホテルは歴史も奥が深いんですよ。

ラブホテルの歴史について語る日向さん

評論家への道2:業界全体のニーズに着目する

評論家として活動する中で、さらに知識を深めていったわけですね。

はい、そうやって現場の方たちと話をして行くなかで、ラブホテル業界全体が「業界のイメージを変えたい」「女性目線を大切にして女性客を取り込みたい」と強く望んでいることに気づいたんです。

業界内で「ラブホテル女子会を広めたい」という話があり、私もマスコミに露出するたびにラブホテル女子会をプッシュしました。それによって、私もラブホテル業界に受け入れられたのではと感じています。

私の場合は「業界のイメージを変えたいラブホ業界のニーズ」に「アラサーのおひとり様女性」というのがうまくハマったのかもしれません。

評論家への道3:ブログで記事を100本以上書く

ある分野の評論家になりたいと思ったら、まずはブログで自分が目指す評論分野の記事を100本書くことが近道かと思います。記事を100本というとハードルが高いと感じる人もいるかもしれませんが、3ヶ月もあれば書けると思いますよ。

出演・撮影・編集を担当している動画コンテンツ

さらに、適度に関連キーワードを盛り込むなどして、SEO対策もするのがおすすめです。するとテレビ番組のリサーチャーや編集さんが検索した際に、上位に出てきて声がかかりやすくなりますから。

ただしここで重要なのは、その人たちから「この人にならオファーできる」と思われるだけの説得力とクオリティがあるブログにすること。そうすれば、すぐに仕事に繋がると思います。

しかし、100本の記事を書くというのは、かなり大変な作業だと思いますが・・・。

まずはネタ考案のコツを覚えることが大切です。

ネタは「この分野が好き!というマニアな自分の紹介」「そんな自分だからこそ知っているネタ」「世に知られていないとっておきのネタでなくても、他人とも共有したいと思えるネタ」「この分野に関する雑学、歴史、関連する偉人」「面白エピソード」「応用編」「お役立ち情報」「役に立たない、くだらないけど笑える情報」などですね。

100本のネタ出が出たら、あとは書くだけです。

一つのひとつの記事のクオリティにこだわりすぎると遅々として進まないこともあるので、最初からクオリティの高い100本を目指すのではなく、12点くらいでいいのでとにかく100本書く。そして後から肉付けなどをして、ブラッシュアップしていくような形でもいいと思います。

投げ出したくなったら投げ出しても構わないのではないでしょうか。人それぞれペースがありますから、たまには休憩も必要です。ちょっと休んだらまた書きたくなるかもしれないので、そうしたら再開すればいいんです。

まずは30本から始めてみるのもいいと思いますよ。思い入れがあって、濃い内容が書けそうなネタは多分そのくらいでしょうから。30本書いたら見えてくるものがありますので、おそらくその30本がコアになり、残りはその30本から派生していく感じになるかもしれませんね。

そうすれば、誰でも評論家になれる可能性はありますか?

評論家は言ったもん勝ちのようなところもあるので、評論家になることは誰にでも可能だと思います。ただし、それが世に受け入れられるとは限りませんよね。

まずは自分の専門分野を持って、その分野で突出することは大事。でもニッチ過ぎても声がかからないので、見極めも大切なんです。とにかく自分のニーズよりも、他者のニーズを満たすこと。そうすれば、きっと声はかかるはずです。

(取材・文・撮影/國友公司)