フリーランス・個人事業主が知っておきたい!新型コロナウイルスによる収入減少への減免・猶予等の支援制度

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くのフリーランス・個人事業主・小規模事業主が売上減少=収入減少という厳しい現実に直面しています。そんな状況の中でフリーランスはどんな対策をとるべきか、ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんに聞きました。

支出を減らすために「減免」「猶予」の制度を活用する

フリーランスや個人事業主は、事業売上と生活費がイコールになっている方がほとんどではないでしょうか。つまり「事業収入と生活費が同じお財布」という状態ですから、事業収入が途絶えることがダイレクトに生活に響いてきます。この事態への対策としてできることは、当たり前のことですが「できるだけ当面の支出を減らす」ことです。

支出を減らすという部分は、なかなか厳しいところだと思います。新型コロナウイルスの感染拡大によってお子さんの学校が休校になるなどして、食費や光熱費などの支出が今まで以上に増えている家庭も少なくありません。ですから、支出を減らすためにも行政による「減免」「猶予」といった制度に着目してみましょう。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国や行政がフリーランス・個人事業主・中小企業向けの支援策をいくつか打ち出しています。ひと口に支援策といっても「給付」「融資」「減免」「猶予」などいくつかの種類があります。

給付…公の機関などから、給付金などをもらうことができる。
融資…金融機関などから、お金を借りることができる。
減免…支払うべき料金や税金などの負担が軽くなる、もしくは免除される。
猶予…料金や税金などの支払い時期を先送りしてもらうことができる。

給付・融資については以前の記事で解説していますが、今回は支出を減らすための対策ということで、減免と猶予にフォーカスしてみましょう。

フリーランス・個人事業主が知っておきたい、新型コロナウイルスによる収入減少への給付・融資等の支援制度

フリーランスや個人事業主が使える可能性のある減免や猶予の支援策には、具体的に以下のようなものがあります。※各主催機関のリンクは施策詳細ページになっています。

支援策の名称種類主催機関
国税(消費税・所得税・法人税)の猶予制度猶予国税庁
固定資産税・都市計画税の減免減免経済産業省
国民年金保険料の免除・猶予免除・猶予厚生労働省
国民健康保険料の減免減免厚生労働省
水道光熱費の支払い猶予猶予各自治体
生命保険料の支払い、保険更新猶予猶予各保険会社
奨学金返還の減額・支払猶予減額・猶予日本学生支援機構

その中でも、特に知っておきたい支援策をいくつか解説します。

生活維持が難しい人は国税や国民年金保険料の納付の減免・猶予を検討

国税の猶予制度

消費税、所得税、法人税などの国税を納付することで、事業の継続や生活維持が困難になる可能性がある人などを対象とした猶予制度。税務署による所定の審査を通過すれば、原則として1年間の猶予が認められ、猶予期間中の延滞税も軽減されます。

主催機関:国税庁(詳細情報

国民年金保険料/国民健康保険料の減免

新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって国民年金保険料を納付することが困難な人などを対象に、本人からの申請があった場合、国民年金保険料が免除される可能性があります。詳細については自分の住む市区町村または近くの年金事務所などに問い合わせましょう。国民健康保険料の支払いについても政府から自治体に向けて減額または免除について通達を出しています。自治体のHPや広報をチェックしてください 。

主催機関:厚生労働省(詳細情報

どちらも対象になる世帯には条件がありますので、自分が対象内かどうかをまずは調べてみましょう。

子どものいる世帯が活用できるファミサポ利用料の減免

また、育児に関係した支援策として「ファミリーサポートセンター事業を利用した際の利用料の減免」という制度があります。 (自治体によって減免対象期間が異なります。ファミリーサポートセンター事業自体を休止しているところも多いためご注意ください。)

ファミリーサポートセンター事業を利用した際の利用料の減免

各自治体によって制度が異なりますが、学校の休校にともないファミリーサポートを利用した場合、1件あたり最高で6400円まで減免されます。1時間800円でファミリーサポートを利用できる自治体の場合、1回につき8時間までは実質無料で使用できることになります。

主催機関:各自治体(詳細情報

※こちらの記事は2020年4月16日時点の取材をもとに作成しています。掲載されている情報が変更されている可能性もありますので、申請手続きをする方や検討中の方はご自身で最新の情報をご確認ください。

支出を抑えるために「保険料以外」の固定費を見直すことも大切

こういった制度の活用に加えて、支出を抑えるために生活の中の固定費を見直すことも大切です。

固定費の見直しというと「保険料」を見直すことが多いのですが、今に限っては保険料以外の項目での節約をおすすめします。新型コロナウイルス感染によって入院ということになったら、入院費がかかる可能性もあります。すべての人に感染の可能性がある今、保険はむやみに解約しないことをおすすめします。

見直すべきは、通信費、とくにスマホ代です。
・家族全員で格安スマホにする
・外出自粛なのでスマホのデータ通信量の契約を最小限に減らす(自宅のWi-Fi接続をメインにする)
といった方法にすることで、家族の人数や現在の契約内容によっては月々1~2万円ぐらい節約できる可能性もあります。

お子さんの習い事をお休みしている方も多いと思いますが、長期化することも視野にいれて、果たして今後も続けるのかどうかを見直してみてもよいかもしれません。お子さんがその習い事を続けたいかどうかという意思が大切ですので、費用の高い習い事をカットするのではなく、お子さんとよく話し合って、やめるのか、一時的に休むのか、割安のオンライン受講などに切り替えるのかを検討するとよいのではないでしょうか。

長期化することも視野に入れ、ひとつの業態にこだわらないことが必要

節約や貯金を斬り崩すなどして当座のやりくりはできたとしても、「長期化する」ことを考えると、途方にくれてしまうという人もいるかもしれません。

私自身の経験から実感したのが、こういうときは「ひとつの業態にこだわらない」ことが必要ということです。たとえば一部の飲食店では、これまで実施していなかったテイクアウトを積極的に行っていますよね。

たとえば今のうちに、
・対面で実施しているサービスをオンラインで提供できる体制を整える
・ネイリストやマッサージ師など技術を売っている人は、スキル動画を配信して収益化できるようにする
・講師業をしていた人は、その知識を生かした執筆などを始める
など、柔軟な発想で収入を得られる道を作っていきましょう。

profile
鈴木さや子:株式会社ライフヴェーラ代表取締役 ファイナンシャルプランナー(CFP®)・1級FP技能士・DCプランナー1級・キャリアコンサルタント(国家資格) All About学費・教育費ガイド-毎日を笑顔で過ごすために、生活に役立つお金の情報やキャリアの考え方を、セミナーや雑誌のコラム、ブログ、Facebookなどを通じて発信。保険や金融商品などを一切販売しないFPとして活動中。

給付・融資についてはこちらの記事でまとめています。
フリーランス・個人事業主が知っておきたい、新型コロナウイルスによる収入減少への給付・融資等の支援制度