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成長できる場所を探して、キラキラした目で生きていたい。モモコグミカンパニー『死にぎわ(仮)』インタビュー

成長できる場所を探して、キラキラした目で生きていたい。モモコグミカンパニー『死にぎわ(仮)』インタビュー

見て見ぬふりをしていたものを表現したい

モモコグミカンパニー

「いついなくなってもいい」という言葉は少しギョッとしますけど、要するに一瞬一瞬を後悔しないように生きていることの裏返しですよね。

そうですね。だから楽しいときはすごく楽しいし、傷つくときは思いっきり傷つくし。生きるのが結構大変ではあるんですけど、そんな自分を活かしたいから作家みたいな仕事をしているのかもしれないです。

だから利益とか損得とか、全部関係ないんですよ。詩集にしても売上の見込みがあるから、出版できたらカッコいいから出したわけじゃなく、まず言葉があって、それが詩集という形になっただけ。

今回も、まず気持ちがあって、これは写真集でしか表現できないから写真集にしようという順番なんです。でも、それが一番正解だと思うんですよ。例えばテレビ番組にしても、高視聴率を目指して作られた下心の滲むものではなく、本心から楽しいことを追求した番組が私は好きだし、自分の作品も100パーセントそういうものでありたい。本当に、心の一滴のようなものを出したいんです。

では、その過程で『死にぎわ』というタイトルも、変わっていくかもしれない?

はい。やっぱり言葉が強すぎる感じもするのと、制作する前に付けた名前なので、全部出来上がったときに「これ、タイトル『死にぎわ』じゃないよね」ってなるかもしれないです。

ただ、このタイトルから「怖い写真集なんじゃないか」と想像している人がいるとしたら誤解で、私は闇の中の光はすごく輝いているし、光の中の闇の方が暗いと思っている人間なんですよ。ライトでバッと照らされて何も見えないときの闇なんて、誰にも気づかれないからこそ本当に暗い。

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例えば、みんなで「楽しいね!」って遊んでるときに、顔は笑ってるけど心はめっちゃ落ち込んでる人みたいな感じ? そういう部分に私は光を当てたいというか、その闇を探したいんです。そこにあるのに私自身も見て見ぬふりをしていた、邪魔なものだと思っていたようなものを写真集で表現したい。つまり、光の中の闇の写真集を作りたいんですね。すごく抽象的な話ですけど。

そういったことを自分でもnoteに書きながら、本当に探り探りでやっている感じですね。今回はメイクさんもスタイリストさんもいないし、毎回カメラマンさんと撮る前に待ち合わせして、1時間くらいお茶をするんですよ。そこで何を着て、どんな自分を表現したいかを熱弁するんですね。そんな話し合いって、今まで写真を撮るときにしたことないんです。自分は撮影場所に行くだけだったから。

明日いなくなるかもしれないからこそ、今日を生きられる

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noteで発信して、自分の思いを改めて確認しながら制作を進めるというのは、納得のいく写真集を作るために必要なことだったのかもしれませんね。

ホントに。撮影初日にカメラマンさんに「やれば?」って言われて、その日にアカウントだけ作ったんですよ。そしたら「またモモコが変なことしてる」って結構フォローしてくれて、面白がってもらえたんですよね。

私自身、自分で自分を裏切りたくて、自分でも予想のつかないことをやりたいんです。例えば、短編小説を出すとか想像できるようなことではなく、さらに斜め上に行ったところで活動したい。ノンクレジットで詩集を出すとか、写真集の自主制作っていうのは、それにもピッタリなんです。

だから、自分でも完成がすごく楽しみで! 自分でも買いたくなるものを作れているのはすごく嬉しいし、こんなに“死”について考えることって生きてる間にしかできないですからね。なんだか暗いヤツに見えるかもしれないですけど、明日いなくなっちゃうかもしれないからこそ、今日、生きられるんだって、私は昔から考えてるんです。ただ、なんとなくは生きたくない。こうして創作のエネルギーが湧いてくるのも、そんなふうに生きているからなのかなって思いますね。

悩んだり、辛くて苦しむのも、生きているからこそですもんね。

そうですね。自分も夕暮れ時に歩いていて、自分なんて誰からも求められてない、もう終わりだなって感じたときに「自分、今、めっちゃ生きてるじゃん!」って気づいたんです。じゃあ今の自分を、もう無くなってもいい自分を撮りたいって、こういう自分もいるって見てほしいって思ったんですよね。ただ、写真集の制作を通してカメラマンさんやグラフィックデザイナーさんとも出会えたので、結局今は1人じゃないんですけど。

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今回の撮影を担当してくださっている藤代冥砂さんにとってもこういうコンセプトは初めてだろうし、グラフィックデザイナーさんも「タレントの写真集みたいなのものには、あまり関わったことがない」とおっしゃっていたのに、一緒に考えてくださるんですよ。

だから自費出版でも孤独ではないし、自分の依頼を受けてくださったことにも、すごく感謝の気持ちが湧いてますね。作品に携わってくれる方に対して、こんなに感謝したことってなかったかもしれない。心のどこかで「当たり前」と思っていたのが私のひ弱なところで、それがわかっただけでも本当に良かったです。

「自分で自分を裏切れること」を探していく

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ちなみに、今後の撮影はどんな感じになりそうですか?

