2023年7月26日、フリーランス・個人事業主にフォーカスを当てた確定申告効率化アプリ『Taxnap(タックスナップ)』が株式会社TxTo(テキスト)からリリースされました。
Taxnapは会計知識がまったくない状態でも、スワイプするだけで記帳が進められるシンプルさが魅力となっています。今回はTaxnapの生みの親、TxToのCEOである田中雄太さんにその特徴や開発経緯をうかがいました。

早稲田大学商学部卒業後、2018年に株式会社じげんに新卒入社し、不動産事業部において広告の法人営業を担当。2020年に株式会社サムライインキュベートへ転職。主にイスラエルのスタートアップに対して投資及び事業支援と、日本市場参入支援のアドバイザリー事業の立上げを推進。退職後、フリーランスを経て、2022年11月に(株)TxToを創業。

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「確定申告がイヤだから会社員」そんな課題を解決したい
2023年7月26日にリリースされたTaxnapですが、まずは、どんな経緯で開発されたのか教えていただけますか?
私自身もフリーランスとして働いていた時期があり、4回ほど確定申告を経験しました。そのときに、面倒だと感じたり、わからないことがあって困ったりしたのを覚えています。本来はフリーランス・個人事業主の確定申告って、特別なケースでない限りはシンプルで、頭を抱えるものではないと思うんですよね。きっと同じことを感じているフリーランス・個人事業主は大勢いると思ったので、その悩みを解決できるものが作れないかと、2022年10月頃から企画を練り始めました。

具体的に、どんなことから着手したのでしょう。
最初に行ったのは、さまざまな職業のフリーランス・個人事業主へのヒアリングです。確定申告にまつわるリアルな悩みを聞きました。
一番印象に残ったのは、「フリーランスになったけど、確定申告がいや過ぎて正社員に戻った」という言葉でした。その方は働く時間や場所を選べるフリーランスという働き方を望んでいるのに、確定申告によって人生の選択肢がせばまってしまっているわけです。その方以外でも、ほとんどの方が確定申告にストレスを抱えてしまっているという結果でした。
こういった確定申告のストレスをわれわれが解決してフリーランス・個人事業主の精神的負担を軽減することで、より良い社会づくりに貢献できればと思い、Taxnapの開発をスタートさせました。
フリーランス特化だから、余計な機能はなくしてシンプルに
世の中には他にも確定申告をサポートするソフトがありますが、他社製品との違いはどんなところですか?
一番の違いは、Taxnapはフリーランス・個人事業主に特化しているという点です。個人事業主と法人どちらも利用できる会計ソフトは多いと思いますが、法人の利用者の方が多いせいか、どうしてもプロダクトの仕様が法人側に寄ってしまうと思うんです。結果として、個人事業主は使わない機能がたくさんあったり、専門用語が並んだりと、使いにくくなってしまうわけです。

確かに、フリーランス専用の会計ソフトというのはあまり聞かないかもしれません。
Taxnapはフリーランス・個人事業主にフォーカスしていますから、フリーランス・個人事業主に必要な機能に絞っていますし、デザインも作業内容もシンプルになっています。会計知識がなくても利用可能で、スマートフォンをスワイプしていくだけで記帳することができます。
スキマ時間にスマホをスワイプすれば記帳が可能
他にも、フリーランス・個人事業主にやさしい特徴はありますか?
スマホアプリで完結できるというのも強みです。せっかくの休日にパソコンを開いて会計ソフトを立ち上げて作業をする……というのも、確定申告をストレスに感じる要因の一つだと思います。Taxnapはクレジットカードや銀行口座と連携させれば、取引が自動で更新されます。あとはスキマ時間にスマホをスワイプしていくだけで、仕分け・記帳を進めることができます。ユーザーからも「スキマ時間で記帳できるようになり、わざわざ時間を確保する必要がなくなって助かった」という声をもらっています。
この時期のリリースとなると、期の途中から使うことになりますが、他社製品からのデータ移行は可能ですか?
はい。freee、マネーフォワード、弥生からのデータ移行が可能です。
操作の簡単さと信頼性を両立したアプリ

