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【FPが解説】いくら必要?FIREの基礎を解説!(フリーランス・個人事業主向け)

FREENANCE FIRE

ここ数年、日本でも話題になっている生き方「FIRE(読み方:ファイア)」。FIREとは、若いうちに貯蓄を増やし、早めに退職して悠々自適に余生を過ごすライフスタイルです。会社員目線で語られることの多いFIREですが、フリーランスの場合はどうでしょう?

ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんに、フリーランスとFIREの関係について聞きました。

フリーランスもFIREに挑戦できる?

FIREと呼ばれる働き方・生き方に興味を持つ人が増えてきていますよね。

鈴木さん:そうですね。FIREはFinancial Independence, Early Retireの略で、「若いうちから貯蓄をして早期に仕事を辞めて自分のための時間を取る」というスタイルで、アメリカで生まれた考え方です。その人のプラン次第ではありますが、特に40〜50代での退職を目指すことが多いようですね。

FIREに関する書籍やネット記事を見ると会社員向けのものが多い印象を受けますが、フリーランスでもFIREは可能なものでしょうか?

鈴木さん:はい、考え方によっては、むしろ会社員よりもフリーランスの方がFIREを実現しやすい環境なんじゃないかと思っています。給料の上限が決まっている会社員に比べ、頑張れば頑張った分だけ稼げる可能性があるフリーランスは、必要な貯蓄を作るまでの時間を短くすることができるかもしれません。また、万が一FIREが上手くいかなかったときに、フリーランスはもともとお金を稼ぐための「手に職」を持っているので、臨機応変に対応しやすいというメリットもありますよね。

FIREするにはいくら貯める必要がある?カギを握るのは「投資」

では、FIREするために具体的にどれくらい貯蓄すればいいのでしょう?

鈴木さん:一般的に言われるのは、年間支出額の25倍です。年間300万円の支出なら7,500万円、200万円なら5,000万円といった感じです。また、それとは別に、手元資金として多少の現預金も持っておきたいですね。

退職後はその貯蓄を切り崩して生活するということですか?

鈴木さん:いいえ。それはよくある誤解です。FIREは「貯蓄の多くを運用に回して、年利4%の運用益を目指す」のが基本的な考え方です。この年利4%の運用益と年間支出をイコールにして、運用している資産を切り崩さずに運用益で生活するイメージです。

<例>
年間300万円の支出がある人が7,500万円の運用資産を年利4%で運用する
運用益は7,500万円×0.04=300万円=年間支出

このモデル通りにいけば元本(貯蓄)はそのまま残ることになるので、病気にかかったときや運用が上手くいかなかったときなど、いざというときの保険として使うことができます。

ちなみにフリーランス・個人事業主の中には「リタイア後の年金受給額が少ないから、会社員よりFIREは難しいのでは」と考える方もいるかもしれませんが、それも少し誤解です。そもそもFIREは、FIRE後の生活費は運用益で賄うので、年金受給額が大きく影響するわけではない、という考え方です。

退職後も投資で収入を得続ける必要があるわけですね。しかし年利4%で運用するというのはなかなかハードルが高いのではないかと……。

鈴木さん:そうですね、運用による不労収入を出し続けることがFIREには必要です。ちなみに4%という数字は、FIREの始まったアメリカでの経済成長率が7%で、インフレ率が3%だったことから、その差額を目指そうというのが根拠になっています。ですから、日本に比べて経済成長率の高いアメリカに投資するのが主流です。ただし投資にはリスクもあり、これがFIREの怖い部分でもあるので、しっかりと勉強することは必要になるでしょう。

数千万円の貯蓄というのもなかなか大変ですね。

鈴木さん:はい、FIREするにはスタート前の必要貯蓄額も大きいですから、それを貯めるためにも投資を活用するのが良いのではないでしょうか。ただ個人的には、FIREを目指すなら仕事や投資を頑張ることはもちろんですが、まずは貯蓄率を上げるために生活レベルを見直すことが大切なのかなと思います。つまりは「節約」ですね。

節約というと「食べたいものを我慢する」「洋服を買わないようする」という「我慢」を想像しがちですが、実はそれよりも固定支出を減らすことの方が大切です。光熱費を削減するために電気のつけっ放しや水の出しっ放しをやめるところから始まって、保険の見直しや携帯電話プランの見直しなどをしてみましょう。このくらいの節約なら、苦にはならないはずです。

フリーランスならサイドFIREが向いている?

