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新規団体も補助対象「ARTS for the future!」コロナ禍の文化芸術活動を支援

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ARTS for the future!(AFF)」は、文化庁による補助金事業で、「コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業」です。文化芸術活動を主催する「団体への支援によって、フリーランスや個人へ支援が届くことも意図されており、条件を満たせば、新規の団体・実行委員会も支援を受けることができます。

この記事では、支援の対象となる活動や分野、補助の内容(補助額)に加え、申請までの手順をご紹介していきましょう。

ARTS for the future!とは?

現在、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、イベントの中止や、活動の自粛・縮小を余儀なくされている団体や運営会社が数多くあります。そこで、音楽・美術・演劇・映画といった文化芸術活動の主催者や団体を、金銭面で支援する補正予算事業として生まれたのが「ARTS for the future!」です。

主な対象は団体」であり、個人としての申請はできませんが、「ウィズコロナ時代における新しい文化芸術活動のイノベーション」および「活動の持続可能性の強化」という目的のもと、フリーランスなどの個人にも、間接的に支援が届くよう意図されています。

また、中核となるメンバーが上演や制作などの実績を持っているなど、一定の条件を満たせば、新規の団体や実行委員会として支援を受けることも可能です。

※参照:「ARTS for the future!」事務局

補助の対象は法人もしくは任意団体

補助の対象となるのは、「国内の文化芸術団体」「国内の文化施設の設置者又は運営者に該当する法人もしくは任意団体です。それぞれ、以下に該当している必要があります。

国内の文化芸術団体
  1. 団体としての公演等の主催の実績がある法人格を有する文化芸術団体
  2. 公演等の主催の実績を有する者が中核となり設立した法人格を有する文化芸術団体
  3. 法人ではないが、以下の1~3のいずれかの団体で、※の要件を充たしている団体
    1. 公演等活動の主催の実績を有する任意団体
    2. 公演等活動の主催の実績を有する団体等が中核団体となる実行委員会
    3. 公演等活動の主催の実績を有する団体等が中核団体となる実行委員会
    4. ※定款に類する規約等を有し、以下について明記されていること
      • 団体の意思を決定し、執行する組織が確立されていること
      • 団体の意思を決定し、執行する組織が確立されていること
      • 団体活動の本拠としての事務所を有すること
国内の文化施設の設置者又は運営者
  1. 主催事業を実施している国内の文化施設の設置者又は運営者
  2. (文化施設の設置者又は運営者である地方公共団体、独立行政法人を含む)

国内の文化芸術団体の条件を満たす具体例は、演劇ダンスライブなどの公演活動の実績がある法人公演実績のある任意団体などです。

ただし、団体として活動実績がなくても、個人として公演活動などの実績があれば、任意団体を作り団体の中核メンバーとなることで、国内の文化芸術団体とみなされ、補助対象になることができます。

例えばミュージカルの公演や、映画の上映などの実績がある演出家監督プロデューサーなどが中心となり、新規の任意団体や実行委員会を立ち上げれば、支援を申請することができると考えられます。いずれの場合も、国内の文化芸術団体とみなされるためには、公演などの「活動実績を有していること」がポイントです。

なお、国内の文化施設の設置者における「施設」の具体例としては、国内にある劇場ライブハウス映画館美術館などが挙げられます。

※参照:ARTS for the future!「募集要項」

補助対象の分野は大きく3つ

補助対象となるのは、「文化芸術基本法第8条~第12条」に定められている文化芸術分野に基づいた「公演等」「展覧会等」「映画製作」となっています。

公演等
音楽 ポップス/ロック、演歌、クラシック、ジャズ等
演劇 演劇、ミュージカル等
舞踊 バレエ、現代舞踊等
伝統芸能 能楽、文楽、歌舞伎、雅楽、組踊、邦楽、日本舞踊等
大衆芸能 落語、漫才、講談、漫談、浪曲等
生活文化 茶道、華道等
国民娯楽 囲碁、将棋等
展覧会等
美術 絵画、彫刻等
※展示即売会を含む
映画上映 映画祭等
マンガ マンガ等
映画製作
映画製作 劇映画、記録映画、アニメーション映画
※映倫番号の取得と有料一般公開が条件

