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成長できる場所を探して、キラキラした目で生きていたい。モモコグミカンパニー『死にぎわ(仮)』インタビュー

成長できる場所を探して、キラキラした目で生きていたい。モモコグミカンパニー『死にぎわ(仮)』インタビュー

2023年に東京ドームで解散した人気グループ・BiSHのメンバーとして作詞も多数担当し、グループ在籍中には小説家デビューも果たしたモモコグミカンパニーさん。昨年には事務所から独立し、現在は写真集『死にぎわ(仮)』の自費出版に向け、その制作過程をnoteで連載中です。

詩集『氷の溶ける音』を匿名で自費出版し、そこから派生した展示会を行うなど、文字での自己表現を主としてきた彼女が写真集の制作を決めた理由とは? 「生きているということは、つまり常に死に際に立たされているということ」と語り、“死”に向き合うことで“生”を確かめるモモコさんの姿勢は、あらためて全力で生きる素晴らしさを教えてくれました。

profile
モモコグミカンパニー
2015年にBiSHのメンバーとしてデビューし、2016年1月にメジャーデビュー。2023年6月29日、東京ドーム公演〈Bye-Bye Show for Never〉をもって解散。
グループ在籍中の2022年に小説家としてデビュー。音楽活動や、作家としての執筆活動など多岐にわたって活動中。
https://www.instagram.com/comp.anythinq_/
https://x.com/GUMi_BiSH
https://www.gumicompany.com/

全部自分のせい=シンプルで生きやすい

モモコグミカンパニー

制作中の写真集『死にぎわ』ですが、今のところ、どのくらいの進捗なんでしょうか?(取材は5月上旬)

グラフィックデザイナーさんにお声がけしたところです。6月中には素材を撮って、選んで、今後は出版に向けて動いていく予定ですね。

その過程はnoteでもリアルタイムで発表していくつもりで、今回の連載は自分の思いを伝えるためでもあり、同時に「ZINEを作ってみたいのに作り方がわからない」という人の励みになるものにしたいという目的もあるんですよ。なので、そういった部分も書いていくつもりです。

去年、事務所から独立して、今は本当に自由にやっていきたいから、自分が本当にやりたいと思ったことは躊躇したくないんです。だから詩集を自費出版して、展示会も個人で主催して。その次にやりたかったのが、この写真集なんですよね。

独立に関して「独立しなくても自分の生きやすさは自分で決められた」と他のインタビューでおっしゃっていましたよね。にもかかわらず、独立を決めた理由は何だったんでしょう?

たとえ事務所にいても、自由にやれたとは思うんですよ。ただ、やらない方がいいと私自身が決め込んでいた。あとは、私、他人のせいにすることが多かったんです。「こういうことがやりたいのに、なんでできないんだ!」っていう不満を、人のせいにしていた節があった。だけど、独立してからは全部自分に返ってくるから、できなかったとしても全部自分のせいじゃないですか。それがシンプルで、生きやすくなったんですね。

それに、人にも「独立は向いてる」って言われるんです。私、やりたいことはポンポン思い浮かぶくせに、最後までやり遂げることが苦手なタイプで、小説とかもアイディアは出てくるけど、書いてる途中でやめちゃうことも多かったんですね。だから、独立してからは“やり遂げる”ということを一番の目標にしてます。おかげで、無理やりにでも、やり遂げる力はついたかなと。

誰のためでもない自分を見てほしい

モモコグミカンパニー

なるほど。では、今回の写真集『死にぎわ』は、どんなところからアイディアが生まれたんでしょう?