ところで鈴木さんはファイナンシャルプランナーとして、フリーランスの人からFIREの相談を受けたことがありますか?

鈴木さん:実はありません。好きな仕事をしたいからこそフリーランスをやっているという人が多いからかもしれませんが、早くに仕事を辞めたいと考える人が少ないのではないでしょうか。フリーランスの人はむしろ、FIREよりもサイドFIREが向いていると思います。

サイドFIREとは?

鈴木さん:仕事を完全に辞めるのではなく「減らす」イメージです。好きな仕事を細々と続けながら、それまでよりも少ない労働収入と、貯蓄と運用による不労収入を合わせて生活するスタイルです。当然、必要貯蓄額も少なくて済みます。

折衷案といったところですね。貯蓄額が少なくて済むとなると、現実味が増しますね。

鈴木さん:例えば、年間支出が200万円で、そのうち100万円を仕事で稼ぐ場合、必要な貯蓄は100万円×25年間で2,500万円となります。このくらいなら何とかなりそう、という人も少なくないでしょう。サイドFIREでどのくらい仕事をするかはその人次第です。ただ、仕事量を減らすほど貯蓄が多く必要になるので、 どのくらい仕事をしたいか、またどのくらい貯蓄できそうか考えてバランスを決めるのが良いですね。

「人生の財産」になり得るFIRE。検討の価値あり?

FIREとサイドFIRE、いずれにしても資産運用が必要不可欠のようですね。

鈴木さん:はい、その通りです。少し話はずれますが、投資はFIREをやるやらないに関わらず若いうちに挑戦してほしいです。そもそも私たちの年金も、民間の保険などもすべて投資によって運用されています。極端に怖がるのではなく、資産を育てる気持ちで経済に参加して欲しいですね。

投資は難しいイメージを持っている人も多いと思いますが……。

鈴木さん:まずはやってみることです。「勉強しよう」から入ると時間もかかりますし、やる気も出にくいので、例えば5,000円くらいの「失敗してもいいや」と思える金額でとにかくスタートすることです。特にFIREに興味がある人は必要不可欠なスキルになるので、まずはチャレンジしてみましょう!

投資をすることも含めて、FIREはおすすめのライフスタイルですか?

鈴木さん:正直に言えば、大きな貯蓄が必要ですし、リスクがないわけではないので、むやみにFIREを目指すのは危険だと思います。

ただ、FIREを目指すことをきっかけに自分のキャリアプランを改めて考えたり、運用の知識を身に付けられたり、なにより家計を見直して無駄遣いを減らせたりするのは人生において大きな財産になります。「できるかどうか」も含めて検討してみるのは悪いことではないと思います。

特にフリーランスの人は、働き方を模索しながら確立している強みがありますし、いざというときにお金を稼ぐスキルも持っています。そういう意味ではチャレンジしやすい環境にあると思います。

執筆者profile
鈴木さや子株式会社ライフヴェーラ代表取締役 ファイナンシャルプランナー(CFP®)・1級FP技能士・DCプランナー1級・キャリアコンサルタント(国家資格) ・AllAbout「学費・教育費」ガイド。毎日を笑顔で過ごすために、生活に役立つお金の情報やキャリアの考え方を、セミナーや雑誌のコラム、ブログ、Facebookなどを通じて発信。保険や金融商品などを一切販売しないFPとして活動中。
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