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インボイス制度をゼロから解説! フリーランス・個人事業主が今、考えておきたいことは?

インボイス制度をゼロから解説! フリーランス・個人事業主が今、考えておきたいことは?

※本記事の情報は、今後の社会情勢によって変更される可能性があります。申請手続きをする方や検討中の方は、必要に応じて該当機関のWebサイトや問い合わせ窓口で最新の情報をご確認ください。

2023年10月1日からの導入が予定されている「インボイス制度」。フリーランスとして働く人にとっては大きな変化が訪れますが、何がどう変わるのか、どんな準備をしないといけないのか、分からないという人も少なくないのでは。

フリーナンスでは、日本最大級のフリーランスコミュニティ『FreelanceNow』との共催による参加無料のオンラインイベント『「私はどうしたらいい?」とお悩みの方へ。 インボイス制度をゼロから解説!~フリーランス・個人事業主が考えておきたいこと~』を11月11日(金)に開催し、税理士法人ダヴィンチの代表社員である渡邊正樹さんに、インボイス制度について詳しく解説していただきました。

今回はそのイベントをもとに記事を作成しましたので、インボイス制度を基礎から知りたい方、時間がなくてイベントには参加できなかった方などは、ぜひご一読ください。

インボイス制度とは?何がどう変わる?

2023年10月1日からスタートするインボイス制度ですが、売手(フリーランス)が「インボイス」を発行することで、買手(クライアント)が仕入税額控除を受ける制度です。

インボイスとは「適格請求書」を指す言葉で、売手(フリーランス)が買手(クライアント)に対し、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。

インボイスを発行する場合は、これまでの請求書に「登録番号」「適用税率」「消費税額等」を追加で記載して使用することになります。仕様やフォーマット全体を変える必要はないので、作成自体は難しいものではありません。

インボイス登録=課税事業者になる必要がある

インボイスを発行するには、インボイス登録事業者(適格請求書発行事業者)として登録をする必要があります。しかし、登録するには課税事業者にならないといけません。

これまで、売上1,000万円以下のフリーランサーは「免税事業者」とされていました。これは「消費税の免税事業者」という意味で、クライアントから預かった消費税を納める必要がありませんでした。しかし、インボイス登録をすることで課税事業者になれば、消費税も支払わなければならなくなります

免税事業者と課税事業者の違いは?

免税事業者と課税事業者の違いを具体例で説明しましょう。

例えば、年収400万の個人事業主Aさんがいたとします。Aさんは免税事業者なので、これまで報酬120万円のお仕事があった場合、120万円(報酬)+12万円(消費税)=132万円がまるまるもらえていました。

Aさんが課税事業者になると、132万円を請求した上で確定申告時に消費税分である12万円を納税することになります。つまり、手元に残るのは120万円ということになりますので、収入が減ってしまうことになります。

インボイス登録しないとどうなる?

インボイス登録は義務ではありません。しかしインボイスを発行できませんので、クライアント側から新しい仕事を受注しにくくなったり、報酬が下げられてしまったりするリスクがあるとされています。

なぜそのようなリスクがあるのかというと、インボイス制度がスタートした後は、Aさんがインボイスを発行しなければ、クライアントが「仕入税額控除」を利用できなくなるためです。

仕入税額控除」を押さえてインボイスの仕組みを理解

では、Aさんに仕事を発注するクライアント側の目線で考えてみましょう。

例えば、とある『企業X』が自社のHP作成を『制作会社Y社』に「100万円(+消費税10万円)」で依頼します。『制作会社Y社』はそのHPのテキスト作成をライター『Aさん』に「10万円(+消費税1万円)」で依頼します。

この場合『制作会社Y社』が収める消費税は、『企業X』から預かっていた消費税10万円から、『Aさん』に支払った消費税1万円を差し引いた9万円になります。

つまり、外注費や経費で支払った税金分は相殺することができるのです。これが「仕入税額控除」と呼ばれる仕組みです。

ところがインボイス制度が始まると、『Aさん』が免税事業者(インボイスを発行できない)の場合、『制作会社Y社』は仕入税額控除ができなくなります。上記のケースでは、9万円ではなく10万円を収めることになってしまいます。

そうなると『制作会社Y社』としては、「免税事業者に発注すると自分たちの税負担が大きくなってしまうため、インボイスを発行できる課税事業者のフリーランスに仕事を頼もう!」ということになってしまう可能性があるのです。

フリーランスに与えられた2つの選択肢

では、インボイス制度導入にともない、フリーランスの人たちは何をすべきなのでしょうか。

選択肢は大きく2つです。1つは課税事業者となり、インボイス登録をすること。もう1つは、これまで通りに免税事業者のままでいることです。

選択肢①インボイス登録をする

インボイス登録を行う場合は、課税事業者になるための書類とインボイス登録をするための書類を提出する必要があります。同時の提出でも問題ありませんし、e-taxを通じての登録も可能です。どちらも費用はかかりませんし、内容も特別に難しいものではないので、それほどの手間にはならないでしょう。

現時点での情報では、2023年3月末までに登録すれば制度スタート時点からインボイス登録者として仕事ができます。

また、インボイス登録をした場合は確定申告の際に、消費税の申告用紙を別途作成する必要があります。会計ソフトを使っている場合は、仕訳の一つ一つに消費税コードを入れていかなければならず、それが間違っていると金額が変わってしまいますから気を遣う作業になるでしょう。作業の内容や量によっては税理士さんにお願いすることを検討する方がいいかもしれません。

選択肢②免税事業者のままでいる

免税事業者のままでいることを選んだ場合は、特に新たにやらなければいけないことはありません。

ただし、前述の通り、収入が減ったり、新規クライアントからの発注が減ったりといったデメリットが予想されています。

変更があるかも? 今後の情報もしっかりチェックを

これがインボイス制度の概要になりますが、フリーランサーなど小規模事業者からの反対の声も強いですし、税理士の中にも反対意見は比較的多くあります。そういった流れを受けて国側が制度の見直しを検討しているといったニュースも出ていますので、今後の情報には注視していくといいでしょう。

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執筆者profile
渡邊正樹 税理士法人ダヴィンチ 代表社員 渡邊正樹
大学を卒業後、一部上場企業の営業マンとして就職。営業の仕事をしながら会計の勉強を始め、28歳で日商簿記2級を取得。その後、税理士を目指す事を決意し会計事務所へ転職。2016年に税理士資格を取得後、2017年に独立開業。2020年2月に税理士法人ダヴィンチを立ち上げ、法人化。
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