フリーランスや個人事業主に限らず、商取引において「月末締め翌月末払い(げつまつじめ よくげつまつばらい)」はよく耳にする言葉です。
これは、取引にかかった代金の請求から支払いまでのサイクルを意味し、「その月の請求書に記載された額は、翌月の末に支払います」というものです。中には、「その月の報酬はその月にもらえたらいいのに ……」なんて思っているフリーランス・個人事業主の方もいるかもしれませんが、なぜこういったサイクルが一般的とされているのでしょう?
その前提となるのは「掛取引」。掛取引に触れながら、「月末締め翌月末払い」の意味や理由を税理士が解説します。 また、月末締め翌月末払いに頭を悩ませている方におすすめのサービス 「ファクタリング(Factoring)」についても解説します。
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「月末締め翌月末払い」の前提となるのは「掛取引」
日本では、商品の販売やサービスの提供を行った際、代金については後日支払うという慣行があります。
これを「掛取引(信用取引)」といいます。
もちろん、「前払い」や「その都度払い」も多くあります。
しかし、月に何度も取引を行う場合、取引の度に請求書を発行し、その度に取引先が代金を支払うと、お互いの事務手続きが非常に面倒なことになります。毎月に一定量の取引を継続して行うような場合は、得意先に対しても「きちんと支払ってくれる」という信頼もできあがっているでしょうから、代金は後でまとめて支払うという形にしたほうがお互い効率的です。それにより、特定の取引先との取引においては掛取引が一般的となっているのです。
「月末締め翌月末払い」とはどういう意味?
「月末締め翌月末払い」は、掛取引での支払いに関する一連のスケジュールを月単位のサイクルとして表現した言葉です。「当月の取引によって生じた代金を、月末で締めて翌月末に支払う」という意味です。
締め日から支払日までの期間は「支払いサイト」と呼ばれ、支払いサイトは翌月末払いの場合もあれば、翌々月払いの場合もあり、会社によりさまざまです。
なぜ請求書は「月末締め翌月末払い」が一般的なの?
事務処理が効率的になるから
月に何度も取引がある場合、請求書の発行と支払いをその都度おこなうのでは事務手続きが非常に面倒なことになります。ある一定期間に行った取引をまとめて請求し、後日代金を支払ってもらえば、事務処理が効率的になるでしょう。この一定期間に関して、適当でわかりやすい期間として採用されていることが多いのが「1カ月」という単位です。支払期日を翌月末とすることで、自社にとっても、取引先にとってもわかりやすくなります。
「支払う側」は資金繰りをしやすい
「代金を支払う側」は支払いサイトが長ければ長いほど資金繰りをしやすくなるという利点があります。しかし、支払いサイトが長いと、仮に代金を受け取る側が資金ショートをして倒産でもすれば、相手先にとっても事業に支障をきたすことになります。そこで、双方が資金ショートを起こさず、お互いが納得いくもっとも適当な支払いサイトとして、掛取引では「月末締め翌月末払い」が一般的となっています。
「月末締め翌月末払い」以外の支払いサイトは請求書に書ける?
請求書に記載する支払いサイトの日数は、自社と取引先との合意のもとで決定します。「あなた(代金を受け取る側)」は支払いサイトが短ければ短いほど早期に現金が入るため望ましいでしょう。
しかし、商取引においては「代金を受け取る側」の立場が比較的弱く、特にフリーランスや個人事業主の場合、その関係性が顕著にあらわれます。そのため、「代金を支払う側」である企業が「月末締め翌月末払い」よりも長い支払いサイトを指定するケースがあるかもしれません。
金融サービス「ファクタリング(Factoring)」は個人事業主の資金繰りにも有効
もし、そうした条件を立場上どうしても断れないのであれば、「ファクタリング」を活用するのが良いでしょう。ファクタリングでは「売掛金を最短即日で現金化」できるため、支払いサイトを待つ必要がありません。
資金不足に陥ると、銀行からの融資を検討するかもしれませんが、ファクタリングを利用すれば、銀行融資よりもスピーディーに資金を確保でき、信用情報にも影響がありません。
また「2社間ファクタリング」であれば、取引先にもファクタリングを利用していることを知られず、取引先に無用な疑念を抱かせずに済むでしょう。
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まとめ
ファクタリングサービスを利用すれば、「もしもの場合」に備えて、急な資金需要にも対応できます。今後はさらに、その有効性が認知されていくでしょう。それに伴い、フリーランスや個人事業主にとって、より利用しやすいサービスになると考えられます。
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