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データサイエンティストについて解説!需要や将来性は?

FREENANCE データサイエンティスト

データサイエンティスト(Data Scientist/DS)」とは、さまざまな分野の知識や技術を用いて、膨大なデータから価値を引き出す人です。企業からの需要が高まる一方で、情報処理推進機構(IPA)社会基盤センターが昨年刊行した『DX白書2021』ではIT人材・職種の中でも「量・質ともに不足感が高い」としても挙げられている現状をふまえ、データサイエンティストとして活躍するために必要なスキルやその将来性について解説していきます。

データサイエンティストとは?

データサイエンティストとは、統計学や科学、データ分析やAIといった、さまざまな分野を組み合わせ、膨大なデータから情報、法則、関連性などを導き出す人です。

データサイエンティストがいれば、ターゲット層の年代や性別、居住地域や趣味が趣向などのさまざまなデータを参考にして、改善・改良に向けて必要となる施策や方向性を導き出すことができるでしょう。さらに、ビッグデータと呼ばれる膨大な情報を分析・活用して、仕事を効率化したり、IT化に活用したり、競争力を高めたりすることも可能です。

また、近年では、テレワークへの移行や、働き方を変化させるニーズが高まっています。こういった時代に沿って行くためには、パソコンの管理ログやネットワークのセキュリティ状況などを分析し、リスクを最小限に抑える必要があるでしょう。このような現場でも、データサイエンティストがいれば、膨大なデータを活用し、最適な対策を打ち出すことができます。

日本企業では、広い知識と経験が求められるデータサイエンティストが不足しており、DX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル改革)への取り組みも、アメリカにくらべると遅れているのが現状です。

業種別にみると、情報通信業・金融業・サービス業では、データサイエンスに取り組んでいる日本企業も増えていますが、製造業・流通業・小売業においては、アメリカと比較して大きな差があります。

しかし、これを逆手にとれば、データサイエンスの活用が未発展の業界では、データサイエンティストが活躍できる可能性が高いと考えられます。

※参照:『DX白書2021

データサイエンティストに必要なスキル

データサイエンティスト検定™」を実施するなどIT人材の育成や啓蒙活動を行っている一般社団法人・データサイエンティスト協会とIPAは共同で、データ利活用に必要なスキルを体系化した「データサイエンティストのための スキルチェックリスト/タスクリスト概説」を公開しており、データサイエンティストには、大きく分けて、「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」の3つが求められると解説しています。それぞれをみていきましょう。

ビジネス力

ビジネス力とは、解決すべき課題の背景を理解し、優先順位や解決の手順を整理し、実際に課題を解決する力です。最終的には課題を解決しなければならないので、説明能力や言語化能力計画力やリスクマネジメント能力なども求められるでしょう。また、その企業や業界、顧客などを広く熟知していなければなりません。

データサイエンス力

データサイエンス力とは、情報処理・人工知能・統計学など、情報科学系の知識を持ち、それを活かす力です。基礎数学はもちろんのこと、複数の分野に渡る情報の性質や関係性を把握していなければなりません。そこから得た情報を加工し、可視化し、シミュレーションを経て、最適化できる能力が求められます。

データエンジニアリング力

データエンジニアリング力とは、データサイエンスを、実装、運用できるようにする力です。データを実用化するためのスキルが求められます。具体的なスキルとしては、データの蓄積・加工・共有やプログラミングITセキュリティの知識やAIシステムへの運用設計などが挙げられます。

大学のカリキュラムでも学べる!

こうしたデータサイエンティストに必要な知識・技術を学べる学部を設置している大学もあり、滋賀大学のデータサイエンス学部では、所定の単位を修得することで、社会調査士の資格やSAS Joint Certificate(統計ソフトウェア「SAS」と滋賀大学の連著となる認定資格の証明書)を取得できるほか、情報処理技術者試験統計検定品質管理検定(QC検定)の合格を目指せるカリキュラムが提供されています。

※引用:滋賀大学データサイエンス学部

データサイエンティストの実務とは?