対象となる活動は充実支援事業・キャンセル料支援事業

補助対象となる活動は、「充実支援事業」「キャンセル料支援事業」のうちいずれか、またはその両方です。

充実支援事業
  1. 不特定多数の人を対象とした公演や展覧会等で、チケット収入を前提とした積極的な活動。新しい文化芸術活動のイノベーション(新たな取り組み)を図り、文化芸術活動の持続可能性を強化する取り組み。
キャンセル料支援事業
  1. キャンセル料支援事業対象地域()で実施を予定していた公演活動等及び動画作成費用等(キャンセルになった場合に、開催しなくても発生してしまった経費など)。
    1. ※2021年1月8日以降に緊急事態措置区域、経過措置及び2021年4月1日以降まん延防止等重点措置区域とされた都道府県

上記の活動においては、以下の要件を満たしている必要があります。

  1. 申請者が主催者として関与する活動であること
  2. 出演する個人や団体に報酬を支払う活動であること
  3. 不特定多数の人を集めて開催するものであること
  4. 国内の公演・展覧会等の活動であること(
  5. 公演等実施時点における新型コロナウイルス感染症に関する政府、都道府県等の方針・要請等及び業種ごとの感染拡大予防ガイドライン等に反しないこと
    1. ※開催が国内であっても、海外の実演家等を招待するだけの公演は対象となりません。国内団体が主体的に関与している公演は対象になります。

簡単にまとめると、不特定多数のお客さんにチケットなどを買って楽しんでもらうものであり、働くスタッフに報酬を出しコロナ対策をしっかり行っている国内の文化芸術活動であれば、支援してもらえると考えるとわかりやすいでしょう。

補助額の上限は2,500万円

補助額の基本ルールを確認しておきましょう。

  • 上限2,500万円で、公演等の従事人数や団体の規模に応じて、ステージ区分される
  • 1団体(1法人)につき申請・交付決定は1回のみ(複数の公演・展覧会・映画製作はまとめて申請が可能)
  • 複数の文化施設の運営や公演等を行っている法人の場合でも、1法人ごとに申請する(ただし、設置者が異なる地方公共団体の施設管理を行っている場合は、地方公共団体別の申請が可能)
  • 「充実支援事業」と「キャンセル料支援事業」の両方を申請したい場合は、1回の申請でまとめて記載する
  • 補助金は、補助対象となる経費全額か補助上限額、どちらか小さい金額の補助となる

各分野におけるステージ設定は以下の通りです。

・公演等

演劇やミュージカル、ライブなどの公演では、従事人数規模(計画)をベースに補助金額が決まりますが、従事人員規模を適正に把握できない場合は、過去実績をベースとした「補正基準①」もしくは「」が適用されます。

区分 補助額の上限 1回当たりの従事人員規模
(計画)
補正基準
(過去実績)
①団体の年間収入規模 ②主催した公演等の会場の年間延べ総座席数
I 600万円 50人未満
II 1,000万円 50人以上 3億円以上 3万席以上
III 1,500万円 80人以上 5億円以上 5万席以上
IV 2,000万円 120人以上 7.5億円以上 7.5万席以上
V 2,500万円 170人以上 10億円以上 10万席以上

・展覧会等

美術品等を見せる「展覧会等」も、従事人員規模をベースに補助金額の区分が決定されますが、従事人員規模が適正に把握できない場合は、①もしくは②の補正基準が適用されます。

区分 補助額の上限 1会期当たりの従事人員規模
(計画)
補正基準
(過去実績)
①団体の年間収入規模 ②主催した展覧会等の年間総入場者数
I 600万円 50人未満
II 1,000万円 50人以上 3億円以上 20万人以上
III 1,500万円 80人以上 5億円以上 35万人以上
IV 2,000万円 120人以上 7.5億円以上 50万人以上
V 2,500万円 170人以上 10億円以上 65万人以上

・映画製作

映画製作の場合は、製作費を基準に区分が決定されます。

区分 補助額の上限 映画製作費
I 600万円
II 1,000万円 6,000万円以上
III 1,500万円 1億円以上
IV 2,000万円 1.5億円以上
V 2,500万円 2億円以上

いずれの場合も、かかった経費等関係資料の提出が求められる場合があります。また、どの分野においても、団体としての主催実績がなく個人としての主催実績に基づいて申請する任意団体は、「区分Iが適用されるため注意が必要です。

実施期間は2021年末まで

2次募集 3次募集
募集期間(予定) 2021年6月下旬~7月下旬 2021年8月下旬~9月下旬
交付決定(予定) 2021年7月中旬~8月下旬 2021年9月中旬~10月下旬

