フリーランスのプロジェクト単位での働き方をサポートする『TEAMKIT』を運営する小谷草志さん。株式会社Lboseの代表であると同時に、自身もフリーランスとしての活動を続けています。フリーランスとして仕事をしていく中で感じた課題を解消するためにTEAMKITを立ち上げたという小谷さんに、TEAMKITのサービスの特徴やフリーランスという働き方への考えなどをお聞きしました。
TEAMKIT代表&フリーランス 大学卒業後、株式会社schooの立ち上げ期にインターンとして参画。イベントプランナーから放送ディレクターまで幅広く経験。その後、マーケティングリサーチ会社やサバイバルゲームフィールドを運営している株式会社ASOBIBAなどにて従事。約4年前にフリーランスとして独立。現在は、鳥取と東京の二拠点生活をしながら【誰と、どこで、何をするか】をもっと自由に!を掲げてフリーランスのプロジェクト単位での働き方をサポートするTEAMKITを運営中!
Twitter:@KotaniSoushi
自分のライフスタイルを設計するためにフリーランスへ
小谷さん自身は、なぜフリーランスになったんですか?
両親が個⼈事業主だったこともあり、⼦どものころから「⾃分のやりたいことを仕事にできるのは幸せなことだ」という教育を受けてきたのが⼤きいですね。独⽴するのか会社に勤めるのかは重要ではなくて、「やりたい仕事をすることが⼤切」という価値観を植えつけられていました。
最初は会社員をしていて、その当時の仕事も好きだったのですが、会社員で働いていると⾃分で設計できることが少ないと感じたんです。どうせなら、⾃分のライフスタイルを自分で設計してみたいなと思ってフリーランスになりました。

ライフスタイルを自分で設計するとは?
働く場所、働く相⼿、何をするか、どうやって稼ぐか、などを⾃分で考えて、自分の軸に沿って決めていけるということだと思っています。⼦どもや家族を⼤切にしたい⼈は、それに合った働き⽅を選択できますし、徹底的に稼ぎたい⼈は案件をたくさん取ればいい。すべて⾃分の裁量で、選択できるということです。
実際にフリーランスになって、いかがでしたか?
フリーランスになってすぐに、鳥取県から仕事をいただきました。その仕事は今でも続いていて、現在は鳥取と東京の2拠点生活をしています。そういう働き方ができるのはフリーランスならではだと感じていますし、自分の好きなことをしながらライフスタイルを設計できているのではないでしょうか。ただ、社会の枠組みという観点で見ると、課題はたくさんありますね。
具体的に、どのような課題を感じていますか?
たとえばフリーランスになると、クレジットカードを作るのが難しかったり、賃貸物件を借りることへのハードルが上がったり。仕事をする際にも、どうしても会社のほうが強い⽴場になりがちだと思います。作業ベースで使われてしまったり、単価の安い外注という扱いをされたりすることもあるでしょう。これは、社会全体が「会社中⼼の価値観」で作られているからだと思うのです。
この課題を解決するには社会全体の仕組みが変わる必要があります。そして、フリーランス⾃⾝も意識を変えていく必要があると思っています。

フリーランスも社会も、大きく変化していく
フリーランスが意識を変えるというのは、どのようなことでしょう?
現在はフリーランスという個⼈に⽐べて、法⼈格のほうが圧倒的に強い社会であることは間違いありません。私も株式会社を持っていますが、確かに株式会社というシステムは秀逸なんです。秀逸だからこそ、そちらが社会の価値観の中で優先されてきたと思います。
そんな社会の中でフリーランスが働くには、フリーランス⾃⾝が能動的に動くことも必要だと思っていて。フリーランス自身が自分たちの⾃⽴と社会的な場所づくりを⾃ら作っていく。⼀⼈だけで動いてもなかなか大変なので、繋がりの中で自分たちで生み出していくことが必要だと思います。
これから、フリーランスを取り巻く環境はどのように変わっていくと考えていますか?
フリーランスという概念自体がナンセンスになると同時に、株式会社や会社員といった概念も徐々に溶けていく感じですかね。今よりも個人にフォーカスされて、その先に会社が紐づくようなイメージですね。
たとえば、これからの時代は企業が1万人や2万人を雇うのが正しいとは思えません。それよりも、30人くらいの会社で、関わっているのは1万人、といった会社のあり方のほうがベストな選択になると考えています。そうすると、企業自体の価値やブランドよりも、その30人のパーソナリティや価値観にフォーカスされる社会になっていくのではないでしょうか?
最後に、フリーランスとして働いている方たちにメッセージをお願いします。
フリーランスは個人で働いているのでスキルにしても精神的にも自律していなくてはいけないという側面が確かにあります。ただ、それは協力することがいけないということではありません。⼀⼈だけで動き続けてやっていくのはなかなか大変なので、つながりの中でお互いに相談したり協力することが大事だと思っています。
僕自身も個人で働く人がより自由に、活躍しやすい社会を作っていけるように仕掛けていきたいと思います。
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