FREENANCE MAGが、フリーランスを応援する世の中のさまざまなサービスの特徴を探っていきます。今回は、凸版印刷株式会社のグループ企業である株式会社BookLiveが、2022年2月17日にローンチした『Xfolio(クロスフォリオ)』を紹介します。
「すべてのクリエイターに、スポットライトを。」を旗印にスタートし、ポートフォリオやショップ、ファンコミュニティなどの機能を兼ね備えた画期的プラットフォームともいえる『Xfolio』。多くのフリーランスクリエイターにとって課題となっていた「マネタイズ」と「情報発信」に、独自の仕掛けでアプローチしていく“業界初”のサービスだそうです。
「これまでにはなかったスタイルのサービスだと自負しています」と話す、株式会社BookLiveコミュニティ事業本部 本部長の横田容啓さんに、サービスの特徴や立ち上げの経緯などを聞きました。
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プロになる前に諦めてしまうクリエイターを増やしたくない
3月17日に晴れてグランドオープンとなった『Xfolio』ですが、もともとはどんな経緯で動き始めた企画なんですか?
横田さん:一番初めに話が出たのは2年前くらいです。インターネットの発達によってクリエイターの働き方やマネタイズが多様化している一方で、プロになる前にさまざまな理由で創作をやめてしまう人も多く見てきました。 それってコンテンツ業界にとっても損失だと思うし、個人的にもすごくもったいないことだなと思うんです。まだ発掘されていない新しい才能にもスポットライトを当てて、世に出ていく手伝いがしたい、というのが根底にある思いです。
それを具体化するために時間をかけてマーケティングリサーチを行い、フリーランスのクリエイターが本当に欲しいものは何なのかを突き詰めて考えました。その結果、クリエイターが活動する上で大きな課題になるのは「マネタイズ」と「情報発信」だとわかったんです。それはリサーチ前に立てていたわれわれの仮説とも一致していたので、意を強くしました。
具体的に、どんなところが「これまでにない」サービスなのでしょうか。
横田さん:『Xfolio』の一番の売りはポートフォリオ機能だけでなく、ダウンロード販売や自家通販※が可能なショップ機能や、ファンコミュニティ機能が1つのサービス上にそろっているという点です。これは、今までにはなかったプラットフォームの形だと思っています。
・ダウンロード販売と自家通販を備えたショップを開設し、ポートフォリオ内で作品を販売できる
・ポートフォリオ内でファンコミュニティを開設できる
※自分の作品を、業者などを介さずに直接郵送などして販売すること
横田さん:現在は多様な情報発信サービスが存在します。それぞれ特性が異なるため、複数のサービスを利用していて、それら全部を更新することに労力を費やしているクリエイターもいるのではないでしょうか。「それなら必要な機能を一つにまとめてしまおう」というシンプルなアイデアは、このサービスの設計当初から念頭にあった大事なポイントの一つです。
マネタイズと情報発信、2つの課題に打ち勝つ仕掛けを用意
では、どのようにマネタイズと情報発信という課題を克服するのでしょうか。
横田さん:まず「マネタイズ」に関しては、ショップ機能やファンコミュニティ機能がポートフォリオ内に存在していることで、そのクリエイターが持つ集客の効果を最大化できます。
また、ほかのサイトにはない「原寸大ダウンロード」という機能もあります。クリエイターは作画をする際、結構大きなサイズで作品を制作すると思うのですが、ポートフォリオ上で表示される画像はウェブ用に最適化されてしまいます。そこで、クリエイターが許可した場合には、アップロード時点の大きなサイズの画像をそのままダウンロードできる機能を用意しました。ダウンロードの価格を設定することもできますし、おまけファイルをつけることも可能です。
例えばPSDファイルをおまけとして添付したり、漫画作品の一部を公開して、続きは原寸大ダウンロードで販売したりなんてこともできます。会議中に出た「ポートフォリオってギャラリーの個展みたいだよね」という話がきっかけで、「じゃあ、そこで作品が買えたら面白いね」と。
横田さん:さらに、広告収益分配もしていきますので、PV数や「いいね」ボタンの数といった指標に沿って広告収益を上げられる可能性もあります。広告表示機能をオンにしておくだけで広告収益の分配対象となり、アクセス数や被フォロー数など複数の指標で評価され、月毎にクリエイターへ収益分配されます。日本ではまだ、この機能を実装したサービスは少ない状況だと思っています。
もう一つの課題である「情報発信」についてはどうですか?
