〝子どもと一緒に働く〟という新発想。保育所併設コワーキングスペース『マフィス』をレポート。

「子どもがいたら仕事ができない」「働きたいなら、子どもをフルタイムで保育園に預けなければいけない」。それが当然だと思っている女性たちも多いでしょう。しかし、「子どもが一緒でも働くことができる」「子どものそばで働く」という発想があってもいいのではないでしょうか。

そんな発想を体現しているのが、保育施設を併設したコワーキングスペース『マフィス』です。

妊娠・出産後も働き続けるママ&パパをサポート

マフィスは妊娠・出産などのライフイベントを経てもなお、キャリアを活かして働き続けたいというママ&パパを応援してくれるコワーキングスペース。併設する保育施設に子どもをあずけて、自身は同建物内のオフィススペースで仕事に集中することができます。

長時間のデスクワークを快適にしてくれる家具やアロマを用意

オフィススペースは入会金・年会費・月額会費を支払えば、24時間年中利用可能。保育サービスは月~土曜日のAM7:30~PM8:30まで利用することができて、保育対象は0~2歳児(曜日・時間帯固定の「セレクトプラン」は0~5歳児)。

保育利用料はオフィス利用料と別途発生しますが、フルタイムや週3回から利用できるセレクトプランの他、一時保育もあります。フルタイムで利用しても月額5~6万円程度と、シェアオフィスが使えることを踏まえれば、決して高いとは感じない金額だと言えるでしょう。

さらに一般的な保育園とは異なり、ママは仕事をしながらいつでも子どもの様子を見に行くことができて、預けてすぐに仕事に取り掛かることもできます。

気軽に利用できる会議室も併設
フードアナリスト・とけいじ千絵さん監修の「子どもの味覚を育てる給食」を提供

マフィスを立ち上げたのは、かつては自身も満員電車で通勤しながらフルタイムで働くママだったという高田さん。

「保育園に子どもを迎えに行く時間までまるで戦いのように働いて、帰宅後は第2ラウンドの開始。休む間もなく家事・育児が続くという毎日を過ごしていました」という高田さんの言葉には、世の中の多くのワーキングママたちが「わかる!」と共感の声をあげるはず。そんな経験を経た高田さんだからこそ、子育てと仕事を両立する女性の気持ちに寄り添ったサービスを実現させることができたのでしょう。

改めて高田さんに、マフィスの特徴や魅力お聞きしました。

profile

高田 麻衣子(たかた まいこ) オクシイ株式会社代表取締役
1977年生まれ。大阪市立大学卒業後、不動産デベロッパーなど数社で不動産廻りのフロントからバックオフィスまで全般的な業務に従事。プライベートでは1男1女の母。2014年に独立し、開業当初は珍しい形態だった「保育所」と「シェアオフィス」を併設したマフィスを開業。

仕事はしたいけど、子どものそばにいたい」という思いを実現

マフィス北参道はどんな方が利用していますか?

現在はフリーランスの方と、リモートワークする際に利用している会社員の方が半々くらいです。利用者の職種は実にさまざまですが、フリーランスだとウェブディレクターやウェブデザイナー、編集、ライター、フードコーディネーター、マナー講師、デザイナー、弁護士や会計士など士業の方もいらっしゃいます。

フリーランスから会社員まで、さまざまな人が愛用している

みなさんどんな理由で、マフィスを利用なさっているのでしょう?

フリーランスの方は、「保育園にフルタイムで預ける必要はないけど、集中して仕事をする時間が欲しい」という方が多いです。あとは「仕事に復帰したいけど子どもと離れたくない、子どもの成長をもう少し近くで見たい」と考える女性が多く利用しています。最近ではパパの利用も多く、ママとパパが協力しながら子育てを分担している様子が伺えます。

マフィス北参道は保育施設とオフィスが別フロアですが、横浜は同フロアなので、特に子どもとの距離が近いんです。「子どもと同じ空間で働けるなんて理想的!」とおっしゃってくださる会員さんもいますね。

会員さん同士がコミュニケーションをとるような機会はあるのですか?