仕分け・記帳の際に勘定科目の選択は基本的に不要で、自動判定してくれるそうですね。会計知識がなくても迷わず記帳できるというのは、ありがたいです。
Taxnapのコンセプトは「誰でも簡単に」です。先ほども言った通り、会計の知識がなくても、スマートフォンをスワイプしていくだけで記帳を進めることができます。
サービス開発前に実施したヒアリングでも、「ちゃんと記帳したいとは思っているが、わからないからできていない」という実態が見えました。確かに、正確に記帳しようと思うと、簿記3級くらいの会計知識が必要になるのではないかと思います。私自身もフリーランス時代に同じ悩みを感じていましたから、そこはぜひクリアしたかったのです。
自動判定の精度の面は大丈夫なのでしょうか?
Taxnapは税理士による監修を受けています。人によって見解が違いますし、さまざまな意見や視点があるので、複数の税理士さんに監修をお願いしました。確定申告はミスをしてはいけないし、お金にまつわることですから、専門家にチェックしてもらうのは最低ラインだと考えました。勘定科目の判定は9割以上の精度を誇りますから、精度は十分だと自信を持っています。
自分で調べたり、悩んだりする時間が大きく減りそうですね。
はい、例えば自宅で仕事をしている場合に家賃などの一部を経費にできる「家事按分」がありますが、家賃の何割くらいを経費として考えればいいかわからないという方もいると思います。Taxnapでは週に何時間くらい自宅で仕事をしているかといった質問に答えるだけで、適切な割合を出してくれるんです。他社製品ですと、家事按分のページを開いて割合を計算して……というパターンが多いので、だいぶ簡単だと思います。
2023年中は無料キャンペーン、その後も初月無料で
利用料金についても教えてください。
現在は無料トライアルキャンペーン中で、2023年内は無料でお使いいただけます。キャンペーンが終わった後も初月無料となる予定なので、まずは試しに使ってみることができます。やはり使ってみないと分からないことも多いでしょうから、他社製品と併用でもいいので一度試していただきたいです。
その後は月に1,280円の月払いと、まとめてお支払いいただく分お得になる年払いの2コースを用意しています。年払いの場合は1ヶ月当たり980円なので、年間で3,600円安くなります。
※記載のキャンペーン内容や料金は2023年8月時点の情報です

どのような観点で価格を設定したのですか?
確定申告は毎年行うものですから、できるだけフリーランス・個人事業主に負担の少ないプランを提供したいと思って設定しました。一般的に税理士さんと契約すると月に1万円以上、年間20万円ほどがかかるといわれていますから、リーズナブルな料金かなと思います。
今後、サービスのアップデートなども予定しているのでしょうか。
経費かどうかの判定をサポートしてくれる機能(AI経費判定機能は既にリリース済み)や、家計簿と確定申告の記帳を同時に行うことでお金の出入りを正しく把握できるようになる機能などのアップデートを考えています。他にも、請求書機能など、より便利な機能を追加していく予定です。
自分らしく生きる世の中を作るために
最後にフリーランスとして働く人たちにメッセージをお願いします。
私は「自分らしく生きる、自分自身が楽しめる、自分が生きたいように生きる」という価値観を持っているので、それと同じ気持ちの方々を支援したいと思っています。今回はTaxnapを通じて確定申告の負担を軽減することで、フリーランス・個人事業主のみなさんが、もっとやりたい仕事に打ち込めるように支援できればと思っています。
今後の中期的なミッションとしては、フリーランス・個人事業主の与信問題の解決に取り組んだりしながら、フリーランス・個人事業主という働き方のさまざまな可能性を探っていきたいと思っています。
取材・文/田中大輔