※3次募集は予算の執行状況により実施しない可能性あり

補助対象期間は、交付決定から2021年(令和3年)12月31日までとなっていますが、緊急事態宣言下における文化芸術関係団体等の活動を支援する目的として、補助金事業開始日2021年1月8日)までさかのぼって支援を申請することも可能です。

原則として、補助金事業開始日(2021年1月8日)前に発注された経費は、補助対象にはなりません。また、補助金事業完了日(2021年12月31日)以降の日付となっている請求書も対象外となるため注意が必要です。

ただし、やむ得ない事情により、補助金事業開始日前に発注した会場費や権利使用料が、補助対象経費として認められる場合もあります。いずれの場合も、事業者自身が出資し、事業者名義の証拠書類が確認できる経費のみが対象です。

申請方法はオンラインのみ

補助金事業への申請は、「ARTS for the future!」公式Webサイトからのオンライン申請のみとなっています。申請の流れは以下の通りです。

STEP.1
事前準備(必要書類など)
まず、法人や任意団体それぞれに必要な書類や、申請したい活動に応じた書類を準備します。必要なものは以下の通りです。

  • 法人:履歴事項全部証明書(法人登記簿謄本)、過去4年間で最も収入規模が大きかった年度の決算書
  • 任意団体:定款等に類する規約、過去4年間で最も収入規模が大きかった年度の決算書、代表者本人確認書類
  • 事前申請情報の登録に必要なもの:金融機関の口座情報(通帳のコピーなど)
  • 該当する場合必要になることもある資料:必要な場合は実績ID、実績証明書(ポスターやチケットなど)、補足資料やWebサイト、従事人員申請書、補正基準実績証明書、収支計画書
STEP.2
アカウント登録
申請システムにアクセスし、「団体登録を行う」から、メールアドレス、パスワードを入力し、プライバシーポリシーに同意したうえで、登録ボタンをクリック。本人確認メールを通して本登録を済ませ、ログインします。
STEP.3
団体情報の登録
初回ログイン後は、申請したい団体の情報を入力していきます。法人か任意団体かを選択し、法人名や団体名、代表者名などを正式名称で入力しましょう。履歴事項全部証明書(法人登記簿謄本)決算書実績証明書などは、添付ファイルという形で登録していきます。

履歴事項全部証明書は、内容が読み取れることや、全ページがそろっていること、発行日から3カ月以内のものであることなど、条件を満たす必要があるので注意が必要です。また、任意団体として登録する場合でも、実行委員会の中核団体が法人である場合には、その法人の法人登記簿謄本を提出する必要があります。

新設の団体の場合は、決算書の代わりに、団体の収支計画書を添付し、新設の実行委員会の場合は、中核団体の決算書を提出してください。その他条件によって、求められる必要書類が異なるため、申請したい法人・団体として提出が必要な書類のチェックを入念に行いましょう。

STEP.4
事業申請
登録後はそれぞれのフローに従って、補助上限区分を算出し収支計画書の作成をしていきましょう。用意されているフォーマットを利用して、Excelに情報を入力し、完成したファイルを添付するという方法です。必要であれば、補正基準実績報告書もここで制作します。

そのほか、取組の登録やキャンセルになった取組などを入力、最後に補助金が入金される金融機関の情報を登録し、申請します。申請が受理されたことは担当者宛てにメールが届き、申請から1カ月をめどに、「交付決定」もしくは「不採択」が通知されるという流れです。

※参照:ARTS for the future!「申請の手引き」

まとめ

ARTS for the future!では、文化芸術を守るほか、発展を支援することを目的としています。コロナ禍での感染対策をしっかりと行いつつ、芸術面での活動を望む個人やフリーランスも、団体に参加して申請するなどの手段があるので、ぜひ活用を検討してみてください。

※これらの情報は2021年5月25日時点でのものです。今後の社会情勢によって変更される可能性がありますので、申請手続きをする方や検討中の方は、必要に応じて該当機関のWebサイトや問い合わせ窓口で最新の情報をご確認ください。

執筆者profile
川上雅哉
多数のWebメディアを中心に執筆中のフリーランスライター。情報とともに心を届ける文章をモットーに、恋愛コラムや美容コラム、ライフスタイルから不動産に至るまで多岐のジャンルに渡って執筆中。趣味は音楽、料理、お菓子作りなど。
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