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GMOクリエイターズネットワークが特許を取得。その概要や経緯を特許発明者にインタビュー

フリーナンスを運営するGMOクリエイターズネットワークが、2022年3月2日に特許を取得しました。その内容は、「個人のユーザーがファクタリングを申し込むユーザーインターフェース(UI)に関するもの」など、10項目以上の広範囲にわたるものとなります。
今回は特許の概要や取得までの経緯、今後の活用方法などを本特許の発明者で、FREENANCE事業責任者の次松武大氏に聞きました。

ユーザーインターフェースに関するものなど、10項目以上の特許を取得

まずは、今回GMOクリエイターズネットワークが取得した特許の概要について教えてください。

次松:今回認められた特許には、買取可能額を表示したり、グラフを表示したりする情報処理方法や手数料率を算出するアルゴリズムなど、全部で10項目が含まれています。その中でも特に大きいと思っているのは、画面上に請求書の一覧を表示して、その中から特定の請求書を指定してファクタリングを申し込むUIに関するものです。

特許が認められるには新規性に加えて、進歩性も求められます。つまり、すでに存在する物事の「ちょっとした改良」ではダメで、「これは容易には考え出せない」と認められないといけません。今回取得した特許の内容は言葉にするとシンプルなのですが、その進歩性も評価してもらえたということですから、とてもうれしいですね。

本特許発明者・FREENANCE事業責任者 次松武大氏

10項目とは、かなり多く感じますね。

次松:世の中には「ビジネスモデル特許」という言葉がありますが、実際にはビジネスモデルそのものはアイデアなので特許にはなり得ません。そのモデルを具体的に画面設定やUI、計算方法などのプログラムに落とし込んだものが特許出願の対象で、今回はそういった部分をきちんと評価してもらえたのだと思います。結果としてビジネスモデル特許と呼んでもいいような、総合的な特許が取得できました。

実は、フリーナンスに関する特許はこれが初めてではないのですよね?

次松:はい。フリーナンス開設前の2018年6月に出願し、2020年12月に最初の特許を取得しています。そのときは、フリーナンス口座と私たちが呼んでいるファクタリング専用の口座を核に特許を取得しました。今回の特許では「特許分割」という制度を用いて、この口座に関する部分を削除した状態で再出願し、これが登録されたというわけです。

特許を取ろうと考えたきっかけは何だったのでしょうか?

次松:弊社はもともとWEBコンテンツの制作事業を行っていたので、ライターさんやカメラマンさんの作ったものをお預かりする立場でした。そのため、会社として「クリエイターさんたちの知的財産をきちんと扱おう」という意識が強く、私も含めた多くの社員が知的財産に関する試験を受けたり勉強会をしたりしていました。そういった背景もあって、特許についても敏感ではあったのです。そんな下地があったので、フリーナンスの仕組みがまとまっていくにつれ「世の中にはまだ存在しない、すごいサービスを思いついたので、これは特許を取るべきだ!」と考えたのがきっかけでした。

良き代理人との出会いで一気に前進

特許を取得する上で、一番苦労したことは何ですか?

次松:特許を出願する際には通常は特許事務所にお願いするのですが、これがなかなか大変でした。そもそも初めてのことでどうやって特許事務所を探していいかもわからないし、つてもありませんでしたから。実際に、最初にお話をした3件の事務所には断られてしまいました。ただ、非常に生意気な話なのですが「この発明のすごさが伝わっていない。わからないのは弁理士さんにも得意・不得意があるからに違いない」と思っていました(笑)。

最終的にお願いした方には、どうやって出会ったのですか?

次松:弁理士さんに断られるたびに「こういう分野が得意そうな先生を知りませんか?」と聞いた覚えがあります(笑)。結果として、河野特許事務所という事務所で弁理士をされている河野英仁先生にお会いすることができました。河野先生は、初めてお会いしたときからすぐに私の話を理解してくださって「出願できそうですね!」と言ってくれました。初回打ち合わせのその場でホワイトボードに図を書いて考えをまとめたり、当初、特許には値しないだろうとこちらが考えていたようなアイデアも含めて出願することを勧めてくれたり……。私自身はコアな部分だけで出願しようと思っていたのですが、河野先生が「まだ聞いたことがないサービスなので、丁寧に出願して幅広く権利化を狙いましょう」と言っていただきました。

河野先生との出会いで話が進んだわけですね。

次松:そうですね。結果として、特許分割により今回の登録ができたのも、河野先生が特許出願における「戦略」も含めてお手伝いいただいたことが大きいですね。河野先生にお願いして本当によかったと思っています。

これから特許出願を考えている人に、何かアドバイスはありますか?

次松:うーん(笑)。僕自身もあまり偉そうなことを言える立場ではありません。特にスタートアップやベンチャーだと、情報公開により資金調達をしていかないといけない一方で、特許申請まで情報を秘匿する必要があります。その辺のバランスが非常に難しそうです。

一つだけ、私も苦労した弁理士探しについては簡単なTIPSがあります。それは『J-PlatPat』という特許公報のデータベースを見ることです。そこでフィンテックならフィンテック、AIならAIなど、自身のビジネスと類似する分野の企業を検索してください。特許出願をしていれば、大抵の出願内容に「代理人」の項目があります。そこにその特許を出願した弁理士の先生のお名前が載っているので、その先生の名前を検索すれば適切な特許事務所が見つかると思います。

「個人向けファクタリングの発展に寄与したい」

今回の特許を、今後どのように活用していこうと考えていますか?

次松:ビジネスの原則は自由競争です。それを明文化しているのが独占禁止法という法律です。誰かがある強い地位を持って独占的に商売をすることを許してしまうと、産業が発展しないからです。しかし特許は唯一、その制限を超えられる強い権利です。発明した企業や人に「独占使用権」というインセンティブを与えることで、イノベーションの起こりやすい社会環境を育み、結果として産業を発展させるという思想によるものです。

この特許により、有効期限である出願から20年間は優越的な地位にいることになります。ただ、私たちとしてはこの技術を独占するのではなく、ライセンス化を通じて即日払いのような個人向けファクタリングがより世の中で発展していくことに寄与したいと考えています。

今回の特許取得によってフリーナンスのユーザーさんが直接的に感じる変化はないと思いますが、巡り巡ってみなさんに「フリーナンスの想い」に掲げているとおり「より自由に、もっと安心して働く」環境を提供できればと思っています。

profile
次松武大(つぎまつたけひろ):大学でフランス文学、大学院で情報通信を学んだ後、映像作家見習いとしてヨーロッパを中心に活動。2006年、フランスからの帰国後に伍福星ネットワーク(現・GMOクリエイターズネットワーク)に入社。ウェブコンテンツ編集者として多くのヒット企画・マンガ連載などを立ち上げた。2018年にフリーランスに特化した「お金と保険」のサービス、FREENANCE byGMOを開始、事業責任者に。


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