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キーワードは「集中」と「健康」。日用品愛好家がフリーランスにおすすめする6つのアイテム

「そろそろ独立する予定なんだけど、買っておいたほうがいいものってあるかな?」 

仕事柄、よくこんな相談を受けます。答えは相手によってまちまちですが、「集中力を高めるガジェット」や「体の負担を和らげてくれるアイテム」を勧めることが多いですね。 

集中と健康。誰にとっても大事なことだけど、とりわけフリーランスにとっては最重要課題と言っても過言ではないでしょう(実際、同業者と集まるとこのあたりが話題の中心になります)。

そこで今回の記事では、そのふたつの観点から選りすぐったアイテムを6点紹介。いずれも現在進行形で使っている愛用品たちです。

無印良品の〈ABS樹脂 仕分けトレー〉

僕はわりに注意力が散漫なタイプで、特に在宅勤務になってからは、作業の能率の低さに悩むようになりました。なんとかせねばと思い、最初に着手したのが視覚的なノイズを減らすこと。

要は目に入るものを少なくするというわけですね。作業机がペンとかハサミとかレシートとかで散らかっていると、それだけで集中力が損なわれてしまいます。

整然とした環境づくりに役立つのが無印良品ABS樹脂仕分けトレー。ステーショナリーやガジェットなど、デスク周りで使う道具を整理するためのアイテムです。

トレーを乗せるとその下の部分が「プライベートゾーン」になります

単体でも優秀ですが、複数のトレーを組み合わせるとより機能的に。たとえば僕は大きいトレーと小さいトレーを組み合わせています。こうすると重なった部分に見せたくないものを隠せてけっこう便利です(ハンコやレシートなどを入れ込んでいます)。

気になるところ
ABS樹脂は紫外線で黄変する可能性があります。窓際は避けるなど、設置する場所には注意しましょう。

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日用品愛好家のよもやま話
モジュール化(≒規格化)を得意とする無印良品の強みが発揮されたシリーズと言えるでしょう。便利で安価、デザインもごくシンプル、さらにどこに住んでいても入手しやすい。「これぞ日用品のお手本」と喝采したくなります。

kikkerlandのバランスゲーム〈Don’t Tip The Waiter Stacking Game〉

定期的に息抜きする——これが集中力を保ち続ける秘訣のひとつです。コーヒーを飲んだり体操をしたりといろいろな方法がありますが、近頃はバランスゲームで気分転換するのにハマっています。

最近のお気に入りはkikkerlandDon’t Tip The Waiter Stacking Game。ウェイターの手の上に食器を積み重ねていくゲームで、単純ながら、いや、単純だからこそついつい熱中してしまいます。眠いときとかアイデアが煮詰まったときとかに遊ぶとよい刺激になりますよ(夢中になりすぎて仕事がおろそかにならないようご注意を)。

小さいお皿は1点、ボトルは3点と、種類によってポイントが異なるのがミソ

バランスゲームはその性質上、派手なデザインのものも多いのですが、このアイテムは全体的に落ち着いた印象となっていて、インテリアとしても機能します。

インテリア感覚で扱えるということは、いちいち片付ける必要がないということ。気が向いたときにサッと遊べます。

気になるところ
細部の作り込みがやや甘いように感じました。遊戯用としてはまったく問題ありませんが、純粋なインテリアとして見ると評価は下がりそうです。ただし、その「ゆるさ」が愛着を感じさせる要因になりえるので、単純なマイナスとは言いきれません(このあたりが雑貨の奥深いところだと思います)。

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HUAWEIのノイズキャンセリングイヤホン〈FreeBuds 3i〉

たとえば学生のころ、図書室の空調の音が気になって集中できなかった経験はありませんか? 言うまでもないようなことですが、注意力を保ち続けるには耳への刺激を減らすのも重要です。

雑音が気になるときに重宝しているのがHUAWEIFreeBuds 3i。イヤホンの外側と内側にあるマイクがノイズを検出し、デジタル処理によって打ち消すことで、最大32dBのノイズを低減してくれます。

特に効果を発揮するのが低音域の騒音で、エアコンや扇風機、冷蔵庫などの動作音はもちろん、(道路や線路までの距離にもよりますが)車や電車の走行音なども大幅にカット。作業に没頭しやすい環境を作り出してくれます。

音のバランスは爽やかな味付けで耳触りがよく、長時間使っても疲れにくいと思います。低音もしっかりと響き、とりわけロック・チューンと相性抜群。休憩時にはお気に入りのナンバーを聴いて気分転換するのもよさそうです

気になるところ
ひとつ残念なのは、バッテリーが約3.5時間しか持たないところ。移動中に使用するとなるとやや心もとないです。とはいえ、充電ケースを使えば10時間程度は持ちますし、自宅やコワーキングスペースで音楽を聴くぶんには問題ないでしょう。

競合他社のフラッグシップモデルと比較すると見劣りする部分もありますが、1万円台前半というプライスを考えると、「よくこの価格でここまでまとめたな」と感心せざるを得ません。コストパフォーマンスを重視される方におすすめしたいアイテムです。