横田さん:先ほどお話ししたマーケティングリサーチでは、クリエイターの多くは作品をSNS等で発表して認知を広げなければならず、創作活動以外にも多くの時間を取られてしまっているというデータが出ました。その手間を可能な限り軽減しよう、というのもコンセプトの一つです。ポートフォリオに使えるテンプレートやパーツを豊富に用意し、作成はパソコン作業が苦手な方でもできるほど簡単です。いかに手間をかけずに作れるかに腐心しました。
「見つけてもらう」ための工夫も
なるほど。手軽に作品が投稿できるわけですね。ただ、それを見てもらえるかどうかも重要だと思います。
横田さん:その通りです。作品を投稿したりアップしたりするだけなら、今までのホームページ作成サービスなどとあまり変わらないですからね。自分で宣伝してファンを連れてくることになってしまいます。そこでわれわれは「特殊な検索機能と導線設計」によって、ユーザーがサービス内を回遊し、各ポートフォリオを訪問する仕組みを用意しました。
特殊な検索機能と導線設計とは?
横田さん:『Xfolio』ではクリエイターごとに、ポートフォリオの見た目やページ構造を自由に設定できます。それでも、作品なら作品、コミュニティならコミュニティ、商品なら商品と対象を指定し、ポートフォリオ間を横断して検索できる方式を考案しました。特許出願中の自信作です。
この検索機能と導線設計によって、ユーザーがサービス内を回遊するような仕組みになっています。言ってみれば「勝手に人を連れてきてくれるシステム」ですね。複合的なサービスだからこそ、タグの種別絞り込み検索など、本当に探したいものが探せる検索機能を備える必要があると考えました。
試しに使ってみても、クリエイターに損がない仕組みに
そもそものサービスが重厚なので、利用料金等もクリエイターには気になるところですが。
横田さん:登録はもちろん、ポートフォリオやショップの作成にはお金は一切かかりません。無料で利用することが可能です。お金をいただくのは、 売上が立った場合に発生する一定割合の手数料と、独自ドメイン接続などの特別なサービスを申し込む場合だけです。手数料も競合サービスと同等か安いくらいなので、納得していただけるのではないでしょうか。
それなら「とりあえずやってみよう」という気軽な気持ちでスタートできますね!
横田さん:クリエイターは持ち出しなしで、というのもポイントの一つになっていて、試しに使ってみても損は出ないようになっています。広告表示をオンにしておけば、それだけで儲かるということもあり得ます。
変なことを聞くようですが、それで御社はビジネス的に大丈夫なんですか?
横田さん:『Xfolio』単体の収益も大事ではありますが、それ以上に弊社のバリューチェーンに重きを置いています。弊社は書店事業をメインでやっていて、子会社などを含めると出版事業やクリエイターの育成事業も行っています。だから、育成事業から巣立ったクリエイターの作品を売る環境はあるわけですが、駆け出しからプロになるまでの間の、クリエイターを支援するパーツを持っていなかったんです。
なるほど。そこに『Xfolio』がコミットするわけですね。では最後に、世のフリーランスクリエイターにメッセージをお願いします。
横田さん:今後、フリーランスクリエイターの生き方はますます多様化していくでしょう。それに伴いマネタイズの幅も広がっていくと思うので、そこを私たちが後押ししていきたいと考えています。
“すべてのクリエイターのためのスポットライト”を謳っていますので、われわれはあくまでも裏方として、みなさんにライトが当たるようにサービス改善を続けていくつもりです。クリエイターの方にはぜひ『Xfolio』という舞台に上がってもらって、そこで才能を磨いて大成していってほしいというのがわれわれの願いです。
現在はイラストと漫画を作っているクリエイターを対象にしていますが、今後は写真や小説、音楽、アニメ、声優、VTuber、デザインなどさまざまなカテゴリに対応できるように、随時取り組んでいく予定です。
ありがとうございました!
#編集後記
「無料ですぐに使える」「クリエイターの活動をサポートしたい」というコンセプトからは、FREENANCEと共通する思いを感じました。今後は凸版印刷のグループシナジーも生かしながら、更なる機能拡張を進めていきたいとのことでした。まだ始まったばかりのサービスなので、今後の進化がとても楽しみです!
すべてのクリエイターに、スポットライトを。『Xfolio』