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フリーランスのコロナ体験記【2022年1月罹患/東京都在住】

FREENANCE フリーランスのコロナ体験記【2022年1月罹患/東京都在住】

コロナ禍も3年目に差し掛かろうとしていますが、保障も後ろ盾もないフリーランスにとって、自宅待機と強い行動制限が強いられる新型コロナウイルス感染は避けたいものです。

フリーランスのライター&編集者である筆者も、70代の母と同居していることもあり、家族以外の人間とお茶や食事はしない、一人でカフェ利用する際も机と椅子はアルコールで拭く等、徹底して対策を行ってきました。しかし、オミクロン株が猛威を振るうなか、予想外のルートで感染。その際の体験と反省点を、皆さんにお知らせできればと思います。

※文中に登場する保健所の対応は2022年1月時点の東京都のものです。


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感染ルートは保育園

オミクロン株の蔓延により、保育園や幼稚園など未就学児が集まる場所でのクラスターが数多く報告されている昨今ですが、すぐ近くに住んでいる親戚の子どもが通う保育園でも陽性者が発生。急遽休園となったため、共働きの両親に代わり、我が家で1日預かることに。ちなみに園内で陽性者が出ても、それが誰なのか、どのクラスの園児なのかは公表されません。当然、預かった子自身が濃厚接触者で既に感染している可能性もあったのですが、100人以上も園児がいる中で「まさか」という想いが拭えず。ノーマスクで接してしまったことは、振り返ってみると軽率だったと言わざるを得ないでしょう。

翌日、その子どもが発熱し、小児科で陽性判定を受けたとの報せが。状況から考えるに明らかに自分たちも濃厚接触者だろうと思われたものの、保健所の逼迫により症状が出なければ検査は受けられないとのことで(現在は都の無料PCR検査場も増えており、そちらでの検査もできるとのこと)、母と共に10日間の自宅待機を余儀なくされました。

※参考:東京都福祉保健局 PCR等検査無料化事業

濃厚接触者となった時点で仕事関係者に連絡を

感染拡大を防ぐため、その時点で最初に行ったのが、直近の仕事関係者への連絡です。まずは前日夜のライブ取材に同行していた編集者に電話し、感染した状態で接触してしまった恐れがある旨を報告(幸い距離を空けて観覧していたこともあり、その後異状は無かったとのこと)。また、翌日にもライブ取材、翌々日にインタビュー取材が入っていたので、前者は配信での観覧、後者はリモートに切り替えてもらいました。

自分が編集者として出入りしている編集部にも、しばらく出社できないことを伝えて、その間のフィジカルなやり取りはすべて宅配便で送ってもらうことに。時節柄、極力在宅作業に切り替えていたため、しばらく編集部に立ち入っていなかったことは幸いでした。

居住地にかかりつけ医を持とう

感染していないでほしい……との願いもむなしく、翌日の夜から熱が上がり始め、それまで感じたことのない胸痛に激しい頭痛と、明らかに“ただの風邪とは違う”症状が。さらに翌日、熱は38度を突破し、リモートでインタビュー取材をしながら、画面の中の自分の顔が見る見るうちに赤くなっていくのにはゾッとしたものです。加えて母まで39度の熱が出たため、これは様子を見ている場合ではないと東京都の発熱センターに電話するも繋がらず。ダメ元で親戚の子が診断を受けた小児科に電話で事情を説明したところ、快く診察してもらえることになりました。

ちなみに普段、風邪をひいたときに通っている病院にも発熱外来はあったのですが、運悪く居住区とは別の区だったため、陽性だった場合の保健所との行き違いを懸念して回避。また、母も年齢の割に健康でかかりつけ医を持っておらず、結果イレギュラーな診察になってしまったので、居住地と同じ自治体にかかりつけ医を持っておくことを強くお勧めします。

※参考:東京都福祉保健局 新型コロナウイルス感染症にかかる相談窓口について

感染報告の範囲と対象は状況に応じて

徒歩で向かった小児科では屋外で抗原検査を受け、筆者・母ともに陽性であることが判明。帰宅すると新型コロナに感染したこと、最低でも10日間の療養期間は外出の必要のある仕事は受けられないこと、リモートならば体調次第で可能であることをツイートしました。

フリーランスだと関わる関係者や会社の数も多いですが、全クライアントと常時案件を共有しているわけでもないので、どこまでの範囲に伝えるべきか判断が難しいところです。かと言って誰にも知らせず、オファーがある度に事情を説明するのも互いの時間ロスなので、頻繁に仕事している相手ほどフォロー率が高いだろうとツイートした結果、新規の仕事は入らずゆっくり療養することができました。このへんに関する判断は、もちろん、それぞれの職種や事情により異なってくるでしょう。

療養期間中は毎日体調報告

陽性の診断が出た時点で携帯電話番号が登録され、翌日HER-SYS(ハーシス/厚生労働省新型コロナウイルス感染者等情報管理システム)から健康観察用のURLと、そこに毎日体調を登録してほしい旨のメッセージを受けました。ただ、保健所から直接電話があったのは、感染判明の3日後。そこで今の症状や基礎疾患や喫煙・飲酒の有無、肥満度を測るための身長・体重等は聞かれましたが、東京都においては現在、濃厚接触者には陽性者本人が連絡することになっているため、行動履歴の聞き取りはありませんでした。

