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個人事業主が知っておきたい著作権情報センター(CRIC)とは?著作権について無料の電話相談窓口も有り!

公益社団法人著作権情報センター

著作権について知りたいときや、心配事が生じたとき、「一人で仕事をしているフリーランス・個人事業主は誰に相談したらいいんだろう……」と困ってしまうこともあるのでは。

そんな方々にぜひ知っていていただきたいのが、 中野坂上の駅近くにある「公益社団法人 著作権情報センター(CRIC)」です。著作権に関するさまざまな活動を通じて文化の発展に寄与するために1959年に設立され、クリエイターにとって身近な存在として、著作権に困っている人をサポートしてくれています。

存在を知らなかった人も多いと思いますが、著作権に関する電話相談に無料で対応してくれたり、併設された資料室では司書が文献探しをサポートしてくれたりと、とても親切な機関なのです。

今回は著作権情報センターにお邪魔して、具体的な活動内容をお聞きしてきました。

1959年の設立以来、著作権に関するサポートを実践

まずは同センターの事務局長である北浦康司さんに著作権情報センターの概要をお聞きしました。

北浦さん「著作権情報センターは、著作権の正しい理解と、より良い著作権制度の実現を目指し、著作権制度の普及、著作権関連情報の収集・提供、研究会・研修講座の開催などの活動を行なっています」

公益社団法人著作権情報センター
https://www.cric.or.jp/

具体的には、以下のような活動を行っています。

●国内外の著作権関連情報・研究成果を掲載した定期刊行物『月刊コピライト』をはじめとする書籍やパンフレットの発行

●著作権制度・著作物の利用などに関する無料電話サポート(受付時間は土日・祝日を除く10:00~12:00, 13:00~16:00)

●著作権に関する書籍や文献等を閲覧できる資料室の運営(事前予約制)

また、 月例著作権研究会やビジネス講座他、各種の有料セミナーも開催されていて、弁護士や法学者、裁判官といった専門家を講師に招き貴重な話を聞く機会となっています。トラブルになる前にしっかりとした知識を身に付けたいという人には、 格好の学習の機会となるのではないでしょうか。

北浦さん「かつてはテレビ業界や音楽業界など、一部の人を除けば関わりの薄かった著作権ですが、ネット社会となった現在ではだれにとってもより身近なものとなりました。とりわけクリエイティブな仕事に取り組む方にとっては、切っても切れない、でも曖昧な理解のままやり過ごしていることも多いものなのではないでしょうか」

約3万6,000冊の蔵書が揃う資料室

著作権情報センターの自慢のひとつは、約3万6,000冊の蔵書を抱える資料室です。北浦さんが「著作権やそれに付随する内容の書籍に関しては、有名大学の図書館にも負けないくらい」と胸を張るほどの充実ぶりを誇っています。

公益社団法人著作権情報センター

資料室は一般に公開されていて、海外の書籍や大学の研究書籍、政府の報告書や白書といった専門書から、一般の人にも分かりやすい資料までありとあらゆる資料がそろっています。

そのため利用者もさまざまで、専門書を求める研究者や弁護士から、学校の課題に取り組む中学生や高校生までがこの資料室を訪れるそうです。

貸し出しは行っていませんが、室内には司書さんが常駐しているので相談しながら必要な本を探すことが可能です。

困ったときは電話で相談が可能

とは言え、ある日突然著作権に関する疑問が生じたり、自作コンテンツを提供する機会を目の前にしたりという場合は、資料を調べたりセミナーで勉強したりしているのでは間に合いません。

そういったケースで利用できるのが、著作権テレホンガイドという電話相談です。専門知識を持った専任スタッフが対応してくれる上、無料で利用できるというからありがたい限りです。

北浦さんによれば「1日に30件ほどの電話がありますから、年間7,000件前後の相談を受け付けています」とのことで、かなり多くの人に利用されていることが分かります。相談を寄せる人は

「他人の文章を引用したいのだけど、 法律にいう“引用”の条件とは」と悩むライター

「自分の撮った写真が勝手に使われている!」というカメラマン

「『著作権フリー』という見出しだけを見て、利用規約をよく読まないでイラストを使ってしまった 」という編集者

など。ピンチに陥った場面だけではなく、「自分の小説が映像化されるんだけど、 完成した映像作品にも自分の権利はあるの?」といったチャンスを迎えている人の力にもなってくれますので、利用する機会は意外と身近にあるのかもしれません。

相談にのってくれるスタッフは、コンテンツを制作する企業や管理団体で著作権に関する業務を行っていた経歴を持つなど、知識や現場経験の豊富な人たちだそう。

ただし、 紛争になっている、または紛争が生じる可能性がある具体的事案や、すでに裁判などになっている案件に関しては相談できないとのことなので、大事になる前に電話相談をしてアドバイスをもらうように心がけましょう。

クリエイター全員に関係がある著作権

北浦さんは「ジャンルに関わらず、クリエイティブな仕事をしている人なら全員に関係があるのが著作権です」と話します。

著作権法は本来がクリエイターを保護するものだそうですが、 当の本人が無関心では意味が薄れてしまうのかもしれません。そういった仕事に携わる以上は最低限の知識を得るため、また困ったときには相談にのってもらうため、著作権情報センターの存在を心に留めておくと役に立つかもしれません。

<文・撮影/田中大輔>

取材協力
公益社団法人 著作権情報センター
住所:東京都中野区本町1-32-2 ハーモニータワー22階
■著作権に関する質問は著作権電話相談室へ
専用電話:03-5333-0393(受付時間は土日・祝日を除く10:00~12:00, 13:00~16:00)
フリーナンスはフリーランス・個人事業主を支えるお金と保険のサービスです

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お仕事中の事故や納品物の欠陥を原因とする事故の補償(最高5,000万円)だけでなく、情報漏えいや著作権侵害、偶然の事故による納期遅延などを原因とするフリーランス特有の事故の補償(最高500万円)を行います。

著作権トラブルが起こらないよう日頃から注意を払うことに加え、いざというときのためにフリーナンスあんしん補償もぜひ活用してください。