データサイエンティストがどのような実務を行っているか?については、厚生労働省が2020年に開設した職業情報提供サイト「job tag(じょぶたぐ)」(日本版O-NET)にて以下の事例が紹介されていますので、参考にしてみてください。

  • データを加工しながらモデリング(最適な統計的モデルの構築)作業を行う
  • データの担当者にヒアリングを行い、分析するデータがどのようなものか確認する
  • モデルが新たなデータに対しても有効かどうか判断する
  • モデリング作業が終わると、そのモデルが適切かどうか判断するための効果検証を行う
  • 分析対象となる業務の責任者(他社の場合はクライアント)にヒアリングし、分析の目標を決める
  • 反復的にデータ分析やモデリングを行う
  • モデルが有効であれば、サービスとして実装する(機能として実現する)

※引用:厚生労働省 job tag

job tagでは上記のほか、全国・都道府県別の就業者統計データや、ハローワークでの求人統計データ、労働条件の特徴、関連する職業など、 データサイエンティストの職業情報を閲覧することができます。

データサイエンティスト就業者統計データ
※引用:厚生労働省 job tag

東京メトロにおけるデータサイエンスの活用事例

実際にデータサイエンスが活用された事例として、地下鉄のメンテナンス作業があります。東京地下鉄株式会社が運営する東京メトロは、1日700万人以上が利用する路線で、195.1km(9路線)という距離のメンテナンスを、徒歩と目視で毎日行っていました。2009年頃は、1mごとの検査記録を表計算ソフトに入力していく作業が行われており、時間も労力も膨大でした。

こうした背景から、東京メトロと産業能率大学は、共同でデータ解析の数理モデルを開発・分析し、それらを自動化するAIの設計・開発にも着手。その結果、検査者は手元の端末からデータ入力ができるようになり、大きく負担を軽減することができました。

また、データは、東京メトロ本社のクライアントPCから直接アクセスできるクラウド上に蓄積されるので、分析結果の可視化、データ管理も連携してできるようにもなったと報告されています。

※参照:学校法人 産業能率大学 データサイエンスやAIの企業活用事例

データサイエンティストの需要や将来性は?

上述した通り、日本では、DXが製造業・流通業・小売業で特に遅れています。企業改革を進めるにあたって、大切なスキルやマインドはなにかを尋ねた結果、日本企業では、「リーダーシップ」や「実行能力」「コミュニケーション能力」が大切だとの回答が多く、ITリテラシー向上への認識が低かったり、取り組みが遅れていたりする企業が多くあるようです。

なかには、DXを推進している企業もあり、顧客分析・経営戦略・業務効率化などで成果をあげている企業もありますが、こうした企業が共通して頭を悩ませているのが、人材不足や能力・スキルのギャップです。日本全体での企業改革が進まないのは、適切な人材がいないからとも考えられるでしょう。

データサイエンティストの需要は、決して低くありません。積極的にスキルを身に付け、能力を実証しつつ、データサイエンスを活用したDX推進のモデルケースを増やしていけば、データサイエンティストの人材価値は、ますます認知され、高まっていくと想定されます。

※参照:デジタル時代のスキル変革等に関する調査(個人調査編)令和3年5月21日
※参照:『DX白書2021

まとめ

データサイエンティストは、数学やプログラミング、セキュリティ知識やシステム運用など、幅広いスキルが求められますが、顧客のニーズを分析して適切な経営戦略を打ち出したり、課題を視覚化・整理したうえで業務の効率化を実現したりと、さまざまな面で企業に貢献することができます。データの収集・有効活用が実証されていけば、データサイエンティストの需要はますます高まっていくでしょう。

執筆者profile
川上雅哉
個人事業主としての経験と確かなエビデンスを元に、ビジネス・IT・美容・健康と、多くのジャンルの記事を執筆するフリーランスライター。難しい内容や専門用語を多く使うものを幅広い視野で読み解き、わかりやすい言葉に変えてみなさまにお届けしています。
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