※参考:厚生労働省 新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS):

結果、リスクが低いとの判断で自宅療養の指示があり、健康観察の担当も保健所から東京都の自宅療養者フォローアップセンターに切り替わって、以降は毎日11時と16時にLINEで報告することに。項目は体温、酸素飽和度、咳、下痢、喉の痛み、鼻水鼻づまり、頭痛嗅覚や味覚異常、食欲等です。酸素飽和度を測るパルスオキシメーターは区から貸与されました。

入力しないと何度もLINEの通知が来るため、完全な夜型生活だったのが自然と朝型になったのは怪我の功名と言えるかもしれません。夜寝て朝起きる生活の方が、明らかに睡眠の質が良くなるのを実感して、体調回復以降は普段より仕事が捗った気もします。

※参考:東京都福祉保健局 自宅療養者フォローアップセンターから健康観察を受ける方へ

配食の利用でステイホームを

また、保健所から連絡があった時点で、配食希望の有無も問われました。我が家は十分な食料備蓄があったので頼まなかったのですが、希望するとミネラルウォーターやお茶のパック、パスタ、お粥やルーなどの各種レトルト、豆やコーンの缶詰、カロリーメイトなどが一人につき段ボール2箱送られてきたようです。

自宅療養期間中は当然自宅から出られないので、大変ありがたいサービスではあるのですが、保健所からの連絡に数日かかることを考えると、配送によるタイムロスも含めて常時5日分程度は食材を備蓄しておいたほうが良いかもしれません(2月末現在、東京都では自宅療養サポートセンターが発足し、療養者自ら配食が申し込めるとのことなので、以前よりも早く配食を受けられるようです)。

※参考:東京都福祉保健局 自宅療養サポートセンター(うちさぽ東京)のご案内

ちなみに10日間家から出られないことで、食材が十分にあった我が家でも足りなくなってしまったのがパンと牛乳です。消費期限の短い生ものなので仕方ないのですが、何年も寝かせておいた災害備蓄用のパンに遂に手を出し、宅配牛乳が一般的だった昭和の家庭が恋しくなってしまいました(笑)。自宅療養者向けに10日間限定で牛乳配達してくれるシステムがあったら、ぜひ利用したかったところです。

療養期間中は可能な限り医療機関と繋がって

肝心の症状ですが熱は3日で下がり、頭痛や咽頭痛も5日ほどで治まったものの、だんだん鼻水等の鼻の症状がひどくなって、1週間経った頃に嗅覚が消失。鼻はかなり良いほうなのですが、どんなに匂いがキツいものでも全くわからないというのは人生初めての経験で、かなりショックでした。

ここで功を奏したのが、LINEでの健康観察と並行して、病院の医師にも毎朝体調をショートメールで報告していたことです。嗅覚が無くなったことを伝えると、漢方を含む薬を家まで、しかも無料で届けてくださり、おかげで5日ほど経つとだんだん匂いがわかるようになりました。もちろん、すべての病院が健康観察をしてくれるわけではありませんが、可能な限り医療機関(医師)と繋がっておいたほうが安心でしょう。

仕事相手を安心させるのがフリーランスのマナー

10日間の療養期間が終わり、数日経つと嗅覚も復活して、ほぼ健康体に戻りました。後遺症としては、若干の咳が残っているくらいで、現在それ以外の不調はありません。

外出しての仕事も再開しましたが、2週間程度はオファーを受けるたびに新型コロナに罹患した旨と、その状態で現場に出向いても大丈夫かを確認しました。感染対策の程度は企業によって大きく異なり、驚くほどユルユルな場所もあれば、リモートを徹底しているところもあったりと、千差万別であることをこの2年で実感していたからです。

また、企業だけではなく、担当者によっても考え方はそれぞれでしょう。さまざまな価値観の持ち主と仕事することの多いフリーランスにとっては、相手を不安にさせないということも、このコロナ禍において重要ではないでしょうか。

働き盛りの中年層=プレ高齢者は要注意

今回、筆者と同時に感染が判明した母は、高齢ということで中和抗体薬による治療の案内があり、すぐに入院して点滴治療が受けられました。保健所からの電話も翌日すぐにあり、ケアの手厚さには感謝するほかありませんが、裏を返せばそこまで高齢ではないけれど疾患が隠れている可能性も低くなく、若者ほど体力もない40代・50代の働き盛りが、感染した場合は最も危険といえるのかもしれません。

※参考:東京都福祉保健局 中和抗体薬による治療

また、未就学児は軽症で済むと言われていますが、最初に感染した親戚の子どもは1週間後に突然高熱を発し、新型コロナに起因すると思われる症状で10日間の入院を余儀なくされました。“オミクロン株は風邪のようなもの”という言説もありますが、いつ誰に何が起きるかわかりません。罹らないに越したことはないのは確かなので、自らの健康と生活を守るために、特に不特定多数と接することの多いフリーランスの皆さんにはお気をつけいただきたいと願います。

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