「Being-どう働きたいか」よりも「Doing-何がしたいか」が重要。【地方開拓者・山口拓也さんインタビュー】

都心から約2時間。広大な海が眼前に広がる千葉県富津市金谷にて、フリーランス向けのコワーキングスペース「まるも」を運営する株式会社Ponnuf代表取締役の山口拓也さん。

学生時代に事業を起こし、フリーランスを経て起業。そして地方開拓をコンセプトに合宿型スクール「田舎フリーランス養成講座」を開設するなど、さまざまなチャレンジを続ける山口さんにお話をお聞きしました。

profile
山口拓也:WEBスクール運営や千葉県富津市金谷にてコワーキングスペース運営やカフェやアパート経営など、さまざまな事業を手がける。2017年からは金谷以外の他地域での活動も開始。今後はさまざまな地域でのスペース運営やコミュニティづくりを視野に入れている。

大学在学中に国際フェス「世界市」を実施

山口さんは大学を卒業してすぐにフリーランスになったそうですね。

はい。僕は大学在学中に、人材関連の事業を起こしているんです。

「世界を見てみたい」という想いから大学3年の時に休学して、世界一周に行くことを決意しました。そのときに体感した世界の面白さを、日本で発信したいという気持ちが芽生えたんです。

具体的には海外の面白さを、雑貨を通して伝えようと思い、海外雑貨専門のフリーマーケットを始めました。最初は小規模なフリマーケットを開催するつもりが、より規模の大きいフェスに変わり、最終的には国際フェス「世界市」が生まれました。

山口拓也さん

学生と企業の架け橋を作るために人材関連事業に着手

そこからどういう経緯で、人材関連の事業を手がけることに?

世界市を開催するにあたって協力してくれるメンバーを募ったのですが、集まってくれたメンバーがみんな個性的で優秀だったんです。こんな優秀な学生が大勢いるのに、就職活動では、普通に見えてしまうんですよね。

そこで、優秀な学生と企業をより良い形でマッチングさせることができる架け橋を作りたいと考え、人材関連の事業を始めました。

大学卒業後に、就職することは考えなかったのですか?

人材関連の事業を手がける中で生まれた縁で、人材系ベンチャー企業で長期インターンをしていました。学べることが多く有意義なインターンでしたし、インターン中にそのまま就職することを勧めてもらったのですが、より困難な道に挑戦したほうが良い成果が出せるのではないかと思い、大学卒業後はフリーランスとして活動することを決意しました。

いずれは法人化して自分が理想とするチームを作りたいと思っていたのですが、当時はまだその実力が自分には備わっていないと考え、まずは独立して自分一人が生きていける分を稼げるようになろうと思いました。

月売上100万円を達成し、大学卒業から約1年半後に会社を設立

フリーランス時代はどんな仕事を受けていたのですか?

Webサイト制作をメインにしていました。学生時代に起業していたときの人脈も活かし、独立1年後には収入が100万円を超える月もありました。

そして月の売上が100万円を超えたら法人化しようと決めていたのですが、その目標を無事に達成し、大学を卒業してから約1年半後に株式会社Ponnufを設立しました。

3ヶ月で戻るつもりが、気づいたら3年以上、金谷に在住

Webサイト制作をメインにしていた山口さんが、富津市金谷でコワーキングスペースを始めた理由は?

フリーランスの頃から知人が運営している金谷の「KANAYA BASE」というコワーキングスペースに通っていたのですが、それがきっかけで東京から金谷に引っ越したんです。

僕はあまり住むエリアにこだわりがないのですが、都内へ日帰りで往復できて、家賃も安い金谷は魅力的だと思いました。

実は最初は「話のネタや自分自身のブランディングにつながるかも」くらいの軽い気持ちで、3カ月くらいで都内に戻ろうと思っていたんです。気づいたら、3年以上も住むことになっていましたが(笑)。

自然豊かな金谷の街

コワーキングスペースや養成講座を通じて、理想のチームづくりに挑戦

そしてコワーキングスペース「まるも」や「田舎フリーランス養成講座」が生まれるんですね。

ちょうど稼げる自信もついてきた頃だったので、金谷でフリーランスが仕事や交流ができるコワーキングスペースを設立・運営しようと考えたんです。

そして以前から考えていた「理想のチームづくり」を始めるのは今のタイミングだと思い、仲間づくりを目的の一つとして「田舎フリーランス養成講座」を開始しました。

コワーキングスペース「まるも」の様子

今後も金谷を活動拠点にするのでしょうか。

そうですね。「まるも」がありますし、今年4月には金谷にカフェ&レストラン「cooks」をオープンしましたし、シェアアパート「comfa」も建てました。金谷に複数の不動産を所有していることもあり、今後の拠点も金谷に決めています。地元の方々とも、適度な距離感で仲良くさせてもらっています。

コワーキングスぺ―スの運営は「まるも」以外に、千葉県いすみ市の「hinode」、山梨県都留市の「teraco」でも行っています。いすみ市も都留市もいい良いところで、子育てがしやすいともいわれているので、ゆくゆくはいすみ市や都留市にも住んでみたいですね。

今後の活動コンセプトは「人と企業の架け橋づくり」

最後に、山口さんの今後の目標を教えてください。

最近は「Being:どう働きたいか」を重視する人も多いですよね。でも私は、Beingはそこまで重視していなくて、「Doing:なにがしたいか」にこだわっています。Doinngが叶えられれば、Beingはなんでもいいとさえ思っています。

「まるも」はスーパーマーケットの跡地を改造して開設

ちなみに山口さんの今後のdoingは?

私が今後やっていきたいことは、自社のコンセプトである「人と企業の架け橋づくり」です。メディアという媒体(架け橋)を通して、まだまだ知られていない個人や企業の魅力を発信し、広く伝えていきたいと思っています。

また、国語や数学といった学校で学ぶ教科以外の「学び」を提供する、教育事業にももっと力を入れていきたいです。仕事の選択肢を広げられるような、面白くて多様な学びの場をつくりたいです。

ただ、今は全部やりたいことをやっていて満足しているのですが、完璧なレベルには達していないと思うので、まずは現在の仕事にさらに注力して、完璧だと思えるところを目指したいです。