近年はネット通販等の利用が急増していることもあって、配送業・運送業の仕事のニーズも増えているようです。配送業・運送業の仕事をする場合、企業に社員として雇用されるのではなく、企業と業務委託契約を結び、個人事業主・フリーランスとして活動するケースもあるでしょう。
個人事業主として活動する場合は確定申告を行うことになりますが、配送業・運送業の場合は「経費」が一つのポイントになります。
そこで今回は、配送業・運送業の人が確定申告をする際の経費について解説します。
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配送業・運送業はフリーランスでも挑戦しやすい?
フードデリバリーサービスなどは、自転車やバイクで仕事を始める人も多いでしょう。車を使う場合は、「軽貨物運送業(正式名称は貨物軽自動車運送事業)」が、個人事業主でも比較的に始めやすいと言われています。軽貨物運送業は、貨物自動車運送事業法第二条第四項にて以下のように規定されています。
- 他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車に限る)を使用して貨物を運送する事業
軽貨物運送業は事業を始めるための届出が比較的シンプル、かつ受理されやすいようです。軽貨物運送業を始めるための具体的なフローも別記事で解説していますのでぜひご一読ください。
副業でも所得が20万円を超えたら確定申告が必要
個人事業主として配送業や運送業をする場合、原則として1年間の所得(利益)を計算し、確定申告をする必要があります。
中には「普段は会社員をしていて、副業で配送業・運送業を始めた」という方もいるでしょう。この場合も、副業による所得が20万円を超えている場合は確定申告が必要になります。もう少し詳しく言うと、「1か所の会社に勤めていて(会社に年末調整をしてもらっている)、(給与所得や退職所得以外の)副業による所得が20万円を超えている」場合です。
確定申告の要・不要についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、自分がどれに当てはまるのかチェックしてみてください。
確定申告をする場合は「経費」がポイントになります。
よく「経費で落とす」という言葉を耳にすると思いますが、きちんと理解している人は意外と少ないかもしれません。
ここからは税理士の河野雅人さんに、配送業・運送業の人が確定申告をする場合の経費の考え方について解説していただきます。
経費として認められるのは「事業に関係する費用」
経費とは、事業を行うための費用(コスト)のことです。
「経費で落とす」とは、「確定申告の際に、事業にかかった費用を”経費”として売上から差し引くことができる」ということを意味しています。
確定申告をする上で経費として計上された金額が多ければ「所得(利益)」が少なく計算されるため、税金(所得税)の額も少なくなります。そのため、事業にかかった費用は、きちんと経費として処理することが重要です。
ただし、自分で支払った費用が、すべて経費になるわけではありません。経費として認められるのは、「事業に関係する費用」に限られるからです。
配送業・運送業の個人事業主は、どんなものが経費になる?
配送業・運送業の場合、たとえば業務に直接関係のない支出は原則として経費と認められません。一方、車を走らせるのに必要な「ガソリン代」は経費とすることができ、認められる経費には具体的に以下のようなものがあげられます。
- ガソリン代
- 有料道路代、駐車場/駐輪場代
- 車や自転車の減価償却費
- 車や自転車のリース料
- 自動車保険/自転車保険
- 自動車税、軽自動車税
- 車検、修理費用
- カー用品のうち仕事に関連するもの
- 携帯、固定電話代(家事按分を要する場合あり)
- 事務用品、消耗品費(パソコン、経理用ソフト、ボールペン、業務用服飾代など)
- 交際費(関係者との懇親会、打合せ、差入、祝金、香典など)
- 会議費(コーヒー代、茶菓子代など)
- 税理士への依頼費用
経費を証明する資料の保存も必要
事業にかかる費用を経費とした場合には、証拠として領収書などを保管する必要があります。
確定申告では、経費として計上したことを証明する領収書などの書類を提出する必要はありません。しかし、税務署から確認の連絡がくる場合もありますので、経費を証明する資料として、以下のようなものを保管しておきましょう。
- 領収書、レシート
- 請求書、納品書
- クレジットカードの明細書
- 通帳の明細
- メールや郵便物
- 出金伝票
また、携帯電話などは「1台を事業用にもプライベートにも同時に使っている」ケースも多くあります。そのような場合は、事業用として使っている割合(%)を見積もり、支払った金額に事業として使っている割合を掛けた金額を経費として処理することができます。これを、家事按分(かじあんぶん)といいます。ただし、経費として計上する金額(割合)によっては、税務署に否認されてしまうことがあります。従って、明細を取り寄せるなど通話履歴を残し、どれだけ事業で使っているかを、きちんと説明できるようにしておきましょう。
慣れるまではなかなか難しい作業ですし、面倒に思う方もいらっしゃるでしょう。正確に確定申告をする自信がない方は、税理士への依頼も検討してみてください。税理士に支払う報酬が発生しますが、もちろん、これも経費として認められます。
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