夕暮れ時に外を歩いていて、ふと「生きている今、この瞬間って生き際だけれど、死に際でもあるな」って思ったんです。生と死に関しては普段から考えることが多くて、私は光り輝くものほど儚く感じたり、楽しいときほど悲しかったりするんですね。この街並みを今、目にできているのも自分が生きているからだけれど、次の瞬間にはいなくなっているかもしれない。そんな今の自分を、文章ではなく写真で表現したいなって思ったんです。

最初は全部出来上がってからバン!と出すつもりだったのが、最初の撮影のときにカメラマンさんから「noteで発信すれば?」と勧められて。確かにnoteで発信した方が過程もリアルタイムで載せられるし、やり遂げられるんじゃないかなと。やっぱり見てる人がいるのは大事じゃないですか。

人の目を“やり遂げる”モチベーションにしていくということですね。

それに、写真集って人によって感じ方が大きく違うから、どういう思いで私が出版したのかを、後から読める解説本としても成り立つだろうし。グループで活動していても、その後、事務所に入っても、私って「自分はこういう人間なんだ」と枠に押し込めるところが、すごくあったんですね。

表に立つ仕事をしていると、人から見られた自分、イメージなど様々な「私」が出来上がってきます。なので、そういったものを一度、1つひとつ取っ払って、生身の自分に向き合ってみたかったんです。でも、それって言葉でいくら説明しても伝わらないだろうから、じゃあ、写真で表現したいなって。

詩集『氷の溶ける音』を自費出版にした一番の理由も、モモコグミカンパニーという名前を使いたくなかったからなんですよ。本って巡り巡るものだから、今はモモコを知っている人が持っていたとしても、いつか誰かの本棚で“読み人知らず”のニュートラルな状態で手に取られたいなって。ただ、それって出版社さんで出すには致命的だから、それなら自分で作るしかないってことになったんです。だから、それの写真バージョンって考えたら近いかもしれない。

カメラを向けられるときって、いつも求められる表情を意識していたから、今回は自分で語れるような写真集を作りたい。誰のためでもない自分を、面白がって見てほしいんです。

危ういけれど、自由でもある

モモコグミカンパニー

これまで撮られるときは“マスト(MUST)”が基準にあったけれど、今回は“ビー(BE)”でありたいのかもしれませんね。

そうだと思います。そもそもアイドルの方ってよく写真集を出しますけど、例えば、今まで脱いでこなかった人が急に脱いだとして、それが消費者のためなのか自分がやりたくてやったのか、ほとんど語られないじゃないですか。

大抵は前者でしょうし、特にグループに所属していると守るべきものがあるぶん、そうなってしまうのも理解できるんです。だけど、今の私は一番危ういけれど一番自由でもあるから、ちゃんと“自分でやりたくてやってます”ということを語りたかった。そんな今の自分だからこそ、自由に撮りたいものを撮って、表現したいものを表現して、残したいんですよね。

なるほど。いい意味で、守るものがない。

本当に、今は怖いもの知らずですね。自分がやりたければやれてしまうからこその危うさだったり責任感もありますけど、去年、自費出版からの展示会を開催できたのが大きかったかな。いろんな人が手伝ってくれたし、そんなにクレームも起きずにやれたので、今回もできるだろうと。

私自身、自分が本当はどんな顔で生きているのか、どんな表情をしているのか、すごく気になってるんですよ。前回の詩集では、その対象が心だったけれど、今回は外見で、特に表情かな。それを誰も介在しない形で撮れるのは、売れても売れなくても自分のせいで、誰を傷つけることもない自主制作だけなんですよね。別に売れるものを作りたいわけじゃなく、納得できるものを作りたいので。

そういう意味で自宅とか自宅付近で撮った2回目の撮影が、一番この写真集を表してるんじゃないかな。そのときは、すごく危うい写真を撮ろうと、車の下に入り込んだりもしたんですよ。雨の中、全身白い服を着て裸足で道路に横たわったりとか(笑)。

普段、道を歩いていても、そういった危うい自分をよく想像するんですね。生きる意味とかを考えちゃうタイプなので、実は「いついなくなってもいいな」っていう気持ちも大きかったりする。それって別にネガティブなわけではなく、その日、その瞬間が大切なんだという生き方が普段から根付いてるからなんですよ。

この写真集も、もともとは「自分の死に顔を見てみたい」っていう願望が始まりでしたから。死んだあとの自分の顔は絶対に見れないから、そういった顔を撮りたいなぁって。