フリーランスや個人事業主が大いに活用できる「補助金」。この記事では、販路開拓やポストコロナに向けた施策等を支援する「小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)」について解説します。緊急事態宣言の再発令によって売り上げが減少した場合は「特別措置」が適用されますので、ぜひ確認してみてください。
小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者持続化補助金とは、「小規模事業者」が販路開拓や生産性向上のための取り組みを行うために要する経費の一部を支援する制度です。この制度は、商工会や商工会議所のサポートを受けながら、経営計画書や補助事業計画書などを作成し、審査を経た後、採択が決定されれば、所定の補助金の支給を受けることができます。
小規模事業者にはフリーランスや個人事業主も含まれ、商工会や商工会議所の会員でなくても応募が可能です。以下のような一定の取り組みを行った小規模事業者は、本制度を活用することにより補助金が支給されます。
- 人と接触する機会を減らすための機器の導入
- 新たなビジネスやサービスを始める際のチラシ・DMの作成・送付
- 新商品をオンラインの展示会等に出展
- Webサイトによる受注システムの構築 など
※参照:中小機構「持続化補助金」
「補助金」であって「給付金」ではない
「持続化補助金」とも呼ばれることから、名称が似ている「持続化給付金」と混同しがちですが、小規模事業者持続化補助金は「補助金」であり、「給付金」ではないことには注意しなければなりません。
補助金は、販路開拓や生産性向上のために一定の取り組みを行った後で申請により支給されるもので、原則として後払いになります。なお、同じく補助金に分類される「事業再構築補助金」や「ものづくり補助金」とは目的が異なりますので、覚えておきましょう。
名称 | 目的 |
持続化補助金 | 小規模事業者が販路開拓や生産性向上のための取り組みを行うために要する経費の一部を支援 |
事業再構築補助金 | 新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援 |
ものづくり補助金 | 中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援 |
小規模事業者持続化補助金は2種類
小規模事業者持続化補助金は2021年(令和3年)5月現在、「一般型」と「低感染リスク型ビジネス枠」の応募が可能となっています。
「一般型」とは?
一般型は、小規模事業者が、地域の商工会議所または商工会のアドバイス、サポートを受けて経営計画を作成し、その計画に沿って地道な「販路開拓」などに取り組む費用の3分の2を補助する制度です。
ここでいう販路開拓とは、「チラシ作成」や「Webサイト作成」「商談会への参加」「店舗改装」などを指します。これら販路開拓のために支払った費用がある場合、申請し採択されれば、その支払った費用の3分の2が補助金として支給されます。ただし、補助上限額は原則として50万円です。
受付応募スケジュールは以下のとおりです。
一般型 受付応募スケジュール | |
第5回受付締切 | 2021年6月4日(金) ※郵送:締切日当日消印有効 |
第6回受付締切 | 2021年10月1日(金) ※郵送:締切日当日消印有効 |
第7回受付締切 | 2022年(令和4年)2月4日(金) ※郵送:締切日当日消印有効 |
第8回受付締切 | 未発表 (2021年5月27日時点) |
フリーランス・個人事業主が一般型を申請する際の必要書類(単独申請の場合)
一般型を申請する際には、以下の所定の様式書類が必要になります。様式ごとの「添付書類」(各様式に記載)をよく確認し、漏れの無いよう、十分に注意しましょう。
- 「様式4」(地域の商工会議所が作成・発行した事業支援計画書)の提出【必須】
- 「電子媒体」(CD-R・USBメモリ等)に必要事項を記入した以下のデータをすべて保存しているものの提出【必須】
様式1-1(小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書)
様式2-1(経営計画書兼補助事業計画書①)
様式3-1(補助事業計画書②【経費明細表・資金調達方法】)
様式5(交付申請書)
直近の確定申告書、青色申告決算書または収支内訳書
上記以外にも、「条件付きで必要となる資料がある」場合もあるので、提出時にはよく確認してください。申請受付は、オンラインでの補助金申請システム「jGrants(Jグランツ)」または書類郵送となります。また、Jグランツでの申請には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。
※参照:小規模事業者持続化補助金「一般型」
※参照:小規模事業者持続化補助金<一般型>【公募要領】(第10版)
「低感染リスク型ビジネス枠」とは?
一般型は、新型コロナウイルス対策とは関係なく申請できるものですが、低感染リスク型ビジネス枠は、小規模事業者が新型コロナウイルス感染症の感染防止と事業継続を両立させるために設けられている制度です。対人接触機会の減少に資する前向きな投資を行い、ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入といった取り組みを支援しています。
例えば、以下のような事例において、この制度が活用できます。
- 飲食店がテイクアウト用の弁当を開発販売
- 飲食業が店内のオープンスペースを個室にするための間仕切りの設置や予約システムの導入
- 旅館業が宿泊者用の料理をテイクアウト用にするための商品開発
- 除菌スプレーやアクリル板の購入などウイルス感染防止対策を行うために支払う経費
補助率は支払った経費の4分の3が支給され、補助上限額は原則として100万円です。
また、「緊急事態措置に伴う特別措置」として緊急事態宣言の再発令によって2021年1~3月のいずれかの月の売上高が、2019年または2020年の同月比で30%以上減少している場合、以下のような特別措置が設けられています。
- 補助金総額に占める感染防止対策費の上限を4分の1(最大25万円)から、2分の1(最大50万円)へ引き上げ
- 審査時における加点措置を講ずることにより優先採択
低感染リスク型ビジネス枠 受付応募スケジュール |
|
第2回受付締切 | 2021年7月7日(水) ※郵送:締切日当日消印有効 |
第3回受付締切 | 2021年9月8日(水) ※郵送:締切日当日消印有効 |
第4回受付締切 | 2022年11月10日(水) ※郵送:締切日当日消印有効 |
第5回受付締切 | 2022年(令和4年)1月12日(水) ※郵送:締切日当日消印有効 |
第6回受付締切 | 2022年(令和4年)3月9日(水) ※郵送:締切日当日消印有効 |
フリーランス・個人事業主が低感染リスク型ビジネス枠を申請する際の必要書類(単独申請の場合)
申請受付はオンライン(Jグランツ)のみとなっています。必要書類は以下のとおりです。
- 様式1(経営計画及び補助事業計画)
- 様式2-1(宣誓・同意書)
- 税務署の収受日付印のある直近の確定申告書(第一表、第二表、収支内訳書(1・2面)または所得税青色申告決算書(1~4面))
確定申告をe-Taxにより電子申告した場合は「メール詳細(受信通知)」を印刷したもの、確定申告書に収受日付印がない場合は税務署が発行する「納税証明書(その2:所得金額の証明書)」(コピー不可)が必要です。決算期を一度も迎えていない場合のみ、申請時の段階で開業していることがわかる「開業届」を提出してください。
緊急事態措置に伴う特別措置を適用する事業者については、「宣誓・同意書(緊急事態措置の発令による特別措置適用者)(様式2-2)」(この場合、様式2-1の提出は不要)、「緊急事態措置の影響による事業収入の減少証明」が必要です。
※参照:小規模事業者持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」
※参照:小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>公募要領
まとめ
小規模事業者持続化補助金は提出書類も多く審査もあるため、入念に計画書を作成し、必要書類をきちんとそろえなければなりません。できれば、制度趣旨を理解した専門家に相談してみることも検討してみてください。費用はかかりますが、かかる時間や手間が短縮され、比較的に、審査に通る可能性が高くなることも想定されます。
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