次の撮影では、遠征しようって考えてます。それも藤代さんが「良いところがある」って提案してくださったので、自然の中で撮ろうかなって。藤代さんとは集合する場所と時間だけを決めて、どんな写真を撮るか毎回その場で話しながら進めていくから、次の撮影も楽しみです。

藤代さん、すごく面白い方で、褒めてくださるポイントが普通と違うんですよ。「揺らいでるところが魅力だよね」とか、そんなことを言う人って今までいなかったのに。むしろ、揺らいでるのがダメかなと思っていたんです。

先ほど「今は一番自由」とおっしゃってましたが、きっと“自由”って、イコール“揺らいでる”ってことだと個人的には感じるんですよね。

ああ。それこそ“タレント”という肩書が自分を決め込んで苦しめてるんじゃないかってことは、よく考えますね。事務所に入っていてマネージャーがいるのが当たり前だと信じていたけれど、そんなことはないし、枠を取っ払うからこそ自由になれるし。私、男女のジェンダーに関しても独特の思想を持っているので、そういうことも含めて表現できたり、書けたらいいなとは思ってますね。

その“独特の思想”って、具体的にはどういった感じなんでしょう?

女性は身体的に男性に負けるから、女性蔑視というかミソジニーな考えを、以前は自分自身に対しても向けていたんです。それで、グループ時代に「小さいのに頑張ってて好きになりました」とか言われ続けたことへの違和感をnoteに書いたりもして。

もちろん「可愛い」と言われて嬉しかったりもするし、そういう自分でいようと努力もしてきたんですけど、そこに悔しさもある。だから、この写真集は、本当に、誰にも媚びていない自分を表現していくという。

私は別にフェミニストでもないし、誰かを敵に回すつもりも全く無いんですけど、そういった心の内もあるよってことは書いて残しておくべきだと思っているので、noteも込みで写真集を見てほしいです。今後も残したいことが出てくれば書いていきますし、最初に言ったようにZINEの制作手法も伝えたいので。

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では、写真集の完成はいつ頃に?

今年中に、とは思っています。来年になると、みんなも忘れてしまうだろうし、早く自分も見たいので(笑)。私、この写真集について話していると、自分の目が生き生きしてくるのを実感するんですけど、その生き生きしたものを『死にぎわ』というタイトルで提供できるんじゃないかな。

写真集を出したあとも、それに付随するものをやっていきたいですし、自分で自分を裏切れることを日頃から探していきたい。生きていく中で思いついたこと、考えること、悔しかったことを、そのまま躊躇なく表現できるようになりたいです。

見てる人は見てくれているという信頼感はグループ時代からずっとあるし、売れても売れなくても関係ないんですよ。そういうポリシーは自分の中にもありますね。

そういえば、7月には舞台に出演されるそうですね。

それも自分自身への裏切りですね。藍染カレンさんとのW主演で〈女王ステ不滅部隊編『Rose』〉(7月2日 ~ 12日・六行会ホール)に出演します。私、舞台に関しては初心者なので相当苦労するだろうし、バカにされるかもしれない。でも、そういう場に自分で足を踏みいれることって、大人だからこそ大切だと思っているんですね。

私、すぐにスカしちゃうんですよ。大人になると大抵のことは経験していて、それがスカしてる自分につながると思うから、そういう素人でいられる場所がすごく大切で。プライベートの自分はどうであれ、モモコグミカンパニーとしてはスカしてる自分でいたくないんです。私を面白がってお金を払ってくれる人がいる以上は、自分100%でぶち当たっていける場所がいい。

今回の〈女王ステ〉も、見応えのある舞台なので、主演という立場をいただいているからこそ絶対に頑張るつもりですし、どんな自分が表現できて、どんな気持ちになるのか、自分でもすごく楽しみですね。

では、今の目標はスカさず、何にでも体当たりでぶつかって、生きている自分を見せることなんでしょうか?

そうですね。カッコ悪い自分でも成長の見込みはあるだろうし、成長できる場所を探して、いつでもキラキラした目で生きていたいですね。

最近よく、自分の考えたことを外に出したいだとか、自分視点ばかりでなく、もっと世の中を俯瞰して見なきゃなとかも考えるんです。だからこそ、舞台の現場もフレッシュな視点で挑めるだろうし、そこから、また何かを書くこともできるんじゃないかなと思ってますね。

モモコグミカンパニー

撮影/中野賢太@_kentanakano