ここには専業主婦でもない、キャリアウーマンとも違う、「中間」の考え方を持っている人も多くいます。同じ価値観を持つ人同士って話が合いますから、自然と仲良くなるみたいです。同じ考え方の女性たちと子育てや仕事の悩みを共有できるのも、マフィスの魅力かもしれません。

<高田さんインタビュー>独立を決意したきっかけは「息子の居眠り」

高田さん自身は、以前は会社員だったそうですね。

約15年間、不動産業界で働いていました。一部上場企業の管理職を務めていたこともあり、仕事にはやりがいを感じていました。

しかしある日、小学一年生の息子の担任の先生から「お子さんが授業中に居眠りしています」と言われてしまったんです。その頃は18時くらいまで仕事をして、それから食事やお風呂なので、どうしても息子の就寝時間が22時半くらいになってしまって。彼は小学生になって大きく環境が変わっているのに、私はそんなことおかまいなしで、自分の生活ペースに息子を付き合わせていたんです。

自身も二児の母である高田さん

そこで、独立を決意なさったんですか?

ええ。よく考えれば息子が保育園時代も保育園に頼りっぱなしで、親らしいことをしていなかったなと。こんなことをしているうちに、あっという間に息子は自分のことを自分でできるようになってしまう。その前に、たとえ数年間でも子どもにもっと寄り添おうって思ったんです。

もともと保育園とシェアオフィスをつなげ、子育てを支援するマフィスのような事業を立ち上げたいという構想があったので、ちょうど最高の物件が見つかったこともあり、独立を決意しました。

東京メトロ副都心線「北参道」駅徒歩3分の立地にある「マフィス北参道」

<高田さんインタビュー>フリーランスになるというのは、とても贅沢なこと

独立なさって、子育てのスタンスに変化はありましたか?

自分で時間を調整できるようになったので、下の子が小学校に入学した時も、うまく仕事をコントロールして子どものペースに合わせた生活ができました。授業参観など、子どもの学校行事にもちゃんと参加できています。

それはフリーランスや経営者ならではの魅力ですよね。

そうですね!フリーランスとして仕事をしながら子どものペースに合わせて生活するって、とても贅沢なことだと思うんです。世の中にはフリーランスという働き方に不安を感じている女性もいるかもしれませんが、私はそんなに不安になる必要はないと思います。環境が変わったら、会社員に戻ることもできるんですから。フリーランスとして確かな実績を構築していれば、きっとそれを認めてくれる企業はあるはずです。自分のライフスタイルに合わせて働き方を選択していって欲しいと思います。

「フリーランスであることに自信を持って、楽しんでください!」と高田さん。

高田さんが子育てをする上で、心がけていることはありますか?

会社員時代よりも時間のコントロールができるようになったとはいえ、やはり忙しい日もあるので、子どもたちにはいろいろなことを教え、協力してもらっています。今は火を使った料理以外なら、大抵のことができるかもしれません。私が仕事で帰りが遅くなったときに、自分たちでご飯を作って待っていてくれたこともありました。

それは、ママにとっては涙がでるほど嬉しいですね!

うちの子どもたちがそんな風にしてくれるのは、私の仕事を理解してくれているからなのかもしれません。うちの子は、たまにマフィスに来るんですよ。自分の母親が、どこでどんな仕事をしているのか分かっているんだと思います。私が雑誌やテレビに出演するのも喜んでくれて、学校ではみんなに「ママの仕事はマフィスなんだよ!」って誇らしげに言っているみたい(笑)。

取材を終えて

インタビューを通して、高田さん自身が、子育ても仕事もお子さんと一緒に楽しんでいるという印象を受けました。そんな高田さんが提供してくれる「マフィス」という場所は、私たち働く女性にこれからも新しい価値観を与えてくれるのではないでしょうか。

information

【Maffice北参道】
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3丁目15-3
TEL:03-6432-7680
営業時間:[月~土]7:30~20:30
【Maffice横濱元町】
住所:横浜市中区元町2-95-2元町YNビル1・2階
TEL:045-264-4304
営業時間:[月~土]8:00~19:00(年末年始、日曜日・祝日休館)

<取材・文>フリーナンス編集部