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日用品愛好家のよもやま話
僕の家の近くには立派なテニスコートがあって、雨の日以外には「ポンポン」とボールを打つ音が耳に届きます。それほど大きい音ではないし、のどかと言えなくはないですが、仕事中は気になるときも……。そんなときにこのイヤホンを着けると、打球音はほぼ聞こえなくなり、作業に集中することができます。もうこれはちょっと手放せそうにないです。

サンワサプライの体に優しいマウス〈エルゴノミクスマウス〉

仕事仲間におすすめしてもらったアイテムで、ためしに使わせてもらったところ、とっても良かったのですぐに購入しました。

もし手元にマウスがあれば握ってみてください。おそらく手の平は机と水平になっていると思いますが、このとき手首には一定の負荷がかかっていて、ときに腱鞘炎を引き起こすケースもあるそうです(俗に「マウス腱鞘炎」と呼ばれています)。

気になるところ
一般的なマウスとは形状が異なるため、デザインに関しては好き嫌いが分かれそうです。また、サイズも大きく持ち運びには適していません。しかし、そうしたいくつかのデメリットを差し引いてもお釣りが出るほどの魅力を持つアイテムだと思います。マウスを頻繁に利用する方はぜひご検討を。

AKAISHIのマッサージャー〈ツボギュット〉

はじめて見たとき、レモンを絞る道具かなにかかと思いました。まるでオブジェのような佇まいのこのアイテム。実はマッサージャーなんです。

その不思議な形状は、緻密な検証によって生み出されたもの。非常に握りやすく、適度な固さがあるため、デスクワークの合間のツボ押しにぴったりです。ギュギュッと握るだけでもなかなか気持ちいいですよ。

機能性に優れ、価格も手頃と、見どころの多いアイテムですが、最大の魅力はデザイン性の高さだと考えています。

もし機会があればドラッグストアのマッサージ用品コーナーを観察してみてください。派手な色合いのものや仰々しい形状のものが多く、「これを手元に置いておくのはちょっとな」と思われることでしょう。棚や引き出しの奥なんかに押しやられ、気がついたらホコリかぶっていた——というのはあるあるではないでしょうか。

ではツボギュットはどうかというと、マッサージャーとしては非常にシンプルな仕上がりで、机の上や枕元に並べていても違和感はありません。毎日何度も使うものだから、いつも手元に置いておけるのは実にありがたいです。

ものと人との距離を近づけてくれる。これが優れたデザインの効用のひとつです。

気になるところ
樹脂製アイテムの宿命として、どうしても小さなホコリがくっついてしまいます(素材を工夫して付着しにくくしているようですが……)。目についたらサッと拭いてあげましょう。

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BANALEの多機能クッション〈OMNI PILLOW〉

たまに近所のコワーキングスペースで作業をするのですが、チェアが合わなくてすぐに腰が痛くなります。雰囲気とか空調とかはバッチリなだけになんとも残念です。

そんな僕の救世主となったのがBANALEOMNI PILLOW。一見、ふつうのネックピローに見えますが、展開すればクッションとしても使えるユニークなアイテムなのです。

体とイスの間に挟むだけでずいぶんと楽になり、仕事に集中することができます。畳めばそれなりにコンパクトになるので、カフェや図書館などに持っていきやすいのもポイント(さすがにクッションをそのまま持っていくのは憚られますよね)。

中材には宇宙事業のために開発された「ピュアダイナミックメモリーフォーム」を採用。ちょっとビックリするぐらい気持ちよく、仮眠するつもりが本格的に寝入ってしまうこともしばしば……

そのほか、自宅の机で仮眠をとったり、アームレストにしたりと、さまざまなシーンで活躍してくれます。もちろん、旅行や出張のお供としても最適ですよ。

気になるところ

355gとそれなりに重く、まあまあかさばります。BANALEは「マンゴーサイズ」と説明していますが、それよりも大きいように感じます(あるいはイタリアのブランドなので、果物の大きさの認識にギャップがあるのかもしれません。僕がスーパーを観察してみたところ、かなり大きめの梨くらいのサイズ感でした)。

とはいえ、枕を持ち歩くよりかはずっとコンパクトですし、柔らかさはそのへんのクッションの比ではありません。デスクワークの相棒としてぜひご検討ください。

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日用品愛好家のよもやま話
僕は1年に数回、片道11時間の高速バスを利用する機会があって、乗るたびに体がボロ雑巾みたいになっていましたが、OMNI PILLOWのおかげでずいぶん楽になりました。出張や取材が多い方には留保無しでレコメンドしたいです。

さいごに

身のまわりで使うすべてのものを、自分で選択できる。これがフリーランスになってよかったと感じることです。僕が「もの好き」というのもありますが、それを差し引いても、一個ずつ道具を選んでいくのってほんとうに楽しいです。

その一方で、「一から探していくのはしんどい」という意見も十分に理解できます。独立するときってタスクがいっぱいあるから、ついつい買い物は後回しにしてしまいますよね。そんなときはぜひ、集中健康のような基準を設定してみてください。きっと驚くほどものえらびが楽になるはずです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。みなさんのフリーランス・ライフがすこしでも快適になることを願っています。

撮影/小出和明

※本記事は2020年9月28日時点で公開されている情報をもとに執筆しておりますので、スペック等は変更されている場合もあります。